世界は雨と踊る(4) | Proof of...

Proof of...

祈る神を持たない僕は、ただ言葉の力を信じている。全ての言葉に僕の意味を。

気が付いた僕の意識は、空に立って街を見上げていた。
足元がボヤけた光を漏らしている。そこから立ち昇る無数の雨粒が、眼前で一瞬輝いて、それから街へと落ちていった。
街は遥か遠く、宙に浮かぶ幻の大陸のように僕の知らない場所となっていた。
見渡す限りグレーの足元は、しかし刻々とその色を微妙に変化させ、小さく光ってさえいた。
僕はそれを言葉にすることもせず見つめ続けた。
そこに何かを見い出そうというのではない。ましてや何かを望もうというのでもない。全てを捨て去ってみようと思ったのだ。
この、いつも見上げていた、そして未知であった場所に立って。
地上より遥かに力強く吹く風の音に耳を澄ます。
そして僕は今朝聴いた雨の唄を思い出す。その確かなリズムに体を委ねる。ステップを刻む。
ぼんやりと輝く広大なステージの上、舞い上がる雨粒に全身を濡らしながら。轟音と光と水の感触が僕の感覚を遮断する。全ての意識が嵐の海のように波立ち、そして、次の瞬間に、凪ぐ。