今度は女神様29 | エミソナのブログ

エミソナのブログ

日々の出来事に対しての感想。
韓流ドラマの感想。

韓流スターの事。

今、感じている事。

「本好きの下剋上」にハマっているのでそれ関連の事。

カウンセリングとかのことなど。

政治の理不尽さとか

などなど書いてます。

卒業式が終わった直後舞台に上がったままの第三王子が鳴り出したフェシュピールの音に乗り奉納舞を舞い始めた。


フェルディナンドがフェシュピールを奏でていた。


奉納舞を舞い終わった第三王子は壇上の奥の祭壇がゆっくりと左右に分かれそこに現れた階段を登っていった。


そこに中央神殿の神官長が声を高らかに…


「第三王子はツェントになるべく神に祈りを捧げ今、神より招待を受けました。これより元神のエアヴィルミーン様によりグルトリスハイトを賜ります。しばしお待ちを。」


と、第三王子の元側近でハルトムートからしっかりと教育を受けた中央神殿の神官長が高らかに声を上げました。


壇上の脇にはツェントの剣としてダンケルフェルガーの騎士たちが控えていました。


そして数十分経った時。


第三王子はそれはとても美しい女神をエスコートして階段を降りてきました。


「第三王子がお帰りになりました。これは…叡智の女神ローゼマイン様をエスコートされております。ここにいる皆様方は恭順の姿勢を!」


神官長が慌てるように声を上げました。


会場は騒然としましたが女神の放つ神威に人々は畏怖の念を抱きつつ顔を上げていることさえできなくなりました。


そこへ…


「女神ローゼマイン。神威を少しだけ緩めて下さい。ここにはアウブ達だけでなく卒業生である貴族もいます。彼らは下級もいるのです。」


エーレンフェストの領主候補生フェルディナンドが壇上近くに行き声をかけます。


《そうでしたね。》


すると神威が緩み…


《ユルゲンシュミットに住まう貴族の者たちよ。わたくしは叡智の女神メスティオノーラより権能を引き継ぎ新しく叡智の女神になったローゼマインです。このユルゲンシュミットは長らく正式なツェントを誕生させていませんでした。そのために礎の魔力は減り後十数年で白の砂に還るところでした。しかし本日数百年ぶりに真なるツェントが立ちました。彼を支え新たにユルゲンシュミットを護りなさい。》


叡智の女神ローゼマインはそう言うと第三王子にグルトリスハイトを掲げるようにいいます。


「グルトリスハイト!」第三王子が言うと手の中に重厚な本が現れます。


《これは今までの王族が作り出した紛い物の魔術具ではありません。叡智の女神である私が授けたわたくしの書です。魔術具ではなく神の意志であるシュタープに写し取るもの。資格あるものが研鑽を積んで得るものです。身分は関係ありません。これによって王族は解体。次代は血族ではなく資格あるものが研鑽を積みわたくしの下へこの書を取りに来たものである。第三王子よそれを光の女神の冠に誓いなさい。》


「はっ!」


女神ローゼマインの前に平伏した第三王子の頭に光の女神の冠が現れて…


「私新しきツェントはここに王族を解体して資格あるものに書への道を示し導くことを神の名の下に誓います」


《ここに神とユルゲンシュミットの魔力持ちとの契約が成立しました。あなた達は新しきツェントを支えこの地を反映させなさい。しばらくはわたくしの分身とその伴侶である命の神の愛し子をこの世に残します。その者を護りなさい。》


そう言うと女神ローゼマインは光の粒となって天井に消えました。


中央神殿の神官長が「新しきツェントの誕生を喜び神に感謝を!神に祈りを!」と呼びかけると会場にいる全ての貴族が

「神に祈りを!」と…


第三王子はフェルディナンドと目を合わせると頷きながらダンケルフェルガーの騎士に守られ会場をあとにしました。


そこで再び神官長より

「明日臨時の領主会議が開催されます。アウブの皆様は準備のほどをお願いいたします。」

と、声がかかりました。


と、ここまで。