ある時、ネットで天真みちるさんがcakesでエッセイを連載されていることを知り、有料配信ながら興味津々で読んでいました。
ときには抱腹絶倒。
また天真みちるさんという、いわゆる路線スターではない一人のタカラジェンヌがその時々で何を考え、その道を歩いてきたかを知り、ホロリと涙したこともありました。
(初演『はいからさんが通る』では牛五郎をどんだけやりたかったか・・・がよくわかり、リアル舞台を観ていないことを後悔さえしてしまった)
ヅカファンのなかでは「タンバリン芸人」という名で認知度も高かった天真みちるさん。
『金色の砂漠』の求婚者、『MESSIAH 』の悪代官・・・善良な役ではおそらくは天真さんの持ち味そのものだろう温かい血の通った人物、悪では「面構えさえ憎き悪」を追求した芝居がしっかり心に残っています。
私はああいうしっかりと脇で芝居のできる生徒さんもいてこそ、トップスターが輝く夢の舞台ができることを改めて深く考えることが多かったです。
そのcakesで執筆された記事を加筆修正して『こう見えて元タカラジェンヌです』が出版されます。
(出版前の本のネタバレはよろしくないのはよく承知していますが、東京宝塚劇場卒業の日についても綴られていました。最後の大階段を降りるスタンバイをしていた時、天真みちるは何をしていたか? もうこれは大爆笑!こんなジェンヌさんいるの???とわろた・・・)
もちろんご本人にお会いしたこともなく、舞台上でのたそ(天真みちる)しか存じませんが、文章のいたるところから、舞台上のたそから感じたモノがあふれていて、cakes連載中は次の配信がとても楽しみでした。
宝塚を退団した翌日からSNSをはじめる元ジェンヌさんは多数いらっしゃいますが、なかには「えっ??(@@)」というような記事や私の中にあるタカラジェンヌの品格を大きくはずれてしまう方も少なくありません。(あくまで・・・私の中にある・・・です)
でも、天真みちるさんのエッセイは、今もなお宝塚への愛があふれているし、彼女らしいと思います。それに文章力もハイレベル!
今までに退団されたトップスターさんのエッセイ本も何冊か読んだことがあります。・・・が「これって自分で書いてないよね」と思うものもありました。(真偽はわかりませんし、芸能界にはあるある・・・)
たそは絶対に自分の言葉として綴っている(だろう)ところにも好感を持ちました。
そういえば・・・
ちぎさん(早霧せいな)の『夢のつかみ方、挑戦し続ける力』も非常によくできた本でした。
これから宝塚を目指す14歳(だったかな?)に向けて書かれていますが、大人が読んでも「なるほど!こういうときにはこうい解決策があるよね」などハウツー本的要素がありながら、ちぎさんの宝塚人生を知ることができました。
(感性も豊かだろうちぎさん、とても理論派なのもよくわかりました)
『こう見えて元タカラジェンヌです』はまだ販売は先ですが、予約しちゃいました!