SLはどれだけ素晴らしいコンテンツがあっても、それを入れる箱、
つまり建築物がダメだとまったく絵になりません。
それはSLの世界がビジュアル的に捉えられやすい傾向にあるからです。

そんな重要なSL建築の世界は、この人を外して語るわけにいきません。
「MonacaTown」や「Cocololo Island Resort」、そして株式会社METABIRDS の事業による各種建築物。

http://slurl.com/secondlife/Vari/18/23/30

http://slurl.com/secondlife/Cocololo%20Island/175/247/23
本日は現在METABIRDS所属の名ビルダーebisuya Sporkさんにお話をお伺いしました。
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emo8889 Xeno: 最初にSL始めたきっかけをお願いします。

ebisuya Spork: elleair Plasmaさんと、RLで知り合いでして
彼女が1年前にSLを見つけてきてたんです。
elleair PlasmaさんがちょこちょこSLをいじってて、彼女が商品作り始めた頃
僕も面白そうだなーと思ってSL始めました。
最初は二人でわいわいキャーキャーやってる感じでしたね。

emo8889 Xeno: RLの友人だったんですか。

ebisuya Spork: そうこうしているうちに、作った商品売りたくなって、じゃー店作るかと。
で、リアルで建築の仕事をしていた私が、建物を建てて。
建築に追われて結局オープン時にelleair Plasmaの商品は10点近くあって僕の商品は2点だけw
そんなこんなでオープンしたのがMonacaです。

emo8889 Xeno: あの有名な千手観音はその頃ですね。

ebisuya Spork: 最初に借りてた土地ってのが、桃源郷のファーストランドでして
当時は1ヶ月の期限付き無料レンタルだったもんだから
その期限が切れるって時に、桃源郷内の現Monacaの位置に土地を借りました。


当時、Monaca引越し前から僕は千手観音アバターの制作に没頭してまして
ひたすらサンドボックスに篭ってちまちまと腕を作ってましたw

そのときに結構いろんな人から助言もらったり応援してくれたりして
今の自分の基礎ができましたね。

emo8889 Xeno: 自分の基礎とは具体的にどういった所?

ebisuya Spork: 商品作りの基本みたいなの、それからプリム弄りやテクスチャ弄りの基本。
千手観音って僕にとって初めての本格的な商品だったんですよ。
それまではちょっとした家具を作った程度で、アニメやら音仕込んだりパーティクル仕込んだり、
そういった事を色んな人からアドバイスをもらったんです。
なので僕のSL内技術の基礎部分です。

emo8889 Xeno: しかしなんで千手観音を作ろうと?

ebisuya Spork: とにかく他に誰も作ってないジャンルのものを作りたかったんですよ
ジャンルとして新しかったから、それと外人ウケしそうだったからからかな。

emo8889 Xeno: 売れていると噂は聞いています。

ebisuya Spork: それから、満を持して千手観音をリリースして
当時はまだ人口も少なかったですから外人客目当てに
有名どころのクラブに千手観音を着て、プロモーション行脚を友達としたり
そうこうして結構売れるようになったんです。

emo8889 Xeno: 素晴らしい。

ebisuya Spork: みんなそれぞれ、売り上げが順調に伸びてくるようになって
桃源郷の土地自体が手狭だったこともあって、
メインランドに土地を購入して本店を建てることになりました。
で、出来たのがMonacaTown。


「MonacaTownはみんなが納得できる環境ってのを探した」

emo8889 Xeno: MonacaTown、素晴らしいですよね。



ebisuya Spork: MonacaTownに関しては、ひたすら土地の選定から時間をかけてやりまして
みんなが納得できる環境ってのを結構探しましたね。
普通の土地というよりは特徴のある土地って感じで選んで、今の場所が選ばれました。


そんで構想としてはelleairがミコノス島 ってのを言い出して、
ミコノス風にしつつ商品を置くスペースを確保してって感じで
僕が建物デザインを担当し、CRUNKYさんがランドスケープデザインを担当して、
elleairは口を出してそんで出来上がりましたw

emo8889 Xeno: ミコノス島というコンセプトで苦労した点や意識した点どありますでしょうか?

ebisuya Spork: 意識した点は、あそこの土地は傾斜地なんですが、

傾斜地の一番高い部分に道路が隣接していて、その道路を中心に、扇型にひろがってる土地なんですね。
その特徴ある土地にいかに馴染むように敷地内の動線を確保して、
高低差を解消しつつ機能を配置するか。

それと、あそこの土地ってのは4000平米ちょっとしかないんですが
高低差と建物のスケールを調整することで、面積以上に広く見えるように工夫してます。

emo8889 Xeno: 苦労部分は?

ebisuya Spork: 一番苦労したのは、
Monacaの商品イメージとミコノス島ってのが合致しないってことですw
ただ周辺景観とは見事にばっちりでしたけど、
あとは、ああいうテーマ型の店舗ってのは
出来上がった瞬間に作ってる本人が飽きちゃうってのが問題ですね。
もう出来た瞬間に飽きてますw

emo8889 Xeno: ちなみに作業日数ってどれくらいかかったんですか?

ebisuya Spork: あそこは時間かかったなー。
構想段階でラフな感じで何度もやり直ししたりしてたのも含めると
2週間ぐらいかかってるかも。今なら3日とかなのにw
まぁ2週間といっても、その前の企画とかは含まずですが。

emo8889 Xeno: それでも2週間・・・。

ebisuya Spork: それから、そのMonacaTownの建設が一段落したころ
僕自身の商品があまりにも少ないってのと
僕の興味がRLでの本業でもある建築に向いていったので
建築のプレファブ商品を作り始めるようになりました。

emo8889 Xeno: 今販売されてる建築物ですね。

ebisuya Spork: 丁度その頃、rocky sassoonさんから小さな別荘の建築を依頼されまして
その繋がりもあって、Cocololo Island Resortのプロジェクトに参加したりと
かなり建築主体の活動に入っていきましたね。

emo8889 Xeno: Cocololo Island Resortの製作はどの建物を担当されたのですか?

