あれは多分
あぶと私が
一緒に暮らすように
なった頃のことだったと思う。
あぶがネットで
下着姿のせくすぃーな
おねーさんの画像を見て
うおぉぉーーー！
いいねぇーーー！
と感嘆の声を
あげたことがある。
あの顔、それはそれは
うれしそうだった。
あれは素だろう（笑）
そして
オスとして普通の反応。
頭では
そうわかってるんだけど
女子的に
ああ、やっぱり
ちょースタイルのいい
きれぇなおねーさんの方が
いいんだよね…
っていう
ショボーンな悲しい気持ちに
なっちゃったんだな。
決して
うれしくて楽しい
状況じゃなかった。
そうならない人も
いると思うし
ま、とにかくその頃の私は
そうなるタイプだった。
前の結婚で
お前女じゃない
気持ち悪い
って言われたこと
おねーちゃん遊びや
浮気疑惑が
目の前であれよあれよと
展開したこと
それがいつまでも
心に刺さったままで
自分というものの存在が
ペラッペラに薄くて
自分はそういう風に
扱われるものなのだと
どこかで思っていた。
それがイヤだったからこそ
離婚したんだけど。
で、あぶに
確かこんな感じこのことを
言ったんだ。
「男ならみんな
そういうの大好きなのわかるし
全然いいと思うんだけど
私が勝手に自分の中で
自分とキレイなおねーさんを比べて
やっぱり自分じゃダメなんだなーって
思って悲しくなっちゃうから
見るのは全然いいけど
言葉にはしないで心の中で
喜んでいてくれたらうれしい」
って。
あぶが怒っちゃうのを
覚悟の上で言った。
今なら
あぶはそんなことで
キレるはずがないと
わかるけど
手も繋がず
一緒に暮らし始めたから
あぶがどんな人かも
わからなかったんで
すべてが手探りだった。
それでも
一緒に気持ちよく
暮らしたかったので
勇気出して言ったんだ。
イヤなもんはイヤなんじゃ！
これで怒られるようなら
バツサンにだってなったるわ！
くらいの感じで（笑）
そうしたらあぶ
戸惑ったふうだったけど
こう言った。
悲しくなることはしない
(・∀・)え？
一悶着あるだろうと
（↑残念な反応の推測・笑）
思いながら言ったので
今まで聞いたこともない
そんな言葉が返ってきて
おらびっくり！！！
「男はみんな
こういうの好きだと思う。
ただそれは
大切な人とは全然関係ない
オスの本能みたいなもんで。
でも、悲しくなっちゃうのはわかった」
あぶの言葉を聞いた時
え？
いいんだ？
って思うのと同時に
なんだろう
ガクンと音がして
私にハマってた
何かが外れた気がした。
大切にされることって
尊重されることって
どんなことかってのを
ガーン！というくらいの
衝撃と一緒に感じた。
絶対的信頼を差し出され
絶対的安心を差し出され
それ以来
きれぇーなおねーさんを
自分との比較対象ではなく
美しい造形物として
見るようになった。
あぶと一緒に
うおぉぉーーー！
いいねぇーーー！
と、素で言えるようになった。
それでもあぶは
自分からは
どんなにきれぇーなおねーさんの
エロい画像を見ようが
ナイスバディ画像を見ようが
雄叫びをあげることはなくなった。
心の中で
ひっそりと盛り上がって
くれているのだと思う。
大切と性欲のあいだで（笑）
私よりも
彼の欲求を掻き立てるものは
いくらでもあることは
十分承知している。
それでも
私にそれを感じさせないように
安心させるように
いつも心遣いをしてくれる
そんなあぶに感謝している。
大切にされて
大切にすることを覚えた。
大切にされて
自分の尊厳を取り戻した。
私はゆっくりゆっくり
育てられてゆく。
ありがとう。
ちなみに
あぶは
たとえばヌードでも
「エロ」と「アート」
があると言う。
おねーちゃんが
すっぽんぽんになって
または下着姿で
そこにいるのを
一括りでエロにするのは
イヤなのだそうだ。
エロは
性欲を掻き立てるもの
アートは
美しいもの
それによるなんらかの表現
それをいっしょくたに
したくないのだと。
アーティストよのぉ。
なんかちょっと
わかる気がする。
アイスが大好き
瞬撮フォトグラファー
あぶこと大関学
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