世界は雨と踊る(3) | Proof of...

Proof of...

祈る神を持たない僕は、ただ言葉の力を信じている。全ての言葉に僕の意味を。

ちょうど3つめの角を曲がったところだった。
一車線の交差点の真ん中に彼はいた。

黒のシャツ、黒のパンツ、黒の革靴、そして黒いハットを目深にかぶっている。そして何故か、グレーの傘が開かれたまま転がっている。
顔を下げたまま、手足は優雅に大きなうねりを描き、雨をその全身で受ける。足元の水溜まりが、そのステップに合わせ唄う。
まるでこちらには気付かずに、彼は一心不乱に踊り続けた。
その異様さと鳴り止まない雨音に、僕は傘をさすことも忘れていた。全身から染み入る雨が体中の血液に代わり、激しい鼓動を刻む。目眩がするくらい。
一瞬辺りが暗くなる。
酷い頭痛。

そのまま僕は意識を失った。