ebisuya Spork: まず、SIMに降り立ってすぐの港部分、
その港から発着する熱気球、ダイビングボート、
それからCocololoモールの建物、アイランドクルーズの発着場、
rocky sassoonさんの自邸。



emo8889 Xeno: 凄い沢山製作されてるんですね。

ebisuya Spork: あとSIMの全体構想図をrockyさんの意見を汲んで、
図化したり動線考えたりそんな感じですかね。

emo8889 Xeno: Cocololoって共同作業ですよね。
SL建築における共同作業の難しさってありますでしょうか?

ebisuya Spork: Cocololoの場合は共同より分業に近かったですよ。
ホテル棟や式場は他の方が作って、その他コマゴマは僕って感じで。
なのでCocololoでは苦労した部分ってのは
どっちかというと我々クリエイター達ではなく、rockyさんが行った調整部分とかなのかなと。

emo8889 Xeno: なるほど。

ebisuya Spork: クリエイター同士は一緒に作業するって感じじゃないんですが、
rockyさんはそれぞれのクリエイターの特徴を活かしつつ、
最適な建物を作ってもらい、且つ全体としての調和を意識しないといけないから。
個々のクリエイターはそれほど苦労していないかと思われます。。

emo8889 Xeno: そんな苦労しなかった?

ebisuya Spork: どちらかというと僕の作業の進捗が遅くて迷惑かけたり、焦って建物作ってた感じで。
作り始めるとサクサク進む方なので、建物のイメージが沸くまでが苦労した部分かもしれません。


「rockyさんとおおはしゃぎして喜んだ思い出が」

emo8889 Xeno: Cocololoって世界的にみてもレベル高いですよね。
ebisuyaさん自身はどう思われます?

ebisuya Spork: これは良し悪しなんですが、メインのビルダーが3名ってのもあって
しかもそれぞれ個性が強かったので、全体としての統一感みたいなのが、
いまいち取れてない部分ってのがあるかとは思います。
逆にそれぞれの個性的な建物があることで、魅力を増してる部分もあると思うので
なんともいえない部分ではありますね。

emo8889 Xeno: ちなみに製作後の感想は?

ebisuya Spork: やっと終わったですw 3ヶ月ぐらいかな、結構時間かかりましたね。

あと思い出話ですが、rockyさんとアイデアをいろいろ話してて
その中で気球を飛ばそうってのが出て、
既存で売ってるガイドツアーってシステムを応用して、気球を飛ばすアイデアを考えたんですね。
CocololoらしくSIMを巡る方法として、乗り物は何がいいだろうって事で気球だったんですが、
実際作ってみると、買ったスクリプトの特性なのか気球が重くて飛ばなくてw


せっかくのアイデアなのにボツかーと諦めかけてた時に
SLのアップデートがあって、なぜかそのアップデート以降飛ぶようになって
rockyさんとおおはしゃぎして喜んだ思い出があります。

emo8889 Xeno: そして次はMETABIRDSですよね。

ebisuya Spork: それで、Cocololoが一段落したころには、Monacaでの活動はほとんどしてない状態でw
elleairちゃんも、あんまり活動してない時期がありまして。
そんな時にmina CookieがMETABIRDS SIMを建設するから、モールの建築を頼みたいって話がきて、
建設をした所、METABIRDSのNao Noeさんがえらく気に入ってくれまして。

emo8889 Xeno: 有名なメタモールですね。

http://slurl.com/secondlife/Metabirds/147/74/26

ebisuya Spork: 実はそのかなり前にも一度、今後のSLについて雑談したことがあったんですが
そのときの話とかも含めて、お互い意気投合した感じで
それからMETABIRDSの建築物関連を受託するようになりました。
それが縁で2007年5月から正社員になったと。

emo8889 Xeno: METABIRDSでebisuyaさんが手がけた建築物って
メタモールが有名ですが他は何がありますか?

ebisuya Spork: 銀座シムにあるcosmoさんのオフィス。
セシールさんの施設の建築企画。ちなみにセシールさんの建築はOnakagoo君がやってます。
それからShimokitazawa SIMの全体構想と駅舎高架や、
銀座の隣に出来たbizislandの全体構想と街路建設
それから近々オープン予定のmetaeggシムの建設。
ざっとですがこんなもんです。



emo8889 Xeno: SLで仕事としての建築はMETABIRDSに入ってからが初めて?

ebisuya Spork: SL内通貨でのやり取りはそれまでもやってましたが
日本円で請ける仕事としては、最初はMETABIRDSからの外注って形ですね。

emo8889 Xeno: やっぱりお金が絡んでくると、作る意識ってのも変わってきますか?

ebisuya Spork: 大きくは変わんないですよ、良いもの作ろうってのと、
どんな建物をクライアントが望んでいるのかを意識するのは共通です。

emo8889 Xeno: 仕事の進め方はどういった方法で。

ebisuya Spork: 僕のSLでの建築の仕事の進め方ってのが、
まず、ミニチュアの模型制作から始めるようにしてるんですね。
RLでの建築では常套手段なんですが。

それをSL内でやることに意味があるのか?って思われるかもしれないですが
メリットとしてはSIM単位での開発の場合などだと
シム内での建物の配置や、動線計画、各建物のボリュームを検討するうえで
手軽に修正できるので楽なのと、アルバイトのビルダーに建設をお願いする時に
イメージの共有がしやすいんですね。


