なんでも出来るSecond Lifeの世界は、性風俗産業というのが存在します。
しかし対象はアバターになる場合がほとんどなので、何らかの工夫が必要で、
とりあえずアダルトであれば良いというわけではありません。


そのSL産業の中のストリップという分野に挑戦し
いかに下品にせずに、出来るだけオシャレに、そして楽しめるように
一生懸命努力されてらっしゃる方がいらっしゃいます。

本日はストリップ「雪月花」のオーナーAkemi Badeさんにお話をお伺いしました。


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emo8889 Xeno: まず最初にSL始めたきっかけをお願いします。


Akemi Bade: きっかけは何かのNet Reviewだったかな?
それの広告見てやってみようかな、と思ってやってみました。
最初の印象はやっぱり、H系のお店とか場所が多いと思いましたねw
もう最初のほうに行った場所がSEX題材のビーチだったので、正直戸惑ってましたw


emo8889 Xeno: それからはどんな活動を?


Akemi Bade: Osaka SIMっていう地名があるのを見つけて、
RLの地元でもあるので、そこにフラフラ遊びにいったら、
JULIANAっていうお店でダンスパットがありましたので、そこで一ヶ月くらい居ました。


それからJULIANAで出合った人の紹介で、KABUKI SIMに連れて行ってもらって
KABUKIのオーナーさんと色々お話しているうちに
KABUKI SIMでストリップのお仕事をするようになりました。


http://slurl.com/secondlife/KABUKI/65/181/29


emo8889 Xeno: なぜストリップの仕事に?


Akemi Bade: 最初はCampでコツコツしてたのですけど、欲しい物も多くて
Campでは時間がもったいないし、稼げないと思ったので、
もう少し稼げる場所無いかと思って。


元々KABUKI SIMでストリップやるみたいって、JULIANAのオーナーから聞いていて、
少し興味もあったので、ストリップをやってみようと思って、
Kabukiのストリップのオーナーさんに連絡入れて働くようになりました。
あと、なんとなく踊ってて楽しかったので応募したのもありますw


emo8889 Xeno: アバターとはいえ、脱ぐことに抵抗は?


Akemi Bade: 最初は少し抵抗あったけど、チップ貰えるのが嬉しかったのと
色々な服を見てもらってるうちに脱ぐのも楽しくなってw
お客さんにもよるかもですけど、収入的にもCampよりは大きな収入になりますし。


「初心者の子とかにも働く場を提供したかった」

emo8889 Xeno: その経験からお店の経営ですね。


Akemi Bade: 何ヶ月かして、L$もそこそこたまってきたので
土地を購入しようと思って色々な人に聞いて、
QooというSIMで土地を買うことになりました。
最初はおうち作る予定だったんですが、KABUKI SIMでストリップのお仕事もしてたのもあって
自分で経営してみようかなと思って、ストリップのお店を建ててみました。



http://slurl.com/secondlife/Qoo/9/59/32


emo8889 Xeno: どうしてストリップを自分で経営しようと?


Akemi Bade: 踊ってるのも楽しかったけど、
初心者の子とかにもこういう働く場を提供したかったのと、
経営っていうのもやってみたいな、と思って挑戦してみました。
まぁ今でも私も自分のお店で踊ってますけどねw


emo8889 Xeno: 働く場を作るという目的もあったんですね。


Akemi Bade: うん、それでお店するためにダンサーも必要と思ったので、
知り合い数名と新しい子を募集しながら、色々宣伝回りしてましたw
その他にはお客さんが楽しんで貰えるように、
少しずつ建物いじったり色々イベント考えたりしてますね。


emo8889 Xeno: では改めてお店の紹介をお願いします。


Akemi Bade: はい、私は和風が結構好きなので、
和の感じを演出する為に、遊郭っぽい感じに仕上げてみました。
踊るだけではなく、交流の場も欲しかったのでカウンターも設置しています。

お店の名前もやっぱり和風な名前を強く意識して考えていたんです。
「雪月花」っていう言葉が好きだったので、ふと思いついてこの名前に決まりました。




emo8889 Xeno: お店を設置する時にこだわった事ありますか?


