翌日、ユストクスの屋敷には新しくダームエル、フィリーネ、リーゼレータ、ラウレンツ、ローデリヒ、ラザファムが集まった。
皆、不思議な集まりに首を傾げていたが…
フェルディナンドが部屋に入ってくると何処かピリッとした空気が支配して…
ラザファムが手を交差して跪いて
「お久しぶりでございます。フェルディナンド様。」
「あぁラザファム久しぶりだな。」
ダームエル等はその光景を驚愕した表情で見ていると…
フェルディナンドは1人づつ額に手のひらを当てていった。
そうすると…次々と虹色の光に包まれ記憶を取り戻して行った。
皆、手を交差して跪いて口々に
「お久しぶりでございます。フェルディナンド様」と…
「やっと揃ったな。ではこれからの事を話し合いたい。」
「それでは私ユストクスが司会を務めさせて頂いて会議を始めたいと思います。この会議はローゼマイン様のカーオサイファの呪いを解いて心臓の移植手術を受けていただくことと、今生でもフェルディナンド様とローゼマイン様が婚姻し無事に生を終えていただく事を第一といたします。異論はございませんね?」
「異議なし!」
「先ずはローゼマイン様の呪いを解くにはフェルディナンド様のお力が必要です。しかし…現状かなりの強力な呪いの発生でハルトムート、クラリッサが説明しても受け入れてるれる状況にありません。」
「それについてだが、ローゼマインが入院中に毎日病室に通ったのだがどうもかなり妨害を受けているようなのだ…何か心当たりはないか?」
「ハルトムートの調べによりますとアドルフィーネ様がフェルディナンド様の病院の職員に働きかけて邪魔しているようです。しかしそれだけではないようで…」
「リーゼレータ。貴女前に同じクラスのマグダレーナ様がフェルディナンド様の事を探っていると言ってなかったかしら?」
「グレーティアよくあんな雑談を覚えてますね?実は…マグダレーナ様がフェルディナンド様が高校に進級しできた時からどうも注目しているらしく色々な伝を使って情報を集めていました。その1つにフェルディナンド様がブックカフェでアルバイトをしているローゼマイン様を見つめていたという情報がありローゼマイン様の事も監視していたらしく…アドルフィーネ様だけでなく病院職員に手当を出して妨害していたと…マグダレーナ様が同じクラスの取り巻きに話しているのを今日聞いたのです。」
「それは…昨日の情報を裏付けるものか…」
「そのようですね。厚生労働大臣側はかなり本気であると言うことですね。」
そしてラザファムが
「実は…そのダンケルフェルガー側から私に接触がありました。ローゼマイン様のバイトを解雇しろと。」
「フランからも連絡がありました。厚生労働省の役人が訪ねてきてローゼマイン様の移植を米国でしてはどうかと言ってきてたのです。」
「それはどういうことか?」
「まぁフェルディナンド様を調べれば記憶のなかったここ最近というかローゼマイン様と接触してからというもの通常とは違う行動をなさっていたのは明白でこのままだとマグダレーナ様との婚約を推し進めるのに支障があると判断したのではないでしょうか?」
「しかし庶民のローゼマイン様よりもアドルフィーネ様のほうがマグダレーナ様にとっては脅威なのでは?」
「クラリッサの言うことにも一理ありますがアドルフィーネ様との婚約にはお父上の反対が強力です。しかしローゼマイン様が相手となると未知数でもありますし何よりもお母上の愛する相手と結ばれて欲しいというのがとても重要になってきます。そして庶民と思われていても母方はアドルフィーネ様の家の分家で今は本家よりも力がございます。そして父方は没落したとはいえかなりの良家でしたし。」
「しかしローゼマイン様の呪いが解けていないのに厚生労働省の提案が嫌な方向に進まなければ良いのですが…」
「そうですね。先ずはローゼマイン様の呪いを解くことを優先に。それと引き続きマグダレーナ様とアドルフィーネ様の動向に注意を。」
「あと、気になることが1点あるのですが…」
「なんですか?マティアス。」
「実は以前ローゼマイン様にストーキングしていたヒルデブランドなのですが…どうも大学生の兄を使って何か企んでいるという噂を入手しました。」
「あぁ俺もそれ、聞きました。以前自分を袖にした女を懲らしめるために兄に頼んだと。」
「えっ?兄ってあのジギスヴァルトですか?」
「ジギスヴァルトって…」
「セレブ学園を女性問題で退学になったあのジギスヴァルトですか?」
「そうです。あの婦女暴行で退学して弟も入学を拒否されたジギスヴァルトです。」
「確か…今は大学2年ですよね?罪は父親の力でもみ消して。」
「そうです。」
「どうもヒルデブランドはローゼマイン様が自分が入学を拒否された学園に通っているのが面白くないのと自分を袖にした事がだいぶお気に召してなくジギスヴァルトにローゼマイン様を差し出すから好きにしていいと言っているらしいです。あいつの取り巻きの1人が俺の知り合いでしてそんなことを言ってました。」
「ということはローゼマインの護衛をより強化にしなくてはならないな。」
「そうですね。そこでマティアス。貴方にはセレブ学園の庶民クラスに編入してもらいます。」
「はぁ?いきなり何を言うのですかユストクス様」
「貴方はスポーツ大会で全国2位に何回も輝いてます。コルネリウスに遅れは取っていますがかなりの優秀者です。十分な資格がありますし私が推薦したことでこの度入学が決まりました。ローゼマイン様と同じクラスになれば護衛もしやすいでしょう。」
「そうですね。マティアスがいればわたくしも心強いです。」
「クラリッサ…」
「それと…フィリーネには保健室に勤務してもらうことになりました。資格はあるので問題なかったですよ。」
「かしこまりました。ローゼマイン様の為に頑張ります。」
「ではラウレンツには引き続きヒルデブランドとジギスヴァルトの監視をしてもらいましょう。ダームエルにもジギスヴァルトの監視を頼めますか?」
「はっ!承りました。」
「では、リーゼレータとローデリヒはマグダレーナ様の監視を。グレーティアとアンゲリカはアドルフィーネ様と、ディートリンデの監視をお願いします。アンゲリカは勿論シュティンルークと一緒で構いませんよ。」
「ハイ。わかりました。」
「では…ラザファム。其方にはローゼマインと私が秘密裏に会えるように取り計らってくれないか?」
「かしこまりました。バイトの関係ということで呼び出しましょう。」
と、ここまで。