あと建物単位での開発の場合も同様で、
手直しが早く、数案を同時並行で検討できるってのがメリットなんです。

emo8889 Xeno: METABIRDSの仕事で思い出深い事ありましたか?

ebisuya Spork: どの案件って訳じゃないんですが、共通した話題として。
自社事業の場合は問題ないんですが、
受託事業でクライアントさんがいる場合などは、
受注してある程度企画を詰めた段階で機能に分解して
それを本建設の前に模型で数案作って提示するようにしてます。

だいたい1日で模型は出来るんですが、その生みの苦しみを超えて出来た案のうち
最終的に残るのは1案な訳で、悩んだ末に愛着のある案を
捨てなきゃいけないってのが一番辛いです。これはRLでも一緒ですね。


「SLは自由な表現ができるんですが、 逆にピュアな建築でもある」

emo8889 Xeno: RLとSLの建築の違いって何ですか?

ebisuya Spork: それを話すと長くなるのですがw

かいつまんで言うと、RLってのはどんなにデザインに凝ろうが
第一優先は人命なんです。それが構造設計だったり、設備設計、建築法規だったり。
そういうのに縛られてRLの建築は成り立ってるわけで、SLはその部分が一切無い世界です。

自由な表現ってのができるんですが、 逆にピュアな建築でもあるんです。
純粋に機能性を追求し、その機能を象徴する装飾を与える。
つまり建築のもっている象徴性と、必要とされている機能のみで構成が可能なわけですね。

emo8889 Xeno: それって逆に難しくないですか?

ebisuya Spork: ええ。本気で考えるとむっちゃ難しいです。
その本気で考えて行き着く先ってのは、リアル建築の模倣とかではない
別次元の表現のような気がしてまして。


それを追求していきたいという個人的思いがあるんですが、
クライアントの要望や、万人受けするといったとこから
RLの模倣の域を出れてないってのが現実ですw

emo8889 Xeno: そんなSLってebisuyaさんにとってどんな存在なんですか?

ebisuya Spork: 無限の可能性があってアイデアを実現できる場所。
いろんな表現を試していきたい、それを実現可能なプラットフォームなのかなと。
・・・他にもある気がしますが言葉になりませんw

emo8889 Xeno: 最後に読者の方へメッセージをお願いします。

ebisuya Spork: あんまりがんばらないで欲しいですね。僕の食いブチが無くなると困るのでw
とまぁ、それは冗談でw

SLはまだまだ色んな表現の可能性を秘めた世界だと思います。
今後sculptedprimの登場など、さらに表現の幅が広がる中で、
自分なりのSLスタンダードってのを模索していくのが、
ビルダーの宿命なのかなと思うので、
技術的な部分はみんなで情報交換しながら切磋琢磨できればいいなーと思ってます。

emo8889 Xeno: ありがとうございました!


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一つ一つの建築に必ず理由を持ち、その上で素晴らしい技術、センスを駆使して
建築物を作り続けているという事が、今回のインタビューを通じて伝わってきました。

現在SLの世界には沢山のクリエイターが存在しますが、
その中で報酬を貰うプロフェッショナルとしてSLをプレイするという事は
資格等の制限がない分、非常に厳しく、そして実力主義の世界だと私は思います。

しかしそんな中でもトップクラスのebisuyaさんの姿勢は、本当に学ぶ事の多いもので、
是非、みなさんもインタビューの中に出てきた建築物をチェックしてみてください。
意識すればするほど改めてその完成度の高さに驚く事になるでしょう。

ISIDがSecond Lifeオフィスを設置--商用利用に向けた技術検証、採用活動等をスタート
2007年3月、このような記事を目にしました。


今各種メディアで話題になっている企業レベルでの本格的なビジネスが、
SLで開始されるにはクリアしなければいけない課題がSLには沢山あり、
それは今後のSLの発展にも繋がっていきます。


そしてそのカギを握るのがShinagawa SIMにオフィスを構えた

「ISID 株式会社電通国際情報サービス」 だといっても過言ではありません。

http://slurl.com/secondlife/Shinagawa/126/56/22


今回はISIDの写真左から「cima Loonさん」「Fish Brouwerさん」「pitts Sailingさん」にお話をお伺いしました。



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emo8889 Xeno: 最初にISIDについて教えていただけますか?


cima Loon: 株式会社電通国際情報サービスは、電通グループのシステムインテグレータです。
電通とGeneralElectric社(GE)との合弁会社として、1975年にスタートし、
顧客企業に対して、システム開発やパッケージソフトウェアの販売・導入などの
サービスを提供しています。


金融業・製造業・流通業など、幅広い業種の顧客企業と長年に渡ってお取引させていただき、
多岐にわたる業務知識と卓越したIT能力を組み合わせたサービスを強みとしています。
電通の関連会社であるためマーケティングやウェブ系の製作会社と思われることも多いのですが
例えば金融分野においては、金融機関の決済システムや、インターネットバンキングシステムなど、
基盤となるシステムが得意なシステムインテグレータです。


emo8889 Xeno: 貴社がSecond Lifeに参入したキッカケから
Shinagawa SIMにISIDビルを建てるまでの経緯を教えてください。


cima Loon: Second Lifeでの研究活動を始めた理由は二つあります。
一つは顧客企業がSecond Life参入の検討を行うという局面において、
日本ではシステムインテグレータによるSecond Lifeへの本格参入がないことから、
ISIDとしてシステム面でのお手伝いに備えた検証が必要と判断したこと。


もう一つは、ISID自身がSecond Lifeをどのように活用できるか検討したいと考えたことです。 
社員の中には、すでに去年から個人的にSecond Lifeで活動をしている人が何人か存在しており、
その中のメンバーが中心になっています。


