さて…
5年生の授業が始まってローゼマインは合格を相変わらず一発で取っていった。
フェルディナンドに教育されているレティーツイアも優秀さを見せつけ合格の山を築いていた。
そんな中でレティーツイアの婚約者のヒルデブランドが何かと纏わりついてきた。
レティーツイアにはローゼマインの事を根掘り葉掘り聞いてきたり図書館で待ち伏せしたりととにかくうっとおしい。
母親のマグダレーナはフェルディナンドへの行動を咎められて離宮に蟄居させられているのだがヒルデブランドは自由に動き回り誰にも行動を諌められてないらしい。
ローゼマインとレティーツイアが図書館の地下書庫に行った時にヒルデブランドが潜んでいてローゼマインが襲われそうになった。
地下書庫に入って直ぐにレティーツイアに眠り薬を嗅がせて昏倒させるとローゼマインに襲いかかろうとした。シュバルツとヴァイスがやってきて事なきを得たが下位領地の領主候補生を従えていて護衛騎士を入れられない地下書庫では本当に危なかった。
下位領地の領主候補生は王子であるヒルデブランドに逆らうことは難しく命令されて地下書庫に入ったがまさかローゼマインを襲うのを手伝う羽目になるとは思ってもいなかったと証言した。
父親であるツェントはヒルデブランドを入学したばかりではあるが貴族院を季節外として謹慎させることにしたのだが…
事態を知ったフェルディナンドがヒルデブランドとレティーツイアの婚約解消を告げに来た。
ツェントも致し方がないと受け入れる姿勢を見せたのだがヒルデブランドがではローゼマインと婚約させろと言い出した。
ローゼマインと婚約者のフェルディナンドは歳も離れすぎているし可哀想だから婚約解消して王子である自分と一緒になったほうが良いと言う。
しかしローゼマインは既に第一夫人としての役割を担っており領地では既に夫婦として行動しているから婚約解消は絶対に無理だと説明した。
ヒルデブランドは王命なのだからそれを破棄してしまえばいいと父親に詰め寄る。
どうも今回の騒動は裏でマグダレーナが糸を引いていたらしい。
ヒルデブランドに泣きつかれ、ローゼマインに瑕疵を与えれば結婚せざる得なくなるからそうしろとけしかけたらしい。その際に地下書庫なら本をこよなく愛するローゼマインは絶対に訪れるしあそこは領主候補生以外は入れない。どんなに優秀な側近がいても側にいなければ大丈夫だと言ったのだ。
フェルディナンドはかつての織地でもヒルデブランドはローゼマインに懸想して色々と問題を起こしていたのを知っているので要注意だと思っていた。
ツェントはジギスヴァルトもアナスタージウスも失ってしまっているので最後に残ったヒルデブランドには自分の思いを遂げさせてやりたい気持ちもあった。しかしマグダレーナのフェルディナンドへの執着や、やり方を見ていてこれではいけないとも思ってはいた。
そこでマグダレーナと離縁してヒルデブランドと、共にダンケルフェルガーへと返すことに決めた。勿論ヒルデブランドの婚約は解消。ローゼマインとは接近禁止を申し渡した。
ダンケルフェルガーとしてはマグダレーナのやりように憤慨しており帰ってきたなら神殿に入れると告げた。
ヒルデブランドも領主候補生ではなく上級貴族として生きていくことをアウブ命を出した。
しかしそれに反感を持ったマグダレーナとヒルデブランドは領地対抗戦の日にフェルディナンドとローゼマインに襲いかかった。
可愛さ余って憎さ百倍とはこの事で自分の手に入らないなら殺してしまえと思ったようだ。
ダンケルフェルガーの女であるマグダレーナはそれなりに強かったがフェルディナンドとローゼマインの護衛騎士に敵うわけもなく直ぐに取り押さえられたがやはりここでもフエアドレンナの雷が鳴り響いたのだ。
幸い命を落とすことはなかったがもう二度と人前には出られない酷い火傷を負ってしまい、勿論癒やしも効かず表舞台から去っていった。
それから無事にローゼマインは5年生6年生を終えて今日は卒業式。
と、ここまで。