Akemi Bade: 赤色が好きなので、和風で赤を綺麗に演出する為に
差し込むような光の見せ方に工夫しています。
あとは舞台、そして庭もこだわりまして、
庭は純和風なテクスで庭園風にまとめた感じです。




あとは細かい事ですが、座布団もアグラや正座を入れて
和式で見れるような席にもしています。


emo8889 Xeno: 実際に自分でストリップを経営してみてどうですか?


Akemi Bade: 色々な方がいるけど、お客さんにしてもダンサーにしても、
賑やかに踊ったり話してると楽しいですね。


一度イベントみたいな感じでメイドデーみたいなものをやりましてw
ダンサーがメイド姿で踊って、脱ぐ感じのショー形式なんですが、
盛り上がりすぎて、脱ぐタイミングなく・・・。
脱ぐのあまり無かったのですけど、お客さんは喜んでくれましたね。


emo8889 Xeno: 逆に大変だったこととかありますか?


Akemi Bade: 盛り上がった時に「荒し」っていうのかな?
変な外人さんが場を荒した時には対処大変でしたね。
まぁ、すぐ収まりましたけど。
あとはやっぱり、お客さんの来ない時どうやってお客さん呼ぶかで悩んだりもしますね。


emo8889 Xeno: それはどういった方法で?


Akemi Bade: 来店してくれたお客さんには、VIPでグループに誘うのですけど
毎日PM9時に営業開始と決めてるので、9時に1回はグループで告知して
だいたい1時間ごとにどんなダンサーがいますよ、みたいに営業中はこまめに告知してます。


emo8889 Xeno: ちなみにダンサーは全員で何名いるんですか?


Akemi Bade: 今の所は私含めて10人です。
今のメンバーではSizimiさんとかfuuさんが稼ぎ頭ですね。
Sizimiさんはやっぱりお客さんを和ますっていうか、話しがとても上手ですね。
fuuさんはイベントとか告知を上手に考えてくれます。
でもメンバーみんながよくお話しもしてくれてるので、店内はいつも賑やかですよ。




emo8889 Xeno: AkemiさんはSL日本人社会で、数少ない専業ストリッパーですが、
ストリップの世界で成功するコツってありますか?


Akemi Bade: どんなお客さんでも楽しく会話ですね。
中には嫌なお客さんもいますけど、嫌な事言われたり、
しつこい誘いあってもやんわりと断れる努力かな。


あと、やっぱり自分の好きな事をするのが一番の近道かもですね。
色々やって向いてるのがあれば、それを頑張ってみると結構楽しくなるしね。



「SLでは努力次第で何でも出来ちゃう」

emo8889 Xeno: そんなAkemiさんにとってのSLとは?


Akemi Bade: とっても楽しい空間と思いますね、
RLでは大変な事も出来ちゃう所が凄いと思います。
経営にしてもそうですけど、SLでは努力次第で何でも出来ちゃうところが楽しい。
それにRLで立派な建物作るのも大変ですしねw


emo8889 Xeno: 最後に読者の方にメッセージをお願いします。


Akemi Bade: 初心者にも優しい交流の場と、お仕事を提供もしていきたいので、
今後とも「雪月花」をよろしくお願いします。
常連さんが、飽きずに何回でもこれる空間を、頑張って作り上げて行きます。


You: ありがとうございました!
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見事なセンスで遊郭という世界とSLならではのストリップを組み合わせ
10人のダンサーを抱えるまでになったakemiさん。


営業時間も明確に決めて、本格的に営業されており、常に話上手なダンサーがスタンバイしています。
夜、繁盛しているお店に伺うと、アダルトな雰囲気に席巻されているわけではなく
むしろ、会話や交流を楽しむ場所としてそこに存在するのがわかります。


当然未成年の方は、「雪月花」で楽しむ事はできませんので
成人の方限定になりますが是非、お店に行って見てはいかがでしょうか。
きっと楽しい、そして美しいショーが見れることでしょう!