研究活動の拠点として自社ビルを持つ必要があったため、建てるならば本社所在地と同じ
shinagawaにしようと考え、ジップサービスさんにお願いしました。

土地の確保や社屋の建築に関しては、エージェントとしてnabe Spitzさんにご尽力いただいています。
社屋のデザインはノルウェイのMaximilian Milosz氏によるものです。
出会いから仕事の依頼そして納品までSL内で行われ、まさにバーチャル世界での経済活動を体感いたしました。
また、会社説明会で学生さんに無料配布したスーツではkasumi Silveraさんにご協力をお願いしました。
説明会会場でスーツを着た学生さんが一同に会した光景はまさに壮観でした。

emo8889 Xeno: 貴社のプレスリリースにある三項目について質問です。
この三項目について現在までに行った具体的な取り組み、結果、感想を教えてください。


■ アプリケーション間通信における安全性など、「セカンドライフ」をビジネス利用する際の
技術的な課題を抽出しその解決方法を検討する。


cima Loon: 企業がSecond Lifeの情報を活用する場合において、セキュリティの確保が解決すべき課題の
ひとつにあげられます。LindenLabがAPIを公開していますが、その具体的な使用方法などに
関しては情報が不足しているのが実情です。
ISIDが研究を始めてまだ間もなく、手探り状態で活動しなければならない部分も多いのですが、
すでにある一定の成果を得ています。


「クリティカルなシステムを構築するには、更なる検証が必要」

emo8889 Xeno: 具体的にはどのようなセキュリティ問題を認識されていますか?


Fish Brouwer: クリティカルなトランザクションなどをSLから行う場合などに
通信内容を傍受されたり改ざんされる危険があります。
そのため、 外部システムとSLサーバーとの通信などがセキュアに行われる必要があると考えています。
また、SL内においては、 成りすましや妨害行為を排除した形での企業活動が必要と考えています。


emo8889 Xeno: その課題についての解決見通しは?


Fish Brouwer: セキュアに通信をする手段はあるのですが、
クリティカルなシステムを構築するには、更なる検証が必要だと考えています。
成り済ましなどに関しては、グループ化やアバター名を個別にリンデンから取得するなどが可能です。


emo8889 Xeno: それが一定の成果ということですね。


Fish Brouwer: そうですね。会社説明会の際には、登録した人しかビルに入れないように制御をかけて、
妨害行為などを防止する手立てを行いました。
ヒトが集まっていると、それがさらに人を集めてしまうことにはなりましたが、
関係者以外はビルに入ることができませんでした。
結果として、説明会自体はスムーズに行うことができました。


■ 「セカンドライフ」内にISIDオフィスを設置し、企業内の情報共有や、技術的な課題を解決
するための検証スペースとして活用する。


cima Loon: オフィスの中に会議室とラボを作り、そこを拠点として会議や検証を行えるようにしています。
情報共有に関しては、通常の業務では話す機会が少ない社員がSLを通じたネットワークによって
知り合ったりということが起きています。業務外の交流は喫煙所(笑)という例が多かったのですが、
新しい社員交流の形となっていく可能性を感じています。


emo8889 Xeno: 会議や検証をチャットで行うのですか?


cima Loon: 会議に関しては現在のところ、チャットが唯一のコミュニケーション手段ですので
チャットで行いますが、履歴がすべてログとして保存できることはSL内会議の利点と考えています。
近いうちに、3Dボイスを含めたボイス機能が追加されますが、電話会議などとは違った
コミュニケーションの新しい手段として期待できると思います。

emo8889 Xeno: ボイスだとログが残らないデメリットが。


Fish Brouwer: 通常の会議や電話でも、ログそのものを録音することはあまりないので。
3Dで距離感を近づけつつ会議が出来ると、コミュニケーションも円滑に出来るように思います。
電話での通話ですと1対1のコミュニケーションですが
ボイスチャットですと、多対多のコミュニケーションがリアルタイムに行えますし。


emo8889 Xeno: では今後どんどん社員の方がISID社員としてアバターを持つという事もありえる?


cima Loon: 社員がアバターを持つことはもちろんありえると思いますが、
実際に業務で使えるかどうかはセキュリティなどの観点からも検証が必要と思います。


emo8889 Xeno: そのセキュリティーをクリアすると、どんどん企業参入の可能性は増えそうでしょうか?


Fish Brouwer: より高度な使い方が可能になると思います。
現時点ですと、プロモーションの観点での参入が中心ですから
SLからリアルな商取引を実際におこなったりということが考えられると思います。
しかしSLでは明確にサービスレベルが保障されているわけではないので
あまりクリティカルなことは現時点では行えないと思います。


■ 「セカンドライフ」内のISIDオフィスにおいて、新卒者向けのISID会社説明会を開催、 また、
応募希望者とISID社員とのコミュニケーションの機会を設けるなど、新卒採用活動の支援を行う。


cima Loon: 当初2回の開催を考えていたのですが、100名以上のご応募をいただきました。
SIMの収容人数の関係上、1回の参加人数に限りがあったため、急遽4回の開催に変更しました。
最終的には70名弱の学生さんにご参加いただきました。
初めての試みでもあり、いくつかの課題が明確になりましたが、
現実の説明会では味わえない雰囲気を体感してもらえたと思います。




Second Lifeならではの大きな利点として、海外を含む遠隔地からの応募者に対しても、ISIDとの
インタラクティブな情報交換が可能になるということが挙げられます。
実は私、今サンフランシスコのホテルからこのインタビューに参加させていただいています。
今回のインタビューが海外出張と重なってしまったのですが、このように無事に参加させて
いただくことができました。地理的な制約がなくなることによる効果は大きいと思います。


emo8889 Xeno: 会社説明会をSLでした理由は?


