初対面の時、無意識のうちに最初に目がいってしまうところ。
それは「足」。
スラリと伸びた、カモシカのような美脚に思わず目を・・
・・じゃなくて、
足は足でも、「足回り」。
つまり、クルマのお話です。
洗車している最中とか、ショッピングモールの駐車場などで気になる車を見つけると、まずタイヤとホイールに目がいってしまいます。
とりわけ、純正でないホイールに換装している場合は、タイヤも銘柄が変わっている場合が多い。
どのメーカーの、どんなタイヤを履いているのか。
同じサイズのタイヤでも、メーカーや銘柄によってその特徴は千差万別。
グリップ性能(ドライ&ウェット)や乗り心地、静粛性、耐久性や経済性・・などなど。
大径ホイール&低偏平率の太いタイヤをツライチで収めて一見カッコよくドレスアップしていても、よく見ると溝がなくてツルツルだったり、銘柄が某アジアの国の格安再生タイヤだったりすると、ちょっとがっかり。
タイヤにお金をかける余裕がなかったのかな。
それとも、見た目さえ良ければ走りや乗り心地は気にしないのかな。
以前、E46_M3のホイールにガリ傷をつけてしまって修理に出した時、格安タイヤを装着した、お店が用意してくれたホイールにしばらく履き替えたことがありました。
サイズはぴったりで溝も十分残っているにもかかわらず、曲がるときにすぐお尻を振ってズルズル滑るし、音(ロードノイズ)はうるさい、乗り心地は最悪で、M3とは思えないまるで別の車を運転しているよう。
タイヤひとつで、こんなにも劇的に変わるものかと、まさに目からウロコの貴重な体験をしました。
なので、年式の古い車でもちゃんとしたグレードのタイヤを履いていたり、ブレーキダストで汚れがちなホイールの清掃が行き届いた車に出会うと、オーナーさんの人となりやクルマへの深い愛情が想像されて、嬉しくなります。
もちろん、BMWのMモデルに指定されているタイヤ(★マーク付)ともなれば、値段は同サイズの格安タイヤの倍以上する。
けれど、車の開発時点からそのタイヤを装着することを前提にエンジンや足回りのセッティングが煮詰められていることを考えると、クルマ本来の性能を最大限引き出すためには、純正装着タイヤに勝るものはない、と思うわけです。
アフターパーツの換装に凝りに凝った人たちが、さまざまな道を辿って結局最後に行き着くところが、純正のままで乗ること、という話をよく聞きますが、その道程や結論にはとても納得がいきます。
ただし、それは自動車メーカーが利益や採算だけにとらわれず、真摯にクルマづくりに向き合っていてこそ。
「スポーツカー」を標榜するトヨタ86の標準装着タイヤが、エコカー代表格のプリウスのそれと全く同じ、という事実を知った時、トヨタ(&レクサス)がその背中を追いかけてやまないBMWに追い付くのは、たとえ100年かかっても無理だと感じました。
エコカーとスポーツカーが同じタイヤじゃいかんやろって、闇雲に批判するつもりはないけれど、燃費性能(低転がり抵抗)と走行性能(ハイグリップ)という、物理学的に相反する要素を両立するタイヤなど存在しない。
「86は、ユーザーが自分好みに仕上げるクルマです」
そんな言い訳みたいな宣伝文句で目先の利益を追い求めるトヨタに、果たして明るい未来はあるのか。
いや、あるかも。
だって、僕から見ればガンダム(玩具)にしか見えないプリウスやC-HRをあれだけ売りまくる魔法の力を持っているんだから。
話は最初に戻って、初対面の人と会う時に自分はどこを見ているのか。
最近初めて会った人の印象を思い返してみるけど、特にどこかが気になった、という感覚はないような気がします。
ただ、性別にかかわらず、背筋がピンと伸びていて姿勢がいい人は、それだけで好印象な感じです。
自分自身が姿勢が良くないから、いくぶん憧れの気持ちも入っているかもしれません。
これからしばらくは、初めての人との出会いの機会も続きます。
自分が相手をどう見るかだけでなく、自分がどう見られるかも少し意識しなくちゃいけないな、と思います。