このPeople of Second Lifeも沢山の人を取材してきました。
とても高い志を持たれ、SLを楽しまれ、そして実績を残されている方ばかりだと思います。
そんな方々から良く聞くお名前がこの方で、過去に取材した人達からの取材リクエストが
一番多かったのもこの方です。


Second Lifeの中で、日本人ながら世界的に有名でもあり、
世界をまたにかけて活躍するクリエイター。
本日は「Kru's Boutique」のオーナーKru Flanさんにお話をお伺いしました。
http://kru.blog.shinobi.jp/
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emo8889 Xeno: まずSL始めたきっかけを教えてください。


Kru Flan: Hot wired news というメールマガジンの記事にたびたびSLの記事が載っていたんです。
世界のすべてを自分で何でも作れるというシステムに興味を持ち、
クリエイターマインドに火がついたというのかな? すぐに飛びつきました。

emo8889 Xeno: なるほど。で、SL始めてみて最初の感想はどうでしたか?


Kru Flan: えーとですね、何と言うか、本当の外国を歩いている気分を感じたんです、
見るもの触るものすべてが・・・大雑把で派手な彩色で^^;
そして、出会う人すべてが外国人。
まるで本当の異国に彷徨いこんだのではないかと錯覚を覚えるほどでした。


「最初は手渡しで販売をスタートしました」
emo8889 Xeno: それからはどのような活動を?


Kru Flan: まず、始めて3日後くらいに洋服を作り出しました。
服飾デザイナーの人が作る洋服を見てですね、
こういうデザインなら自分でも出来るんじゃないかって思っていたので
セカンドライフで試しに作ってみようと思っていたんです。

そして、一週間ほどかけて作りこんで洋服を完成させました。
その洋服を売ろうと思ったのですが、始めたばかりなので売り方もわからず
とりあえずOfficial SL Forums で宣伝してですね、
手渡しで販売をスタートしたんです。


emo8889 Xeno: 地道な活動からスタートだったんですね。


Kru Flan: ええ、1日に2件くらいIMをいただいて、そこそこ売る事ができました。
ちなみにその時のForumはコメントがつけられるようになっていたんです。
その時に”素晴らしい洋服だ!”、”継ぎ目が無い!”、”世のデザイナーは全員この服を買うべきだ!”
などとコメントをいただきました、はは。
お客さんよりも、デザイナーの人に名前が少し知れるようになった感じがします。


emo8889 Xeno: それ、大絶賛じゃないですか。


Kru Flan: そして、その記事を見ていたストロベリーさんという方に、
私のモールでお店を出さないかって誘われて、モールの片隅に小さなお店を開いたんです。
きちんとレンタル料取られましたが、はは。

その後、二作目、三作目を作って行ったのですが、 作るたびに物凄く褒められるんです。
なので、前作以上に凄い物を作らないといけないというプレッシャーがかかってしまって、
ちょっとだけ作るのが欝になりました・・・。


emo8889 Xeno: そのプレッシャーを乗り越えて次の作品ですね。


Kru Flan: ええ、そして出来上がった三作目がゴシックロリータの服だったんです。




これは漫画やアニメに出てくるいかにもな服じゃなくて、
現実のファッションをモチーフにして作ったんです。
2005年の時点で、SLにゴスロリというジャンルはほぼ無かったんですね。
なので、ゴス好きの人が沢山買っていってくれたんです。
検索ワードでlolitaというワードも設定している人が一人もいなくて、当時は私の独壇場だったんですよ、はは。


emo8889 Xeno: 日本人との出会いはそれまでなかったんですか?


Kru Flan: それから、桃源郷にいる方がforumで記事を見ていたらしくてIMをくれて、
そこで、Tonkotsu Nicoさん、Seagel Nevilleさんなどの人と知り合いました。
今までずーっと英語の世界だったので、日本人に会うとほっとしました。


当時は日本人自体が本当に少なくて、まったく出会うことが無かったんです。
見知らぬ外国で日本の人に会ってほっとするような感覚でしょうか?


emo8889 Xeno: 当時の桃源郷でも活動を?