pitts Sailing: 2月から全国各地で説明会を開催してきましたが、
遠隔地の方や、海外の大学に通学中の方に対しては、地理的な制約から十分な情報提供ができませんでした。
時期的に採用シーズンのピークということもあり、SL内での企業説明会という、新しいことにチャレンジする
にはちょうどよいタイミングと考えました。


3月SLでの実施を告知した際に真っ先に応募があったのは アメリカ西海岸の学生でした。
メールで「このような情報収集の場をいただき感謝します」と感謝され、嬉しかったですね。


emo8889 Xeno: しかしSLで説明会を実施って凄く思い切った事だと思うのですが。


pitts Sailing: 私もそう思っていました。
そもそも「Second Lifeって何?」という問い合わせが殺到してしまうのではないか、と。
ところが 既に住人となっている学生やその存在をネットで知っていた学生が
100名近く参加希望をしてくれました。その情報感度の高さには驚きましたね。


そしてSLそのものに対する質問は一件もありませんでした。
服の着替え方がわからず、いきなり全裸になる学生も多数いたとの話ですが(笑)


emo8889 Xeno: 社員説明会で見えてきたいくつかの課題とは?


pitts Sailing: もっとも多かった学生側の不満はマシンスペックに関するものでした。
それ以外で申し上げるとSLの世界では、採用活動そのものを実施することはできませんので、
リアルな選考の場への導線が必要となります。

参加してくれた学生の関心を高めリアルな選考に参加してみたい、といかに思わせるか、
その辺に今後の課題があるのかな、と。


そして今回は音声のストリーミング配信とパワーポイントの説明にとどまりましたが
もう少しコンテンツに工夫の余地があるのではないかと考えています。


「3分の2以上の学生が現実の選考に参加してくれました」
emo8889 Xeno: 今回の新卒説明会に出席した人からの実際の応募はどれくらいの人が?


pitts Sailing: 説明会に参加してくれた学生の中で、
3分の2以上の学生が現実の選考に参加してくれました。
人数的には申し上げられないのですが、先日見事内定となった学生も複数名います。


emo8889 Xeno: それは素晴らしいですね!!!


pitts Sailing: はい 私も驚きました。
参加者の反応もさることながら、今の学生は自らの情報を横に繋げていきます。所謂、口コミ効果です。
ブログやSNS、就職の掲示板などで面白かった、斬新だった等の感想が、
爆発的に展開していくさまには驚きました。
ISIDは斬新な会社という企業イメージが、学生間に広がっていく効果を体感することができましたし、
面接の控え室などでも、その話で盛り上がることが多かったですね。


emo8889 Xeno: 次に貴社が今後Second Lifeで実行する、もしくは実行したいと思っている事を教えてください。


cima Loon: 参入の目的の一つである技術的な検証活動を今後も継続して行う予定です。
その検証活動の結果を通じて、顧客企業がSecond Lifeを活用する際に課題解決のお役に立てればと考えています。


emo8889 Xeno: 技術的な検証活動って具体的には?


Fish Brouwer: 先ほどのセキュリティ関連で、どこまでできるかという点については、
更に突き詰めていきたいと思います。
つまりはAPIの利用法を更に探求するということになりますね。


emo8889 Xeno: ISIDオフィスでの活動は?


Fish Brouwer: このオフィスに関しては継続的に情報発信の場として活用していきたいと思います。
今後も採用活動に関わること等は継続していくことを考えています。
また、ISIDをご存知ない方にもISIDを理解して頂くよい機会になると思います。


emo8889 Xeno: その検証活動の結果を通じて、顧客企業がSecond Lifeを活用する際にとありますが
これは参入支援ともとれますがいかがですか?


Fish Brouwer: 参入支援といっても、単に建物を建てたりという場合には

ISIDではお手伝いすることはないと思います。
今後、よりクリティカルな利用方法が現実的となってきた際に、
システム面での支援を行えるようしていきたいと考えています。


emo8889 Xeno: 現在沢山の参入支援活動をおこなっている企業や個人の方がいらっしゃいますが
これらと競合ではないということですね?


Fish Brouwer: そうですね。ISIDとは競合にはならないと思います。


「SLのライブ感覚が、今までにないコミュニケーションの形態を作っている」

emo8889 Xeno: 実際にプレイしてみた、Second Lifeの感想を教えてください。


cima Loon: 要求されるハードウェアの性能が高い、操作が難しいなど、
始める時の壁が高いということが言われています。
ただ操作に関しては、プレイしてみれば実際にはそれほど戸惑うことはないのではないかと思います。


現実世界でイラストレータをやっているある知人にSecond Lifeを紹介したのですが、
その人はどちらかというとPCの操作は苦手な部類に入るにも関わらず、
今では自分でギャラリーを建てて作品を展示するなどの活動を活発に行っています。


また、会社説明会のところでも触れましたが、リアルタイム性・インタラクティブ性による
ライブ感覚が、今までにないコミュニケーションの形態を作っていると思います。
チャットのログは残りますが、その時の周囲の雰囲気や感じたことは再現できません。
揮発性の体験ではありますが、だからこそ参加することの喜びや楽しさがあるのだと思います。


emo8889 Xeno: 参加することの喜びや楽しさとは?


cima Loon: 特にイベントに限らず、SLの中で体験することに言えるのではないかと思います。
たまたま、道ですれ違った人と交わす会話とか、気まぐれでテレポートした場所の光景とか
その時々でしか体感できないことがあると思っています。


emo8889 Xeno: プレイして感じられてる問題点などはセキュリティ面以外にありますでしょうか?


