イルムヒルデの邸で幼いローゼマインとフェルディナンドが再会した。
フェルディナンドは幼いローゼマインを見て自分のこれまでの織り直しの記憶が甦った。
フェルディナンドは両手を広げて膝をつき…
「おいで…ローゼマイン。」
「フェルディナンド様!」
ローゼマインは泣きながらフェルディナンドの胸に飛び込んだ。
居合わせた、アーデルベルト、イルムヒルデ、ボニファティウス、エリザベス、カルステッド、エルヴィーラ、ローゼマインの祖母に母はびっくりしてその場に固まってしまった。
その時女神ローゼマインが降りてきた。
〈やっと再会できましたね。フェルディナンド…わたくしはメスティオノーラの代わりに叡智の女神になりました。貴方は少しだけ神への祈りが足りずにわたくしと一緒に神にはなれませんでした。けれど最高神から今回機会を頂けたのです。今回の生で幸せに暮らし神に祈りを捧げれば神格を与えられます。わたくしの分身であるローゼマインと一緒に成長して下さい。〉
「ローゼマイン…ずっとこの先も一緒にいられるのだな?神に祈りを捧げれば…」
「そうです。貴方が害されないようにずっと一緒にいて守ってきました。この先は分身のローゼマインが一緒にいます。貴方の護りは施しました。避けられない政変も少なからずあるでしょうが負けないで私のもとにたどり着いて下さい。貴方の眷属とローゼマインの眷属はこの生のあとは私達の眷属神になります。ユスクトスとラザファムは記憶を戻しました。でもエックハルトは駄目でした…ローゼマインに叛意があったので…いずれローゼマインの眷属も記憶が戻ります。」
「君は…行ってしまうのか?」
「わたくしは…貴族院の始まりの庭に帰ります。貴方のそばにはそこの分身のローゼマインが居ます。彼女を愛しながら護りながら祈りを捧げて…すぐに会えますよ。」
そう言うと姿は消えた。
するとアーデルベルトとボニファティウスの頭の中に又声が響いた。
《あなた達はこのままフェルディナンドとローゼマインを護りなさい。彼らは次の生に神に上がります。絶対に傷を付けないように…身体も心も護りなさい。アーデルベルト、貴方の子供は全てカーオサイファに魅入られています。気を付けなさい。神は見ていますよ。あなた達がどうするかを。》
アーデルベルトとボニファティウスは胸に楔が打ち込まれたような気がした。
神との約束を違えたらどんな事が起こるか?考えもつかない。
ボニファティウスはヴェローニカの排除をしなければならないと悟った。
そして…カルステッドとエルヴィーラは青くなった。女神ローゼマインが言ったエックハルトの事を先ずはフェルディナンドに聞かなければならない。
その前に…
イルムヒルデの邸の隣に姉とローゼマインの実母が住むことになった。ローゼマインはカルステッドの娘として洗礼式を行うがフェルディナンドと一緒に住むことになった。
女神から2人は引き離してはならないと厳命されているから。
そして冬になり…宴が開かれた。ローゼマインのお披露目だ。
と、ここまで。