Kru Flan: たまに桃源郷などに出向いては、新人さんにSLを案内をしたりとかですね。
一緒に遊んでいたりしたのですが、爆発物や銃などが好きなので、危険人物と目されていました^^;
入ったばかりの新人さんに必ずプレゼントしていた物があるんです。
クマのペットなんですが、これを地面に置いてみてください!
物凄い勢いで襲ってきます。ははは。


emo8889 Xeno: 襲ってきますね・・・w


Kru Flan: その後、プレミアムアカウントに移行し、ファーストランドを購入、お店を建設し
本腰を入れて洋服屋さんとしての活動を開始しました。そして現在に至るという感じです。


emo8889 Xeno: ではそのkruさんのお店の紹介をお願いします。


http://slurl.com/secondlife/Missauke/179/205/92


Kru Flan: お店の名前をつけるのはすごく難儀しました。
結局、洒落た名前が思いつかなかったので、自分の名前+ブティックで
「Kru's Boutique」という感じで適当に名づけました。


コンセプトは自分が作りたいものを作る、作りたくないものは作らない、です。
SLは仕事では無く、完全に趣味でやっていこうと思っていたので、
自分がイヤな事は一切しないと決めて活動しています。


emo8889 Xeno: イヤな事って?


Kru Flan: 例えばですね、洋服のオーダーの要望や
ファッションショーやモデルの申し出なども受けるのですが、
自分が好きでは無いジャンルの洋服などの制作などは、絶対に引き受けないようにしているんです。


emo8889 Xeno: その中でデザインのコダワリみたいなものはありますか?

Kru Flan: 私はプロのグラフィックデザイナーなので、プロらしい物を作ろうと心がけています。
自分の作った物に責任持てるように、という感じかな。
ただ、なんとなく作りましたというような物は商品としては絶対に作りません。


気に入らない作品だと、完成しても破棄してしまう事も多いです。
とにかく自分が気に入らない、認められないような物を人前に出すのはやめようと決めています。


emo8889 Xeno: 商品のジャンルは比較的バラバラですね。


Kru Flan: ええ、私のお店にジャンルはありません。
その時の気分で作りたいものを作っているからなんです。
作りたいって思った時に作っているからかもしれませんが、
逆に言えば、作りたい物が無い場合はまったく作りません。


というわけで、ジャンルとかは考えないようにしているんです。
なので、ブティックと名づけられながらも、戦車から家具まで色んな物が売っています^^;


emo8889 Xeno: ちなみに今は何店舗くらい出店を?


Kru Flan: えーと、自分のお店は1店舗です。
その他に、SIMのオーナーさんから出店して欲しいという要望を頂いて
商売というよりも、景観の一部として出店しているお店が6店舗くらいあります。


emo8889 Xeno: これからもどんどん出店するんですか?


Kru Flan: ビジネス的に考えると、店舗数を増やすことにあまり魅力を感じないんです
今のSLの流れでいくとですね、一点集中がトレンドなんです。
2005年頃はモールでのビジネスが主流な感じだったので、1ブランドで多店舗が普通だったのですが、
ダイレクトでテレポート出来るようになってから事情が変わりまして、
各ブランドがきちんとした拠点を作って、そこで活動するようになっていった感があるんです。


emo8889 Xeno: 当時そんな変更があったんですか。


Kru Flan: 今までは、お店に行こうとしても、一番近いテレポートポイントに飛ばされるという仕組みでした。
遠い時では3SIMくらい離れた場所に出たんです。
なので、お店にたどり着く前に、お客さんが違う場所に行ってしまうという事があったんですね。
そのために、人の集まりそうな場所に支店を開く事が流行っていました。
直接テレポートできるようになってからは
その周囲をふらふら散策して、お店に入ってくるという人が減ってしまって、
店舗を増やしても、そこに人が来なくなってしまったんです。


「愛情をかけてきちんと作った物は、魅力的に写るはず」
emo8889 Xeno: SIMオーナーさんから出店依頼があったと仰いましたが、出店してる場所が凄いですよね。


「MaHoRoBa」 http://slurl.com/secondlife/Shaka/115/162/25
「Nakama」 http://slurl.com/secondlife/Nakama/169/136/22
「Endicott(the Block)」 http://slurl.com/secondlife/Endicott/202/98/511
「the Block」 http://slurl.com/secondlife/The%20Block/105/212/24
「Zephyr Heights」 http://slurl.com/secondlife/Zephyr%20Heights/184/169/24


ズバリ、成功のコツみたいなのはありますでしょうか?