cima Loon: 企業が恒常的に活動することを想定すると、いわゆるダウンタイムが多いと思います。
このインタビューの前にもありましたが、機能拡張などのためのメンテナンスなど
アクセスできない時間がどうしても存在する、という点でしょうか。


Fish Brouwer: 他には法的な課題や税務面でクリアでないことなどでしょうか。
Lindenとユーザーの間は取り決めがありますが、ユーザー間の取り決めに関して
Lindenが絡んでくることはありません。つまり、法的根拠は逆に不明確ということになります。
また、SL内での収益に関しては現在課税のスキームはなく、
経済規模が拡大していく中で課税の問題も議論されていますが、まだ明確な答えがが出ていません。


emo8889 Xeno:最後にSecond Lifeをプレイしている方にメッセージをお願いします。


cima Loon: ISIDは企業としてマジメな研究活動も行っていますが、同時にSecond Lifeの中の住人でもあるという
スタンスでSL内の活動を行っていきたいと考えています。
ギャラリーやショップなど、一般のSL住人のみなさんにも楽しんでいただける要素も作っています。
ぜひ一度ISIDのオフィスを訪れてみてください。
今後も、試行錯誤しながら楽しい要素が追加できればと考えています。




学生さん向けに関しては、SLで伝えられることはまだまだあると思います。
調査会社のガートナーは、インターネットなどのIT環境を小さいころから当たり前のこととして
育った世代を、「デジタルネイティブ」と称しています。
新卒採用説明会の感想の広がり方などは、まさに「デジタルネイティブ」特有のものと言えます。
そのような新しい世代とのコミュニケーション形態の一つとして、SLを活用できるかもしれません。


pitts Sailing: 昨今 社内SNSを導入する企業が増えていると聞きました。
このセカンドライフも社内活性化のための一つのツールになればよいなと考えています。
楽しく上下間、部署間を越えて情報交換できる場があればいいですよね。
また、ISIDの社屋の隣にお洒落なバーがあります。そちらで店長をしていますので、ぜひお気軽に遊びに
来てください。SLの世界を一緒に盛り上げていきましょう!


emo8889 Xeno: ありがとうございました!


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本格的なビジネスがSLで発生するにはクリアしなければいけない課題が沢山あり、
その問題解決の難しさを実感する事ができました。


ISIDという大企業がSLに参入し、その課題に立ち向かってくれる事で、
我々一般ユーザーが新しいコンテンツを体験する事が可能になり、
SLの世界はさらに広がる可能性を秘めています。


そして採用活動を実施し成功させ、SLの可能性を見事に示してくれた事も見逃せない事実で、
今後はもっともっとSL内で企業活動が活発になり、我々ユーザーを楽しませてくれるでしょう!

Second Lifeの認知度はとても上がってきていて、解説本もちらほら出版されるようになってきました。

そして解説本があるということは当然ゲームライターさんがいるわけです。

ゲームライターさんは星の数ほどある色々なMMOをプレイして
その中の1つとしてSLの世界を見て、執筆されていらっしゃいます。


本日は「セカンドライフ (Second Life) はじめ方から稼ぎ方まで 」の
執筆をされ、ブログ「つくらない人のためのSecond Life」 でもお馴染みのEstella Thereianさんにお話をお伺いしました。


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emo8889 Xeno: SLを始めたきっかけをお願いします。


Estella Thereian: 2003年の末ごろにはSLがあるのは知っていたんです。
ちょっと興味があって アカウントを取っておこうと思いまして。
最初Project Entropiaという、バーチャルとリアルの双方向で
お金のやり取りができるMMORPGを調べていたんです。
それと似たような感じなのかなー と、目にとまったのがこのSLです。


emo8889 Xeno: 他のゲームの方がメジャーだったんですね。


Estella Thereian: ちなみに今はProject EntropiaはEntropia Universeという名前になってます。
でも2003年当時はあっちのほうが勢いがあったんですよ、
SLは なんだこりゃ地味だな~って感じでした。


emo8889 Xeno: 実際始めてみてどうでした?


Estella Thereian: 最初は とにかく地味でした・・・。
ヘルプアイランドの周りにだけ人がいて、
Lindenの人もいつも突っ立ってて「不具合やアドバイスについて聞かせて~」とか言ってましたね。


emo8889 Xeno: Estellaさんってゲームライターさんなんですよね?


Estella Thereian: そうです ライターが本職ですね。
でも まったくSLは注目度がなかったので自分の興味ではじめました。
「これ新しいんじゃないですか?」 と企画を持ちかけても どこもほぼ黙殺でしたし。


それよりEntropia調べてくれよって言う反応でしたね。
当時はSLは何がどこまでできるか全然わからなくて、
どう切り込んでいいのかゲーム業界の方々もわからなかったんだと思います。


emo8889 Xeno: 始めてから現在までの活動を教えてください。


Estella Thereian: 2004年6月にアカウントをとって、週に1回ログインすると50L$貰えるらしいので、
とりあえずそれ欲しさに毎週1回はログインしようと考えました。
それで毎週ログインして、まぁログインする場所といったらヘルプアイランドの辺りなんですけど
その周りにちょこちょこできてる店をまわってすげーとか言ったり、
アバターたちと適当な会話したり無為に過ごしてました。


emo8889 Xeno: なるほど。


Estella Thereian: 10月まで遊んで、あんまり進展がないので、いったん休止。
その後はオンラインゲームの大きな仕事が入るたびに不定期に休止しながら、

ぶらぶらワールドを巡って今に至ります。


休止してるうちにflexi primが導入されてビックリしたりもしました。
そして最近セカンドライフのガイドブックを共著で作りました。

ラケータ
セカンドライフ (Second Life) はじめ方から稼ぎ方まで

emo8889 Xeno: ガイドブック作成時の苦労話などありますでしょうか?


