シンメトリーじゃない理由 | M3遣いのブログ

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ライカではなく、BMWのほうです(^^ゞ
日々想うことをまったりと・・・

クルマというモノは、基本的にシンメトリー(左右対称)な物体だと思っています。


もちろん例外はあって、左右でドア枚数が違っていたり(トヨタポルテ、MINIクラブマンなど)、日産キューブのようにバックドアが片開きのためCピラーの形状が大きく違っていたり。


軽自動車の前のナンバープレートも、ほとんどの車種で真ん中ではなく片側に寄っている。エンジンレイアウトの制約や吸気・冷却系の位置関係とコスト要件から、どうしても真ん中にし難いのは理解できるけど、車体デザイナーさんとしては丹精込めてデザインした美しいボディが偏ったナンバープレートによって均衡を崩されるのは内心面白くないだろう。


だから、軽乗用車でも真ん中にナンバープレートが付いている車を見かけると、「真ん中に持ってこられてよかったね。」と思わずエールを送りたくなります。


おっと、また話が脱線しかけていました。今日はナンバープレートのお話ではなかった。


僕は今までずっと、車のバックミラー(ドアミラー)は普遍的に左右対称だと思い込んでいました。


しかし、自分の愛車のドアミラーを格納した時、左右で微妙に格納後の角度が違うことに気づいたのです。


具体的には、左(運転席側)のほうが、右(助手席側)よりも格納角度が浅い。その差は、角度にしておよそ10度、幅にして約2cm。


たかが2cmと言うなかれ。僕の家(マンション)の駐車場は建物の地下に造られているため、構造体としての柱と柱の間を無理やり区切って駐車区画にしているので、隣との間隔がめちゃめちゃ狭いのです。


管理組合の掲示板に、「駐車の際は必ずミラーを格納しましょう」とわざわざ貼られているほど。


なので、乗降の際にもクーペの長いドアを隣にぶつけないようすごく気を遣うし、その逆の心配も然り。


格納後の左のドアミラーはまるで格納の途中で止まってしまったみたいに不自然に出っ張っていて、「これじゃ格納の意味をなしていないのでは?」と思うほど。


そこで、まずはディーラーさんに相談したところ、「不具合ではありません。仕様です。」と予想通りの回答。


仕様ですと言われても理由が知りたい。なぜ、わざわざ左右の格納角度に差が?


さらなる回答を待つ間、自分でも独自に検証してみる。駐車しているBMW車を見つけるたびに、格納されたドアミラーの角度を慎重に調べてみました。


するとやはり、左右で明らかに格納角度が違う。しかも、右ハンドルの車は必ず右が浅く、左ハンドルの車は左が浅い。


ほどなく、ジャパン(メーカー)からディーラーを通じて回答が届きました。(以下原文のまま)


ドアミラーについては、運転者の視界確保のために左右個別の設計で筐体に差をつけています。運転席側のほうがステーが短いと思います。また、ドアミラーをたたむことによるガラスやボディへの干渉を防ぐために一定のクリアランスを確保していることから、ミラー収納時にその差が顕著に現れるものです。


この回答をもらって、あらためて自分の車のミラーを検分してみたところ、メーカーのいう通りステー(ボディとミラー本体を繋ぐ土台部分)の長さは左右で20mm以上も違いました。


つまり、運転席側はボディに寄せてあり、助手席側は外側に張り出している。


考えてみれば、ドアミラーで斜め後ろを確認する場合、時計の文字盤でいえば左(運転席側)は11時の方向、右は2時30分くらいの方向を見ることになる。でも確認したいのは同じ斜め後ろだから、ステーの長さを変えたり形状を工夫したりすればより見易くなるだろう。


しかし、左右で形状を変えしかも左右ハンドル仕様で別々の部品にしなければいけないのでコストの上昇は避けられない。


おそらく、輸入・国産を問わずコスト要件から左右対称のミラーを採用している車が大多数を占めると思われる中、安全とドライバビリティ(運転機能)の確保のためにここまでやるBMWのクルマ造りへのこだわりに、あらためて脱帽します。


駐車場での不便には目をつぶることにしました。お隣さん、ミラーは出っ張ってるけど、毎回格納はしていますんで、どうか大目に見てやってくださいね。


しかし、何度眺めても、どの角度から見ても、(開いた状態での)左右のミラーがアシンメトリー(左右非対称)にはどうしても見えない。目の錯覚か、デザインのマジックなのか。