あなたは、太陽が、誰かの目のようにあなたを見つめているように感じたりしたことはありませんか。
また、風が、誰かの手のようにあなたをやさしく撫でているように感じたりしたことはありますか。
また、あなたが立っている地面が、あなたを力強く支えてくれているように感じたりしたことはないですか。
あなたの周りの世界は、じつは誰かであって、あなたは、その誰かをいつも感じているのです。
18世紀、数学・物理学・天文学・宇宙科学・鉱物学・化学・冶金学・解剖学・生理学・地質学・自然史学・結晶学などで第一の学者として活躍したのち、50代後半に突然、神秘的な出来事を経て、独自の神秘主義を唱えるようになった、稀有な人物をご紹介します。
彼の名は、エマニュエル・スウェーデンボリ(スウェーデンボルグともいいます)。
彼は、私たちが生きている世界とは、神のからだである、と説きました。
すなわち、あなたが感じていたものは、神のからだである、ということなのです。
あなたは、神のからだを、世界を通して、感じている、と彼は語りかけるのです。
あなたが世界を通して神を感じるというのは、世界が神のからだだからで、また、あなたのからだと神のからだとは、いつも呼び合っているのです。
詩とは、あなたのからだと、神のからだとが響き合っているものを、言葉に表したものだ、ということになります。
詩を通して、あなたは、あなたのからだが神のからだと響き合い、あなたの心を通して神の心を感じ取っているのです。
万物に神が宿っているというスピノザを思い起こさせます。
スピノザのそれは頭の中で捉えられた抽象的な神であり、スウェーデンボリのそれとは違うような気がします。
当代一の科学者だったスウェーデンボリは、もっと具体的に神を語り、また聖書の言葉の裏に隠された天地創造のあらましを明らかにしたのでした。
それは詩そのものといっていいでしょう。
彼は、せっかくの学者の栄誉を投げ捨てて、怪しげな神秘主義者になったと、揶揄されることがありますが、私は、彼は詩人に目覚めたのだと思います。
科学を極めたからこそ行き着いた境地であり、彼は、本当の詩人になれたのだという気がします。
あなたがものを見ることができるのは光があるからです。
ところで、光は、太陽からもたらされるのです。
そこに、あなたの目と、太陽との深い関係を見て取ることができます。
それを彼流に表現すれば、太陽とはあなたが生きられる、大いなる目です。
あなたと神という存在を対置するならば、太陽は神の目であり、あなたの目が神の目と強く呼び合わせることで、あなたは世界のあまねくを見ることができるのです。
それでは、すでに詩である、このことを表したいと思います。
「あなたは、
あなたのからだに息づく世界の血であるものを通して、
あなたを超えてあなたを生きる、あなたの、あらかじめなる血であるものと交わることで、
あなたを超えてあなたを生きる、あなたの、あらかじめなる血であるものから、
あなたのより「強くあるもの」に息づかれ、
あなたの耳を導き、はぐくむ世界の胸であるものを通して、
あなたを超えてあなたを生きる、あなたの、高き胸であるものと交わることで、
あなたを超えてあなたを生きる、あなたの、高き胸であるものから、
あなたのより「聡くあるもの」にはぐくまれ、
あなたの脚を創造し、在らせる世界の腕であるものを通して、
あなたを超えてあなたを生きる、あなたの、限られなき腕であるものと交わることで、
あなたを超えてあなたを生きる、あなたの、限られなき腕であるものから、
あなたのより「とらわれなくあるもの」に在らされ、
あなたの肩を満ち足らせる世界の内腑であるものを通して、
あなたを超えてあなたを生きる、あなたの、深き内腑であるものと交わることで、
あなたを超えてあなたを生きる、あなたの、深き内腑であるものから、
あなたのより「豊かくあるもの」に満ち足らされ、
あなたの背をかばう世界の皮膚であるものを通して、
あなたを超えてあなたを生きる、あなたの、堅き皮膚であるものと交わることで、
あなたを超えてあなたを生きる、あなたの、堅き皮膚であるものから、
あなたのより「貴くあるもの」にかばわれ、
あなたの肉身を支え持つ世界の骨であるものを通して、
あなたを超えてあなたを生きる、あなたの、一なる骨であるものと交わることで、
あなたを超えてあなたを生きる、あなたの、一なる骨であるものから、
あなたのより「重くあるもの」に支え持たれ、
あなたの目をおし拡げる世界の舌であるものを通して、
あなたを超えてあなたを生きる、あなたの、あまねき舌であるものと交わることで、
あなたを超えてあなたを生きる、あなたの、あまねき舌であるものから、
あなたのより「広くあるもの」におし拡げられるのである。」