有名な私立の高校に入った私は入学式でフェルディナンドを見た。
生徒代表として挨拶してた。彼はエスカレータ―で下から上がってきたサラブレッド。
頭も大変良くて学校始まって以来の天才らしい。まぁフェルディナンドなら当然でしょう。
しかしなんで会っちゃうのかなぁと少しだけ神様を恨んだ。
幸せな彼を見れるのは嬉しいけど、愛しい人に声もかけられない、視界に入ることもできない事を思うと辛いですよね。
しかしこれは私が望んだことだし諦めるしかない。
遠くで彼を見つめられるだけで幸せなのだからたった3年間この時間を大切にしようと思った。
私のクラスは庶民クラス特待生や、普通の家庭の子供が集められているのだ。
この学校を運営しているのが大財閥のユルゲングループ。皇室をも牛耳ると言われている大企業。そこが社会貢献と優秀な人材発掘のために高等部のひとクラスを特待生と庶民に開いているのだ。
その他のクラスは超一流のセレブの子供たちが通っている。
フェルディナンドは私が子供の頃に手術を受けた大病院の御曹子で皇室の流れをくむ大名家冷泉家の次男坊。顔は超イケメンでスポーツ万能、ヴァイオリンとピアノは世界コンクール優勝数回、数学オリンピック金メダリスト。IQ200以上と言われている大天才。海外の大学からも沢山誘いがあるそうだ。
そんな彼がまだこの国にいてこの学校にいるのが不思議と言われている。
前世のフェルディナンドは女嫌いだったが今生はそうではないらしい。
幼馴染の大製薬会社の令嬢アドルフィーネとは婚約も噂されているという。
まぁ前世であれだけ研究狂いだったし、知の領地ドレヴァンヒェルの領主候補生だったアドルフィーネとなら話は合うはずで女嫌いでなければ上手くいくだろうなぁ。そんな事を思っていたら胸が傷んだ。
心臓悪いからだけじゃなく切なくて傷んだんだろうな。
庶民クラスにはルッツとトゥーリがいた。
ルッツはサッカーの特待生でトゥーリはアーチェリーの特待生だった。
文系特待生の私とは最初は距離があったがなんと施設の友達ギルとルッツが親友だったのだ。ルッツとトゥーリは幼馴染でそんな事から庶民クラスだし仲良くなれた。
私はヴィルマのところに居候しているから授業が終われば直ぐに帰宅してお手伝いしなければならないからクラスでは帰宅部の女と馬鹿にされていた。なんたってこのクラスは特待生ばかり。それもスポーツ系が多いから身体の弱い文系女子は基本嫌われる。
ひたすら地味に徹し過ごしていたが中間試験になり、成績は落とせない。スポーツ特待生は脳筋だからクラスに敵は居ないけど…成績落とすと施設の存続に響くから頑張らないといけない。
まぁトップはフェルディナンドだし次はアドルフィーネでしょ?
私は50番以内ならなんとかなるかなぁ?なんて思っていたら…
なんとフェルディナンドに次いで2番になってしまったのだ!
そしたら特進クラスのヒルシュールに呼び出されてしまった!
ヒルシュールは国語と古文漢文の先生で今はある古文書の解読をしていると言う。私は中間でなんとフェルディナンドを抜いて古文漢文で1位、満点だったらしい。フェルディナンドは1問間違いで2位。その他の科目は全問正解だったと。
この学校は先生一人一人に個室が研究室の名目で与えられている。その研究室を尋ねると…そこには超不機嫌なフェルディナンドがいた。
ヒルシュールは今出ているがすぐ戻るという。
出直そうとしたがフェルディナンドに呼び止められてしまった。
中間試験の話を振られたのだが何をどう答えたのかまるで覚えていない。
フェルディナンドは最初は不機嫌だったが段々と機嫌が良くなって来るのは分かったが私は何を話したのか覚えていない。
そのうちヒルシュールが戻り、ある古文書を出してきた。
その古文書は500年前くらいの物らしい。それを2人に研究してほしいというのだ。成績トップの2人にならきっと良い成果が得られるというのだ。
私は特待生だから先生の言うことに逆らえない。フェルディナンドに断って欲しかったが彼はなんと受けてしまった!
クラブも掛け持ちしているし大変なのではないかと問えばそんなものどうとでもなると言い切られてしまった!
私はフェルディナンドに近づいてはいけないのに…どうすればよいのだろう。
結局2人で研究する羽目になってしまった。
それから週に2度放課後にヒルシュールの研究室で行うことになってしまった。
その日の帰りにフェルディナンドから携帯の連絡先を渡されるが私はスマホを持っていない。
それを言うと大変驚かれたが施設育ちの私がそんな高価なもの持っているわけがないのに意地悪だなと思ってしまった…
仕方がなく連絡はフェルディナンドからはヒルシュールの研究室にメモを置くということになった。
まぁ研究はするけどそんなに頻繁に連絡なんて取り合うことはないからと高をくくっていたのだが…
と、ここまで。