買い物に行って

お会計を済ませ袋詰めし

店を出ようとしたら

 

おばあちゃんが下を向いて

何かを探している様子だった。

 

「どうしたんですか?」

 

と聞いてみると

 

「100円玉を落としちゃったのよ」

 

と言った。

 

100円だって

なくすと悲しいですよね、と

一緒に100円玉を探した。

 

床に膝をつき逆さまになって

ふたりしてあちこち

台の下をのぞいても

100円玉はない。

 

 

 

「ありませんね」

 

「チャリンと落ちた音がしたのに…」

 

「どこ行っちゃったんだろう」

 

「残念だわ。

 見つかったらあなたに

 あげようと思ったのに。

 こんなに探してくれて」

 

 

 

ものすごい衝撃だった。

 

おばあちゃんは

お金を落としてしまい

それを探していたのに

 

それを見つけたら

お財布に戻すのではなく

私にくれようとしていたのだ。

 

彼女の100円玉探し

最初はお金探しだったけど

私が乱入してから

私へのお礼探しになっていた。

 

泣きそうになった。

 

胸がぎゅうっとなって

素敵な言葉なんか

出てこなかった。

 

何も言えなかった。

 

 

 

そこに、どうなさいましたか、と

お店の人がやってきた。

 

おばあちゃんは

 

「100円玉が落ちちゃったのよ。

 見つけてこの人に

 あげようと思ったのに

 

と私を指した。

 

お店の人は

意味がわからないような様子で

それでもおばあちゃんと

100円玉を探した。

 

「お気持ちだけでじゅうぶんです」

 

私はそう言って

100円玉探しを

お店の人にバトンタッチし

その場を立ち去った。

 

 

 

言葉にならない。

言葉にならない。

言葉にならない。

 

言葉ってなんて足りないんだろう。

 

おばあちゃん

ありがとう。

 

私は100円どころか

いくらあったって

手に入れることができないほどの

あたたかいものをいただきました。

 

あなたはきっと知らない。

 

私の心に

どれだけの愛を

注ぎ込んでくれたか。

 

どんなに私の心を

あたためてくれたか。

 

どんなに私の心が震えたか。

 

きっともう二度と会わないけど
心からありがとう。

 

あなたの心に

聖霊の働きがありますように。

あなたがいつでも

幸せでありますように。

 

 

 

 

 

 

 

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