本を読むのが、大好きです。
小さい頃から、気がつけばいつも、自分の周りにたくさんの本がありました。家自体は、どちらかというと貧乏で、母親の口癖は、「お金がない」。毎日家計簿をつけていた母が、お財布とにらめっこしながら、ため息をついている姿が今でもありありと。
でも、父親も母親も、どういうわけか本にだけはお金を惜しまなかった。ちいさな社宅に、不相応なほどのでっかい本棚と、並べられたたくさんの本たち。百科事典から、推理小説、科学もの、世界文学全集、エッセイ、ノンフィクションなどなど。
親から「本を読みなさい」と言われた記憶は一度もない。でも、小学校低学年の時から、本棚に並んだ分厚い本を興味本位で手に取って、漢字も満足に読めないのに、なぜか夢中になって読み漁りました。
その中で、とりわけ印象に残っている本を、いくつか。
「大地」パール・バック
「天平の甍(小学生だから漢字読めなかった)」井上靖
「シートン動物記」アーネスト・T・シートン
「天声人語」深代惇郎
「ぼんぼん」今江祥智
「ベロ出しチョンマ」斎藤隆介(絵本じゃないよ)
などなど。
多読というより、気に入った本を、何度も何度も、繰り返し読むタイプです。昔も今も、変わらない。
難点は、本を読む時、寝っ転がって、お菓子を食べながら読んでしまうこと。最近はさすがに気をつけるようになりましたが、子どもの頃はかなり無頓着で、チョコやポテチを頬張りながらページをめくるので、本が大変なことに。今でも大切にしているこの本たちは、まるで使い古した手帳のように、側面が黒くくすんでしまっています。
でも、そんな汚れも含めて、自分の大切な思い出。ふと手にとって、どんな本のどのページをめくっても、夢中になって読んでいた小学生の頃の時間と場所(畳の四畳半の自分の部屋)に、一瞬でタイムスリップできます。今夜また、読んでみようかな。