フェルディナンドはヴェローニカに呼び出されて実家に帰った。
フェアベルッケンでユストクスが姿を隠し側にいる。エックハルトは玄関横で待機している。
「フェルディナンド。一体あの人をどこにやったの?」
「はっ?義母様は何を仰っているのか?お父様は行方不明ということですか?」
「貴方がお祖母様の洋館に移り住んだ日から連絡が取れないのよ!一体彼をどこにやったの?正直に答えなさい!」
ヴェローニカの形相がまるで鬼婆のようになった時に彼女のスマホに着信があった。
それは父からの着信だったようで…
「もしもし!貴方今どこにいるのですか!?」
「ヴェローニカ。私は知ってしまったようだ。君がセラディーナを手に掛けたことを。そして私自身にも毒を持っていたことを。もう私は君のもとには帰らない。離婚の手続きを始める。」
「何を言ってるのです?離婚はお義父さまや、父が認めません!それに今目の前にセラディーナの忘れ形見のフェルディナンドがいるのですよ?戯言を言っていないですぐに帰ってきて下さい。」
「君は…知らないのか?君の父親は先程逮捕された。父は離婚を認めてくれた。フェルディナンドは…もう君が傷つけることは出来ない!」
「何を…そんな馬鹿なことがあるわけないではないですか!」
ヴェローニカは手に持っていたペパーナイフをフェルディナンドに突きつけようとした。フェアベルッケンの効果を解いたユストクスに手刀をされナイフを落とすと…
そこへ警察がエックハルトと共に入ってきた。
「ヴェローニカだな?セラディーナ殺害容疑で逮捕する!」
「何を!」
ヴェローニカは秘書や、お付のものへ視線を送るが…
秘書たちもすぐに拘束された。
しかし…玄関を拘束されたヴェローニカが出るとすぐにどす黒い霧がにわかに立ち込めヴェローニカにまとわりつくと…
忽然と姿を消してしまった!
フェルディナンドはすぐにカーオサイファや、穢れの化身がヴェローニカを連れ去ったと分かった。
「フェルディナンド様ご無事ですか?」エックハルトが駆け寄って無事を確かめる。
「エックハルト大事ない。ユストクスがいたからな。しかし…」
「はい。間違いなくカーオサイファの仕業でしょう。しかしこの世界でこれ程の力を振るうには…この世界の穢れの化身の力がとても強いようですね。」
「そのようだな…これはヴェローニカは封印するしかないかしれない。」
「姫様が心配しております。邸に戻りましょう。」
と、実家を後にしようとすると…
そこに兄が帰ってきた。
「フェルディナンドこれはどういうことだ?何故警察がこんなにいる?それにお母様はどこに行った?」
「兄さん…お義母様は警察から逮捕状が執行された。僕の母の殺人容疑で。しかし…忽然と姿が消えたのだ!つまり…逃亡したということです。」
「何を?殺人罪だと?そんな事は嘘だ!お父様はどうした?お前が隠したのだろ?」
「兄さん落ち着いて下さい。お父様の行方は知りません。それに…兄さんのお祖父様も逮捕されたのではないですか?こんな所にいて良いのですか?」
「ユストクス!どういうことだ?説明しろ!」
「ジルヴェスター様申し訳ございませんが父は確かに貴方様の家の顧問弁護士ですが私はフェルディナンド様個人の顧問弁護士です。貴方に命令される覚えはございません。父が対応するのではないですか?」
「何を生意気な!ではすぐに父親を呼べ!」
「さて…父は多分警察に既に呼ばれていると思いますが…」
「使えない!」
と叫ぶとジルヴェスターは車に乗り飛び出して行った。
「ではフェルディナンド様参りましょう。」
と、ユストクスとエックハルトに守られてフェルディナンドはマインの待つ邸に急いだ。
と、ここまで。