Kru Flan: はは、ありがとうございます!
自分が好きな物は、そうで無い物に比べて沢山の知識があると思うんですね。
詳しくない物を作るより、詳しい物、好きな物を作るほうが魅力的な物が生まれると思います。


自分が愛情をかけてきちんと作った物は、他の人から見ても魅力的に写るはずです。
自分が納得いくまで作りこんで、自分だけの物を作ってみてください。
成功などは後からついてくるおまけみたいな物です!


emo8889 Xeno: しかしこんな有名SIMに出店する過程って?


Kru Flan: 特に何の接点も無い人からいきなり誘われることが多いです・・・。
あなたのファンです。モールをやってるんだけど、出店してもらえませんか?というIMをよくいただきます。
そのIMがきっかけでお店を出させてもらう事が多いです。


emo8889 Xeno: すごっ・・・。ちなみにNakamaへの出店のきっかけは?


Kru Flan: えーと、PixelDollsという有名なお店があるんですが
そこのオーナーの旦那さんが日本のアニメとかをモチーフにした街を作ったから、
良かったら出店しませんか? というIMが来ました・・・。
特に接点はありません><


emo8889 Xeno: 意外とあっさりしてますね。


Kru Flan: 日本の人がほとんどいない状況で、日本のデザインっぽいものを作っていたので
印象に残っていたのかもしれません・・・。
まさに早い者勝ちみたいな、ははは。


emo8889 Xeno: でもSL日本人クリエイターのパイオニアですもんね。


Kru Flan: うーん・・・先に始めたという意味ではそうかもしれません。
ただ、後とか先とか関係なくに、良い物を作る人は認められます。
その辺りの自由な感じがSLなんじゃないかっていう気がします。

emo8889 Xeno: 海外の方によく知られているようですが、その秘密は?


Kru Flan: forumで宣伝していたからでは無いでしょうか。
どんなに凄くても、目の留まらなければそれは誰も知ることができません。
沢山の人の目の触れる場所に色々書いたほうが、色んな人に知ってもらえますよ!
日本の人が海外進出がどうのとかいう前に、そういうの書いてみればいいのにと思います。
そうすれば、あっという間に世界に進出できます!


emo8889 Xeno: ちなみにkruさんが捉えるSLの服飾ってどうでしょうか?


Kru Flan: SLは3Dの描画性能が貧弱なので、洋服の素材感などを上手く表現することが難しいんですね。
現実のデザインをそのまま持ってきても、チープな物に見えちゃって・・・
だから、現実の洋服のように素材感で見せるやり方が通用しないと思うんです。


SLできちんと映えるようなデザイン、CG的なアプローチが必要なんじゃないかなって思っています。
リアルな事にこだわりすぎるのではなくて、どこかで嘘をエッセンスとして入れないと、
面白い物はできないと思っています。


emo8889 Xeno: 嘘をエッセンスって?


Kru Flan: わかりやすく言えば、洋服の陰影などです。
洋服の陰影って、画像で見ると、ただ汚れてるだけですよね、
ただ、SLには陰影の処理がほとんど無いので、それっぽく見えます。
むしろ、それが無い場合はどこか嘘っぽい色合いになってしまうんです。


「誰が上手とか下手とか、そんな事は気にしないで!」
emo8889 Xeno: そんなkruさんにとってSLの魅力って何でしょうか?


Kru Flan: SLはですね、物を作る人にとっては天国みたいなところです。
自分で作ったものを発表して、しかもみんなに見せびらかすことができる!
作る事が好きな人にはやめられないゲームだと思います。
あとライブ感というのかな?ネットと違って、その場で見せることができるというのが
直接に相手の意見などが聞けて、気持ちいいんだと思います。


emo8889 Xeno: 最後に読者の方にメッセージとお願いします!


