貴方が創ったものが、貴方を創る | 同胞たる、おっとりとした頬を求めて!

同胞たる、おっとりとした頬を求めて!

世界とは、貴方について書かれた書物である。

 ふつう、わたしたちは、作者がこの作品を作ったと理解します。



 作品のテーマ、構成、筋立て、人物設定は、作者の意図が表れたもの。



 けれど、これは表面だけを見ているのに過ぎません。



 そこからは、創作の真実は見えてきません。



 正しくは、作品が作者を作るのです。



 詳しく述べましょう。



 作者はどうしてその作品を作ろうと思ったか。



 それは、作者を超えたものがあるはずです。



 その作者を超えたものが、作品を書かせたのです。



 そして、作品に必要なものを、作者に準備させた。



 作者は、作品が欲していることを、自分の命をすり減らしながら、掻き集めてくるのです。



 その行為こそが、作者を作るのです。



 そして、それは時として、作者自身を予期しない事柄へと誘うことになります。



 作品が、作者の生き方を決定づけるのです。



 すべての人のことを思う作品を書き上げたとき、作者もまた、すべての人のものになるのです。



 そうして、作者は鍛え上げられてゆく。



 すべての人のことを思う作者にしてゆくのです。



 自分のために書き続けるうちは、だから本当の作家ではありません。



 自分を超えてすべての人のために書く作者になったとき、本当の作家になるのです。



 このことを今、とみに感じています。



 すべての人のために書く作者になろう。



 わたしが書いた作品が、今あるわたしを作り上げたのです。



 そして、そのためなら、命を惜しいとは思いません。



 また、それを批判するものがあれば、どのような批判でも受けて立とうという決意です。