クラッセンブルグはトラオクヴァールを助ける変わりにマグダレーナとヒルデブランドを切ることを告げる。
トラオクヴァールはマグダレーナに全ての不都合を被せ切ることはできてもヒルデブランドは一応は血のつながった息子で愛人の子ではあるが認知もしている。切るということはどういうことなのか測りかねていると。
クラッセンブルグは戸籍から抜き養子に出せという。
これから政界に打って出ようと言うときだそれでスキャンダルがもみ消せるのならば…
ヒルデブランドは幼い頃から付けていた執事と養子縁組をさせることにした。そして罪の方はもうこれ以上庇えないと言うことであとはどうなろうと仕方がない。全てを執事に任せた。養育にかかる費用はマグダレーナの資産から出すように命じた。
マグダレーナの方はホテルでの出来事から気を失い暫くは意識不明が続いていたが暫く入院すると元気を取り戻した。しかし丸で毒気も抜かれたようで少女のようになってしまった。
記憶もなく自分が何をしたのかもそして自分が誰なのかも忘れてしまったようだった。
一応全ての証拠は残っているので過去の殺人やら、ヒルデブランドや、ジギスヴァルトの悪事を隠蔽していたことは警察に伝わっていた。
精神鑑定の結果今の状態では裁判を受けることはできないため療養所に入る事が決定した。
全てはクラッセンブルグの部下がこの後のことを片付けた。
そしてトラオクヴァールはクラッセンブルグから学園の天才児であるフェルディナンドを確保するように指示を受けた。
フェルディナンドと言えば確かにかなりの裕福な家の次男でその義母に当たるヴェローニカはトラオクヴァールの友人だった。妻とヴェローニカが幼友達でその関係でトラオクヴァールとも縁があった。
そんなヴェローニカからフェルディナンドに肩入れするものは須く排除して欲しいと入学当初から言われそうしてきた。
そして今回も学園の保険医のヒルシュールと担任のエルヴィーラを解雇し、フェルディナンドを学園の勧める交換留学生として米国へやれという。
エルヴィーラの替えはいくらでもいるが、ヒルシュールの替えはなかなかない。
何せ彼女は医師の免許も看護師の免許も持ちついでに薬剤師の免許も持っているのだ。そんな稀有な存在は居ないし、校医として学園全体を支えている。
どうしたものかと思案していたらクラッセンブルグからフェルディナンドとともに米国にやることにしてしまえと指示された。
エルヴィーラには直ぐに解雇通知をし、フェルディナンドとヒルシュールには留学生として米国の提携校へと話をするはずだったのだが…
フェルディナンドを呼び出す前に彼から退学届が届いた。ヒルシュールとエルヴィーラからも辞職願いが届いた。
これはどういうことか?
エルヴィーラとヒルシュールを呼び出したが既に手続きは完了していた。勿論フェルディナンドの手続きも完了。
それだけではなく学園ではフェルディナンドに並ぶくらいの秀才である神谷や、フラン、金持ちの息子であるエックハルトなども一緒に退学したのだ。
勿論こちらも手続きは完了済。
トラオクヴァールはフェルディナンドを確保することが不可能になってしまった。
フェルディナンド達はマグダレーナとヒルデブランドの処遇を見て次に打ってくる手は自分たちの確保だろうと見越していた。
そのためにユストクスに命じて早々に学園を退学することにした。
フェルディナンドや、神谷レベルになると別に学歴は不要だ。
しかし一応は大検には合格しておいてこの件が片付けばマインと一緒に海外の大学に行けば良いと思っていた。
そしてエルヴィーラとヒルシュールはこのまま学園にいても意味がないので早々に退職した。
ヒルシュールはヴェローニカが開発させたセラディーナを葬った薬の解明と解毒剤を作るためにずっと研究してきたが校医との両立が難しくなってきていたところでユストクスがフェルディナンドの資産を元に設立した薬品研究所が完成したことによりそこの所長に就任した。
エルヴィーラは穢れの化身封印に力をれるためにマイン達の傍らで守るために教師は終了した。
フェルディナンドとマインはこれからは教祖や、クラッセンブルグの攻撃が増すことを考えてマインも学校を退学して、古本屋は取り敢えず休業、洋館を封鎖して居を別の所に移すことにした。
と、ここまで。