Kru Flan: えーとですね、何かしなければいけないとか誰が上手とか下手とか、
そんな事は気にしないで自分が好きな事をするようにしてください。
あとですね、物を作るだけがセカンドライフではありません。とにかく楽しく遊びましょう!


emo8889 Xeno: ありがとうございました!
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Kruさんは日本人でも数少ないアパレル系の成功者で、クリエイター達の憧れの的でもあります。
しかしインタビューでKruさんから、聞こえてくるのは特別な事ではなく、
好きな物、作りたい物を愛情を込めて一生懸命に作る姿勢です。


もちろんKruさんには、超素晴らしい天才的な才能が備わっていますが、
その基本的な姿勢は、これからSLで活躍しようとする新人クリエイターさん達にも
必ず参考になると思います。
是非、読者のみなさん「Kru's Boutique」に訪れて、その実力、魅力を確認してください!

ふらふらっとSugamo SIMを歩いていると、台詞のない4コマ漫画を見つけました。
確かにSLは世界と繋がっているので、日本語だとわからないんだろうなぁっと。
そしてネコ屋敷とつけられたその場所には、コミカルな写真やネコプリムがあったり。


ちょっと詳しく作者を調べてみると、この方はMeguro SIMでギャラリーを開き
絵の販売もされている事が判明。これは面白いという事でコンタクトを取ってみました。


本日はその4コマ漫画をはじめとするネコ屋敷や絵の販売を行っている
kazue Voomさんにお話をお伺いしました。
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emo8889 Xeno: では最初にSLを始めたきっかけをお願いします。


kazue Voom: イラストレーターやデザイン等でずっと活動してきましたが
自分専用の常設ギャラリーを持ってみたかったのです。
そこでSLの存在を知って そこだったら自分のギャラリーを作れるんじゃないか?と。
それが最初のきっかけでした。


emo8889 Xeno: 仮想世界でギャラリーですね。


kazue Voom: ただ私はゲーム等が全くダメで、
こういうゲームっぽい画面や体制に最初戸惑いましたが
初めてみたら3Dの面白さにとりつかれました。


emo8889 Xeno: 3Dの面白さとはどういった部分ですか?


kazue Voom: イラストの活動の中で自分のペットのネコを描いてきたのですが、
ずっと2Dで描いてきたので立体って作ってみたかったのです。
ネコなんて作れない・・と思っていましたが、
やってみたら2Dとはまた違うネコのシェイプが楽しかったです。


「SLにおける私のスタンスは笑えるものや ちょっとおかしいもの」

emo8889 Xeno: それが最初の作品でしょうか。


kazue Voom: いえ、家より何より最初に作ったのは何故か引越しそばでした。
恐らくどうしてそんなものを?と思うかもしれません。
SLにおける私のスタンスに通じるものがあるなあ、と今になると思うのですが
かっこいい、や 素敵ー、綺麗という路線よりも
笑えるものや ちょっとおかしいもの、そんな路線の始まりでした。


emo8889 Xeno: SLを最初に始めてすぐに土地を借りたのですか?


kazue Voom: 登録したらすぐに土地探しに入りました。
目的が「ギャラリーを持ってみたい」という明確な目的があったので、
色々な所に行くよりもまず土地です。

そして目黒の最後の区画を借りてギャラリーを建てて、
ここ最近描いたイラストを展示しはじめました。


emo8889 Xeno: それとネコ屋敷ですね。


http://slurl.com/secondlife/sugamo/174/143/23

kazue Voom: ギャラリーが一段落すると、3Dで表現出来る部分が欲しくなり、ネコを作りました。
そうなると、このネコの世界を作ってみたくなって
巣鴨の区画をまた借りてネコ屋敷を作り始めました。
最初はもっと参加型のネコ屋敷にするつもりだったのですが、
ここでやっとプリム制限や、オーナーであることの制限等々、
色んな事に気づきはじめましたw


emo8889 Xeno: プリム制限は厳しいですからね。


kazue Voom: そこで色んな所に行き始めてみると、
やはり皆さん身につけるものが、一番楽しそうだなぁということで、
ネコを散歩させてもらおう!という趣旨でアタッチメントを作り始めました。
アタッチメントはどんどん増えていき、外人の方にも結構買ってもらったり。


emo8889 Xeno: とても面白いお屋敷ですよね。


kazue Voom: SHOPと劇場で構成されています。




RLのペットでもあるロシアンブルーのネコがメインキャストです。
このネコがとても面白いのでそれを絵で描いてきましたが、
このネコのアタッチメントのSHOPと、ネコが主人公の実際の生活を描いた4コマ漫画劇場です。


