一つの朝
目覚めた瞬間の悲愴
世界から音が消え
開いた瞼に
青さが広がっていた

逢魔が刻の青さに似て
直に深い闇に向かうような

すべてが深く光り
形は消滅に向かっていた

このまま
溶けてしまおうか
青に溶けて
大気中を彷徨うか

瞼を閉じて
鼓動にだけ触れようとする

私はひとりだ

ことばを失った

過ぎ行く夕暮れに
部屋の明かりは少しずつ
暗くなる

少し咳き込んで
言葉を探るように
視線を落としてみるけれど

言葉は紡がれず

夜は深まるばかり

言葉で伝えることだけが

全てではなくて


今夜
夢に会いにきて

そばにいるのに

遠くて


隣にいるのに

無言で


遠くを見つめる君と


横目を振らない君と


一緒に歩きながら


前に見える

山際から

静かに

ゆっくりと

あがってくる

太陽の

朝焼けに目を細めながら


きょうを

迎えることが

うれしくて

とてもうれしくて


ありがとうと

心でつぶやいていた