プロメテウス 第14回 主なるものの秘密(ゼウス) | 同胞たる、おっとりとした頬を求めて!

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世界とは、貴方について書かれた書物である。

 ハゲタカがプロメテウスの腹の上に乗ったとき、プロメテウスはハゲタカを通して、自分にこのような罰を与えた主なるものに対して、語りかけた。


 「さあ、わたしのはらわたを食い漁るがいい。


 しかし、わたしは、少しも痛くもかゆくもない。


 なぜなら、それは死の苦しみではないからである。


 わたしが死なないようにしているのは、まさにわたしにこのような罰を与えているもの自身だからである。


 死なないわたしは、どんなに痛めつけられても、それを生のことがらとして受け取っているのである。


 すなわち、わたしは、わたしを罰するこのような方法でもって、ますます力をつけているのである。」


 ハゲタカはプロメテウスの腹の上に乗ったまま、すぐには彼のはらわたをあさろうとはせずに、じっとしている。



 プロメテウスは、そのとき、悟ったのである。


 「ハゲタカよ、なにを躊躇しているのだ。


 顔色が青いぞ。


 おまえは、すぐわたしのはらわたに、そのするどいくちばしを差し込んでいるはずだのに。

 

 わたしにはわかっている。


 いまわたしの上に乗っているのがハゲタカではなく、ハゲタカを通して、わたしに苦しみを与えてきた、また苦しみを与えようとしてきた当のものである、と。


 もう隠すことはやめよう。


 わたしは、貴方の秘密を語ることにしよう。


 これは、貴方にわたしが屈したからではなく、わたしが貴方を救おうと思い立ったからなのである。


 貴方はわたしの決意によって、貴方が本来生きるべきものを生きることになるのである。


 そして、わたしがそれを語り終えるとき、もはや貴方は、わたしをこの岩山に繋ぐ理由を失うであろう。」



 そうして、プロメテウスは、自分を超えて自分を生きる、主なる自分であるものの秘密を語り始めたのであった。




※ここまで、長々と、岩山に繋がれたプロメテウスについて書いてきましたが、ここからが、いよいよ第二ステージの核心に向かいます。プロメテウスを通して、自分を超えて自分を生きる、自分であるものを、徹底的に解き明かしていきたいと思います。