「黒地の絵」は、ずっと読んでみたかったんです。
2年ほど前、大学の市民講座で「松本清張を知る」という
テーマが開催され、私も参加しました。
その時に紹介された作品のひとつです。
北九州という近くの地で起こった事件。
戦争というのはこんなにも近くで残酷で。
そして、このタイトルの意味するものとは。

かつて、北九州にあった米軍基地。
そこで起きた事件。
沖縄の基地でも問題になっていることが
北九州でも起こっていたとは驚きです。
あまりに悲惨でショッキングな内容に
もう二度と読みたくないと思いました。
そう思わせるほど、清張の文面からは
リアルさがあり、やはり、清張はすごい
と思わされました。
短編集でしたので他にも面白い作品がありました。
男女の怖い感情のもつれが表現された
『二階』『拐帯行』『確証』・・・
芸術家たちの嫉妬の怖さ、『装飾評伝』
久しぶりに清張を読みましたが、
どれをとっても面白かったです。