Estella Thereian: 締切がキツかったです・・・・・・。
それ以外の苦労はあまりありませんでした、得るものが多く楽しかったです。
今まで知り合うチャンスのなかった日本の方も、ずいぶんフレンドリストに増えましたし。


emo8889 Xeno: どのような記事内容を執筆されたんですか?


Estella Thereian: SIMの紹介と あとアバターいじりの仕方 操作説明などです。あとRMTの話・・・。
多分本の半分弱ぐらいを書いたと思います。
変な名前の本なんですが・・・「セカンドライフ (Second Life) はじめ方から稼ぎ方まで 」です。


emo8889 Xeno: 先ほど得るものが多かったとおっしゃってましたが。


Estella Thereian: 気づかなかったけど 日本の人が沢山いた事と、
かなり活発に活動されているのを知ったことです。まじめに楽しんでいるんだなぁと・・・。
最初にびっくりしたのはKABUKIの取材にいったときですね。
完成度の高さに驚きました。


emo8889 Xeno: 世界的にみても完成度は高い?


Estella Thereian: ちょっと重いけど それはおいといてかなり良い出来だと思います。
見る買う遊ぶだけ長年やってきましたから 評価には自信あるつもりです。


emo8889 Xeno: Estellaさんプロですからね。


Estella Thereian: プロというよりSLでは遊び人に近いと思います。

人様のコンテンツをありがたく頂いて楽しむのみですから。
昔のSLと違うのは、そういうユーザーでも十分に楽しめるところです。

「SLの世界が大きく発展しています」

emo8889 Xeno: だいぶ変わりました?


Estella Thereian: 変わりました。世界が大きく発展していますね。
始めたばかりの頃は、作らない人はなんでいるの? って感じだったんです。
そう言われる訳ではないんですけど、物作りをしないユーザーは自分で
「なんで自分はここにいるんだろう?」って思っちゃうというか、
他のオンラインゲームでいいんじゃないかとか・・・。
チャットして飛行を楽しむぐらいしかありませんでしたから。


emo8889 Xeno: 今は違いますね。


Estella Thereian: 今は遊べる場所、見て楽しめる場所だらけですし、
人も増えたから仲間を得て、物づくりやイベント開催など積極的に参加していけますよね。
良い時代になったなー なんて思ってます。


emo8889 Xeno: 数々のゲームをされてきたEstellaさんですが、
ゲームの観点からSLはどうなっていきそうですか?


Estella Thereian: しばらくはこの状態で安定、なんじゃないかなと思います。
人も増えた、リアル・バーチャル間の経済の流れも活発、企業もアーティストも参入してきて
コンテンツは増える一方ですよね。次はユーザーによる発展ももちろん重要ですけど、
SLのシステム自体がグレードアップされないと 新しい段階には進めないんじゃないかなと思います。
データベースを強化するとか サーバーの性能を上げるとか、あと先日導入されたSculpted primとか。


emo8889 Xeno: 他には?


Estella Thereian: SLはそろそろ外部アプリケーションとの連携ができないとキツイんじゃないかなー。
詳しくないので 具体名はあげられませんけれど、
アニメーション作ったら インポートで取り込んでSLの形式で即完成とか、
プリムもオフラインでこてこて作って、作ったアプリケーションの形式で
アップロードしてSL内で微調整して完成できるとか。


emo8889 Xeno: そこまで出来るMMOって他にあります?


Estella Thereian: ほとんど聞いたことないですね。
そもそも一般のオンラインゲームはユーザーがオリジナルの何かを作ることを許しませんから。
いちいちオリジナルをアップしていったら全部それらをロードしないといけなくって、
それをやると重くなるし、下手をすれば不正の原因になってしまうでしょう。
SLはみんながぶら下げているPrimを読むから重いんだろうなぁ・・・。


emo8889 Xeno: SIMの鯖をオープンソースにするという話がありますが。


Estella Thereian: その辺の知識はかなり乏しいのですが、
オープン化すると自分でサーバーを立てて、グリッドの一部になることもできるんでしょうか。
でもオープンにしていいのかなー・・・。


emo8889 Xeno: なんで??


Estella Thereian: そこで得た知識を元にグリッド荒らしに行ったりする人が、出るんじゃないでしょうか。
今は爆弾パーティクル撒いたりb格的に起こったりしたらイヤだなーと。
まさにテロという感じになっちゃいますよね もし起こればですけど。


emo8889 Xeno: なんかSLってゲームの枠を超えてると思うんですが、どう思われます?


Estella Thereian: 今は単なるゲームとはもう言えませんね。
理由はシステム管理側がすべてを握っていない点ではないでしょうか。
普通のゲームなら、絶対に変えられないルールがあって、我々ユーザーはその枠の中で動くほかありません。

SLの場合 SIMを買ってしまえばルールや世界を定めるのは、そのSIMのオーナーになりますし、
土台しかない世界で ユーザーがあれこれ作ったり、ルールを決めたりできるSLは、
一般的なゲームとはだいぶ違うと思います。経済が仮想経済 ではなくなってしまっている点もそうだし・・・。
SLはシミュレータだという方も多いですよね。


emo8889 Xeno: シミュレータというと?