emo8889 Xeno: 可愛いネコですね。


kazue Voom: ネコを作る際にこだわったのは、
全部プリムで作るのはやめようと思いました。
私は絵描きなので、顔はテクスチャーで表現しようと目などはテクスで貼っています。


emo8889 Xeno: 店内もネコ歩いてますね。


kazue Voom: はい。歩いていますね。
あれはネコを私が作り、動くスクリプトは人に書いてもらいました。
さすがにスクリプトは難しいです・・・。
まぁネコを動かしてみたかった・・・それだけですがw
屋敷の上には 大きな相撲ネコが回っていますw


「私のSLでの活動はとてもRLに繋がっている」
emo8889 Xeno: 4コマ漫画を描いたきっかけは?


kazue Voom: 毎日の生活の中でネコと息子の出来事が、
あまりにも面白いので、これは是非記録に残しておこうと。
「だったらSLで見せていこうかな」と思い4コマ漫画劇場を作ってみようかなと、
こじんまりしたシアターを作りました。




emo8889 Xeno: これがそのシアターですね。


kazue Voom: 私のSLでの活動はとてもRLに繋がっていて、
RLあってのSLだなあ、とつくづく思います。

4コマ漫画に行ったのも、やはり自分は絵を描く人だなあ、と思いますが
4コマ漫画は初めてで、その難しさに少々後悔もしつつw
でも物事の起承転結を考えるのは元から好きなので今は楽しんでやっています。


おかげで普通の目でネコや子供を見れなくなり、
「何か面白いことやってくれー」という目で見てしまいますw


emo8889 Xeno: 4コマ漫画の見せ方が面白いですね


kazue Voom: 本当は場面を一枚一枚見せたかったんですが、
ずっと流しっぱなしの機能しか、劇場につけれないので、
話の途中から入った人が、そのストーリーをわからなくなる事を避けたかったのと、
画像アップをあまり多くしたくなかった、事。
ふらりと入って サラリ!と見て出て行けるように作りました。


emo8889 Xeno: 台詞のない4コマ漫画って難しそう。


kazue Voom: 外国の方もよく屋敷に来られるので、
言語の問題を無くしたかったのでセリフは一切書きません。
セリフが無い分 難しくなりましたがw。


emo8889 Xeno: 4コマ漫画はどれくらいのペースで増えていってるのでしょうか?


kazue Voom: また始めたばかりなのですが、
基本的には1日1話書きで1週間に一度更新です。
1週間に5話ずつくらい増えていきます。


emo8889 Xeno: ではイラストについてお伺いします


kazue Voom: その空気や匂いや温度まで人が想像できる絵を描いています。
人間の持っている色んな物を描いていきたいです。
表情や動き、形で人が感じることの出来るものを大事にしていますので、
あまりデフォルメした絵は描きません。

emo8889 Xeno: そもそも何故SLでギャラリーを?



http://slurl.com/secondlife/Meguro/169/9/22

kazue Voom: 私は個人的に 外国の古い絵とかが大好きで
日本ではあまりそういう絵を見ないなあ、と思ってきました。

昨今 目にする絵がものすごくデフォルメした絵が多く、
先ほどお話した要素を大事にしているので、

少なからずそういうものを大事にしている絵があるよ、という事を沢山の人に見て欲しかったのと、
それをあえてSECOND LIFEという、アナログではない所で見て欲しかったのです。




emo8889 Xeno: 販売等はしているんですか?


kazue Voom: とても安い金額でしています。
特にSL内でその案内はしていませんが、実際にはRLでも買える絵も入っています。
RLでも安い金額で出しています。


emo8889 Xeno: SL内ではRL販売の案内をしていないんですね。


kazue Voom:私のSLはRLと繋がって考えている、とは言いましたが
直結でこちら側で結ぶことはしたくありませんでした。


特に絵というものの捕らえ方は空気感もあるので、
もしかしたら「SLという空気の中で見たら良かったけどRLで見たら違った」
という人もいるかもしれません。
ですのでRLで本当に欲しい人は尋ねられるかなあ?と思います。


emo8889 Xeno: それにしても10~20L$はリーズナブルですね。


kazue Voom: オーダーでない絵(=私が勝手に書いた絵)の基準は
あくまでも私にありますので、それについて高価な金額設定はしません。


emo8889 Xeno: 実際SLでギャラリーを開いてみてどうですか?


