事件です。
本妻が、瀕死の状態に。
とはいっても、リュックサックのお話。
まずは今日一日を振り返ろう。
今日は、夕方に仕事を終えてばたばたとヤフオクドームに直行。
目的は、わがホークスのエース攝津と、広島のあの男、黒田博樹投手の投げ合いをこの目で見るため。
なにしろ対広島の交流戦が福岡で開催されるのは今回を逃すと次は2年後。しかも3戦しかないから、運よくローテの都合で黒田投手が投げるかどうかも分からない。
だから、是が非でも今日、行きたかった。
もちろん生粋のホークスファンだけど、セ・リーグで応援しているのは広島東洋カープ。
親会社が自動車メーカー(マツダ)というのもあるし、貧乏球団だからお金にモノを言わせてこれみよがしに大物選手をかき集めるようなえげつない補強もしない。
最近は「カープ女子」とかがもてはやされて、やっと人気も出てきたけど、結構昔からのカープ贔屓(びいき)としては複雑な心境。
試合は一方的でした。攝津は、2回以降制球に苦しみ、ストライクを取りにいった棒球をホームランされ、溜めたランナーをエラー絡みでかえしてしまうという最悪のパターン。
一方の黒田は、まさに貫禄の投球。ストレートは最速140km/hしか出ていないのに、バットの芯を微妙にはずし単発のヒットは許しても快打・長打を許さない。
これだけ完膚なきまでにしてやられると、かえってすっきりする。
試合が終わって、サバサバした気持ちで帰ろうとしたら・・・
なぜか、足元がびちゃびちゃ。水溜りができていて、その上に僕の足と、足の間に置いたリュックサックが。
水溜りの源流をたどると、すぐ上の席の人がビールか何かを大量にこぼしたらしく、下の席まで流れてきていた。
気がついたときには、上の席の人はもういなくなっていた。文句を言おうにも、相手がいない。
リュックを調べてみると、中の荷物までぐっしょり。
とりあえず、中の荷物をポリ袋に移し、リュックは濡れたまま持ち帰ることにする。
じつはこのリュック、もうかれこれ5年以上愛用している。ウォーキングが日課で、通勤も徒歩の自分には、欠かせない相棒。
ほぼ毎日使っているので、あちこちにキズやほころびが。
致命的なのは、肩のショルダー部分の右側が、ほとんどちぎれかけていること。なぜ、片側だけ極端にこうなるのかというと、僕がリュックを背負う(「からう」と書きたかったけど、方言かな?)とき、癖で片方だけを肩にかけてしまうから。
今日も家族から、「もう処分したら?ほとんど首の皮一枚じゃん。」って。
全くそのとおり。もう、お別れする頃合いなのかもしれない。
でも、最終的に処分するにしても、こぼれたビールまみれの状態でゴミ袋行きは、あまりにも可哀そうすぎる。
なので、夜遅く野球から帰ってきてすぐ、お風呂場で丁寧に洗いました。
リュックサックは必需品なので、このリュックのショルダーが切れて使えなくなった時のために、次のリュックもちゃんと用意してある。たまに両方一緒に使うことも。
でも、洗ったリュックが乾いたら、きっと僕はまた使い続けるだろう。ショルダーが切れて、本当に使えなくなってしまうまで。
この話を書いていて、(故)向田邦子さんのエッセイの一文を思い出しました。
向田さんは作家だから、ペンが命。向田さんは万年筆を何本も持っているけど、自分で「本妻」「二号」「三号」・・・と格付けしているそう。
書き味が滑らかでとびきりお気に入りの「本妻」さんが一番使用頻度が高く、使い倒してこれ以上使えなくなったところで、「二号」さんが晴れて本妻に格上げになるそうです。ずっと、その繰り返しだとか。
僕の「二号」さんが、本妻に格上げになるのはいつのことだろう。
黒田投手、かっこよかった。背中で語れる、数少ない選手です。