Estella Thereian: この世界は仮想外国なんじゃないかと思ってます。
L$はリアルに移行する力のある外貨で、SIMはまあ・・・自治区?
辺境の集落かもしれませんけれど。でも政治の要素はそれほどないかな・・・。


emo8889 Xeno: でも政治もフランスで選挙活動とか日本では民主党議員が事務所開いたとか・・・。


Estella Thereian: フランスでお互いの候補者の支持者が邪魔しあってるとか聞きますね。
小規模な物みたいですけど、候補者の看板の前でパーティクルを大量に撒いて、
看板見えなくしちゃったりとか、ポスターに落書きみたいな感じなんじゃないでしょうか。


emo8889 Xeno: ところでゲームライターとしてSLの取材ってどうですか?


Estella Thereian: 取材はほんとうにごく最近のことなのですが、
SLはこうです、みたいな決まった型がありませんから、
いつも「これじゃほんの端っこの部分しか紹介できないのになー」と思いながら取材しています。
例えば、今企業も盛んにSL進出していることが注目されていますけど、
普通に遊んでいる人には 実はどうでもいいことだったりしませんか?


emo8889 Xeno: そうですね。


Estella Thereian: 国道沿いに○社のでっかい看板が出たよ! 程度でしかないと思うんですよ。
アピールにはなるだろうけど、最初に始める方はゲーム感覚でログインされると思います。
私もゲームとして遊んでいますし、Residentが増えなければいくら企業が進出しても
見る人がいないわけだから、もっとシンプルに 色々な事して楽しいよー、
というのを伝えたいのですが、なかなかチャンスがありません。


emo8889 Xeno: 盛り上がり方変ですよね。


Estella Thereian: 今はどうしても「あの○○社も続々進出のセカンドライフ!」
みたいな記事ばかりになってしまいます。
私はどっちかというとゲームとして、SLを紹介したいんですよね。


emo8889 Xeno: 確かにSLの情報がめちゃくちゃ錯綜していますね。
最初って他のMMOもそんなもんですか?


Estella Thereian: もうわけわかんないですね。
他のMMOとは全然違う感じです。
普通は開発情報はここまで、βテストの情報はここまで出していい、とか規制によって
公開する情報量とその時期が決まっていますし、

出たら出たであとは初心者用記事とか攻略記事を書くだけですから。
SLは永久に開発中というか、出来る事の幅も多いですし、普通のMMOの情報の出方とは全然違います。


emo8889 Xeno: ユーザーの流れも?


Estella Thereian: 普通ゲームの広告って出しても、結局ゲーマーしか来ないんですよね。
でもSLはゲームしない人も沢山来ているから、一味どころでなく違う事態になっています。
おそらく沢山の方が参入し、短期間で沢山の方が辞めていると思います。


emo8889 Xeno: 人の回転が速い?


Estella Thereian: 回転ですらないというか・・・。
通常オンラインゲームでユーザーの回転というと、
一応1ヶ月だけ遊んでやめたとか、ある程度は・・・つまりパッケージ代なり課金なり、
費やした分は遊んで撤退しようという動きが見られるんです。
そこで試しにに色々な方とSLでフレンド登録してみたのですが、SLでは消える方は1日で消えます。
SLブームが起こってはいるけれど、ブームに乗ったと思った直後、
SLに見切りをつけている方も多いのではないでしょうか。


emo8889 Xeno: 何が原因なんでしょう。


Estella Thereian: ごく少数でしかありませんが、ユーザーさんにお話を聞いた限りでは
重い、と思ったより面白くないという意見を聞きました。
SLは自分で動いていかないと、面白さはなかなか見えてこない作りですし・・・。
でも重いのはもうしかたないですよね。


emo8889 Xeno: 一般のマスコミが盛り上げるSLとゲームライターのEstella さんが見るSLの違いとは?


Estella Thereian: どんなに盛り上げようと焚きつけたって、SLの環境にあう人しか残らないと思います。
企業が企業がとかいうけど、緻密に作られたSIMに30人ぐらい入ったらもう重くなりますよね。
そういう大切な事は記事に書いてないんだもの。
あとはSLはどうみても万人向けではないと思うんです。
にわかに盛り上げようとしている現在の日本のメディアに不気味さを感じます。


emo8889 Xeno: じゃあ結局はゲームと一緒っぽいですよね。


Estella Thereian: ええ、その辺は似ているかと思うのですが、
SLの新しさというか、珍しさばかり押しちゃっているので、
我が社のSIMを出せば効果が必ず出るだろうとか、SLにログインすれば面白いことが即色々あるとか、
勘違いさせちゃってあとでがっかり、の原因になりそうで・・・。
早くこの変なブームが去ってくれないだろうかと思っています。


emo8889 Xeno: ちなみに取材活動としては今後SLで何か予定はあるんですか?


Estella Thereian: やっと全部片付いて、ひと段落したところです。
今後何かあるかもしれませんが、今は何も聞いていません。
しばらくまた1Residentとして遊んで回ります。


「自分の楽しさを追及していってください('Д')ノ」

emo8889 Xeno: 最後に読者の方にメッセージをお願いします!


Estella Thereian: 「楽しくなければゲームではない」 SLは自由な高機能を備えたゲームです。
自分の楽しさを追及していってください('Д')ノ
疲れたら休むのもありだと思います。


emo8889 Xeno: ありがとうございました!
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いやぁプロのライターにインタビューするのはとっても緊張しましたw
確かにEstellaさんがおっしゃるように、SLは他のMMOにはない仕組みが沢山あって
だからこそ斬新と思わせるのではないでしょうか。


従来のMMOとは違いゲーマー以外の方がSLのアカウントを作るので
色々なコンテンツや、沢山のブログ等で色々な意見、情報が飛び出し、
今までにない文化をユーザーが形成しているのだと思います。


そしてその文化をゲームライターが外に向けて発信するという事は
SLの新しい発展を手助けしているのではないでしょうか?

またEstellaさんのご活躍はこちらの「Aethereal」「all aboutのインタビュー」 をご確認くださいませ!