kazue Voom: 感想はズバリ!RLで持たなくて良かった!です。w
どういう事かといいますと、今まで一枚で見ていた絵が、
ある空間に並んだ状態を見ると、好きなように作った建物であったり、
小物があったりする中でも欲が出てきたり、
見え方が気にいらなかったりと色々な葛藤が出てきました。
こんなものをRLでやったら神経磨り減って大変だったな!とw


emo8889 Xeno: シミュレーション出来たわけですね。


kazue Voom: 手ごたえはリアルタイムで感想が聞けたり、
実際に作品を見てもらってる!感というのは、
WEBで出している状態では感じる事が出来ないので、それはかなり楽しいです。


ちなみに私のWEBでもイラストは見せていますし、

http://www.cima.homeip.net/index.en.html


先ほどのRLで買えるという話では、ダウンロードで提供もしています。
ダウンロードについてはFOTOLIA に画像提供しています。
ですのであまりSLと変わらない金額で購入出来ますねw


emo8889 Xeno: しかしSLでギャラリーは新しい発想ですね。


kazue Voom: アナログとデジタルの混合というか、
そんなところを見たかったのも大きいです。
特に私の絵はとてもベタ・・というか古いタイプの絵なので
そんなものがSLという世界にどう存在するのか。
人の捉え方にもよりますけど。


emo8889 Xeno: そういえばSLの特集でフジテレビにも出演されたとか?


kazue Voom: はい。スーパーニュースさんに。
話題のSLで実際に物販されていたり、リンデンからL$を買ったことのある方に取材という形でした。
それと夕方のニュースの為、視聴者層が主婦の方なども多いので
私は絵をアナログで描いているという事もあり、
親近感が持てるのではないか、という点もあったようです。


emo8889 Xeno: 実際取材うけてみてどうでした?


kazue Voom: 私はすでにSLで色々体験しているので
それを全く知らない人に説明することがSLの場合難しかったです。
「プリム」一つとっても どう言おうかな、、とか。
プリムじゃ見ている人わからないだろうし・・と。
でも反響はSL内で声かけてもらったりとか、色々ありましたね。


「SLはRLの自分を大事に感じるための休憩場所です」

emo8889 Xeno: そんなKazueさんにとってSLって今はどんな存在ですか?


kazue Voom: RLの自分を大事に感じるための休憩場所です。
RLではなんとなく時間が流れていったり、気づかないうちに何かがどうかなってたり。。します。
SLはある時間にある行動とらないといけない。
意識して ログインして、、という具合に。


それである意味、流れていくRLからの休憩場所になっているんです。
目的があってログインする、というか。
こう書くと、RLがすごく目的無いように聞こえますが、
目的がありすぎて 流れていくんです。


emo8889 Xeno: では読者のみなさまにメッセージをお願いします。


kazue Voom: 目黒のギャラリーや巣鴨のネコ屋敷。
どちらも一息つけるような物作りを目指しています。
RLやSLに疲れた貴方(w)、どうぞ息抜きにきて下さい!

あと絵にしろ、ネコにしろ、ご要望があれば製作したりもしますので
どうぞ気軽に声かけてくださいねー♪
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RLで出来ない事が出来るのがSLの特徴。
そこを利用して絵画活動をSLで実施されているkazueさん。


そしてSL関係以外のブログを見ていると、絵や作品の紹介や子育て日記等は結構あります。
SLは造形やビジネス部分が非常にクローズアップされていますが、
ブログやHP等と同じように、自分の考えや生活を主張する場として利用する事も可能です。
例えば写真ブログを書いてる人は写真をSLに公開したり・・・。


そういった意味でもKazueさんの試みはSLならではで、これから沢山の人が始めだすと
活動の一つの手法として参考にされるでしょう。
読者のみなさんも気楽にKazueさんのネコ屋敷やギャラリーを、訪れてみてはいかがでしょうか?