愛車遍歴(その18)BMW_M3(10-2) | M3遣いのブログ

M3遣いのブログ

ライカではなく、BMWのほうです(^^ゞ
日々想うことをまったりと・・・

(前回より続く)


続いて、両車のイマイチと思うところ。


E46_M3
・街乗りでの乗り心地の硬さ
電子制御サスではないから、高機動高負荷の領域ではピタリと決まるけど、路面の凹凸が多い住宅街などではゴツゴツと突き上げるような振動が続き、快適性は薄い。ただし、納車後まもなくミシュランのPirot Sport PS2から、BS POTENZA S001に換装したことも影響しているかもしれない。


その点E92は、電子制御サスのお蔭で、街なかではソフト、高速やワインディングではハードと切り換えることによって、どんな場面でも快適な乗り心地を実現しています。


・シフトフィール
通常ラインナップの3シリーズと大差ないE46_M3の、微妙にナタデココのようなシフトフィールは、次世代のE92で確実に向上しています。もし、M3に昔のホンダ車のマニュアルのような硬質なフィールを期待していたら、がっかりするのは間違いない。ただ、スポーツカーのシフトはストロークが短くてカチカチであるべき、という固定観念が邪魔しているかもしれないです。


・絶対的なパワーの差(343馬力:420馬力)
もちろん、パワーの差はめいっぱい踏んだ時の加速感にも表れるけれど、それが走る楽しさそのものをスポイルしているかというと、そうではない気がします。


E92_M3
・右ハンドル仕様のネガ
足元のペダルレイアウトの窮屈さと、ブレーキフィールのごくわずかな反応の鈍さ。これらは、左ハンドルの車を実際に所有してみないと絶対にわからない。ただし、ブレーキフィールのレスポンス遅れは、これが本当の原因であるかどうかは不明です。


ジグソーパズルのピースがピタリとはまったように、操作の全てが違和感なく行える左ハンドルの車には、将来ぜひまた乗りたい。その時に、なおかつマニュアルにこだわるのか、それともATやDCTで妥協するのか、非常に悩ましい選択になると思います。


・ステアリングの不自然な重さ
例えば高速で直進しているときでも、安定性を保つためにどんな車でもドライバーは無意識に微舵を当てている。その微舵でさえ、意識して力を加えないとうまく当てられない。


電動パワステ(EPS)の制御だと思うし、BMW車は昔から「ステアが重い」と言われてきた。しかし、「何もここまで重くしなくても・・」と思うし、径が太いため握りづらいと感じることも影響している。この感覚は、最新のF82_M4の試乗でも変わらなかったので、ちょっと残念に思います。


・燃費の悪さ
E46では、街乗りで8km/L、長距離になると11km/L程度。一方蜜柑号では、それぞれ7km/L、9km/Lとかなり落ちてしまう。排気量(3,246cc⇒4,000cc)もパワーもアップしているから、仕方がないかもしれないけど。


・・・というわけで、E46とE92、新旧M3のオーナーとしての比較をしてみました。


最初に書いた通り、およそ10年も違うモデルの比較を優劣で断じるのは適切ではないと思うので、それぞれどんな乗り方をするのが向いているのか、クルマに何を求めるのか、という視点でまとめてみたいと思います。


E46_M3は、とにかく心から運転して楽しいと思える車です。ただし、僕のコメントの条件としては、左ハンドル・6速MT限定で。2ペダルのSMGⅡは未経験ですが、壊れたら間違いなく修理代50万円コースであることと、シングルクラッチであることから、あまりお勧めはできない。


中古車市場もだいぶこなれてきて、200万円前後で買える個体も出てきているので、極上車を見つけたら超ラッキー。ただ、個体差が非常に大きいので、ネットで見て年式や走行距離だけで決めてしまうのは絶対にNG。もし気になる車が見つかったら、お金と時間をかけてでも必ず現車の確認を。


E92は、絶対的な速さでいえば間違いなくE46を凌駕する。そして、電子デバイスも倍増して、乗り心地をはじめとした快適性能は格段にアップ。


なので、普段使いで通勤やファミリーカーとしても不自由なく使えて、休日には異次元の世界を堪能するという2足のわらじを履きたい人にはピッタリ。


ただし、クルマのほうが先回りして何でもやってくれるので、「自分の力で車を乗りこなしている」という感覚は非常に希薄。忙しくシフトを操作してワインディングを攻めたり、挙動の限界ギリギリまでリスキーな走りをしてみたい人にはあまりお勧めしません。


いずれにしても、M3がBMWを代表するスポーツカーであることは間違いない。そして、以前にも書いたように、M135iやM235i、その他これから続々と出てくるであろう「疑似Mモデル」がスペック的にM3に迫ろうとも、基本設計、使われている一つひとつのパーツ、そして走りそのものは全く別次元です。


ぜひ、クルマを愛する一人でも多くの人に、BMWが掲げる「駆け抜ける歓び」を体現した真のMモデルを味わってほしい。そこには、運転という退屈な日常を、通勤や買い物さえも異次元の非日常に変えるマジックが待っています。


蜜柑号との絆をこれからさらに深めていくことを誓って、このシリーズを終わります。


E92_M3 Coupe Competition