【宝塚】宙組&専科『双頭の鷲』 | You and the Revue and the Musical

You and the Revue and the Musical

宝塚やミュージカル、好きな音楽について綴っています。
誠に申し訳ありませんが、最近【話題に関係のないコメント】をいただくことがございます。
その場合はコメントを非表示にさせていただきますので、ご理解をお願い申し上げます。

ポスターが出た時に「一昔前ならすみれコードに引っかからないのかしら?」とセンセーショナルに思い、日本での過去の上演が美輪明宏さんの演出・主演だったことから、宝塚にマッチする作品かどうか・・・と思っていました。

 

でも植田景子先生の脚本と演出の手腕に拍手喝采の作品でした。
シンプルな舞台装置も功を奏しています。

 

・・・でやっぱりトップ・オブ・トップと称されることに納得したのが、スタニスラスの轟悠さんでした。

究極の男役、しかも今なお進化を遂げていることに圧倒されそうな空気を感じます。

 

実咲凜音さんの王妃も、このすごい男役さんを前に堂々たる王妃ぶりを見せていたと思います。王妃の気品やプライドを感じると共に、宮廷社会で翻弄される一人の女性としての哀しさも垣間見ることができる王妃でした。

 

ほとんど出ずっぱりでセリフも膨大ですが、集中力の途切れのない演技で客席をグングン引き寄せている・・・、ストレイトプレイの醍醐味も十分に味わうことができて、普段は「宝塚は絶対にショーが好き!お芝居やミュージカルの1本は食指わかない」と言ってはいますが、この考えに凝り固まってはいけないと思いました。

 

警察長官のフェーン伯爵、愛月ひかるさん。冒頭シーンから存在感満載でかっこいいですね。ぐんと大きくなった感があり、轟スタニスラスと対峙する場などの緊張感は、この大上級生を前にひるむ隙のないあたり、すごいなぁ・・・と思いました。

 

配役発表になった時、多数いる「パパラッチ」とはなんぞや? と、舞台を見るまで???でしたが、このパパラッチ達が大きく物語の進行を支えています。

真ん中で繰り広げられる芝居の主軸になる3日間の物語を、まさにパパラッチで覗き見しつつ、周囲で常に気配を感じさせることなく(真ん中芝居の空気を邪魔することなく)、要所ではここぞ!と登場するのは難易度の高い存在ですね。

 

そしてまた・・・

和希そらさんのストーリーテラーが、自然体な感じで客席と舞台をつなぐかのように、物語の補足?を語るのがうまいです。

 

桜木みなとさんも品の良い貴族らしく、華が開いてきた感がありますが、国王の友人という設定からは、若すぎる? それが惜しい気がしましたが、難しいですよね、年齢を出すのは。

 

ちょっと注目したのはトニーの穂稀せりさん。
王妃に使える下僕?。聾啞でセリフなく手話で会話しますが、王妃を慕い、信頼を得ていることが伝わり、研5でこういう芝居ができるのは貴重な存在かと思いました。

王妃の読書係(兼侍女的でもあるのかしら?)、そして実は皇太后の密使である美風舞良さん。役柄のせいか時にヒステリックな気がしないでもありませんが、さすがに長としてまとめている感がありました。

 

 

カーテンコールで21人の出演者が一列に並びます。

もちろんセンターは轟悠さん。そして舞台両袖に向かって学年順に並びますが、ここで露呈してしまうのが、舞台歴かしら?と思いました。特に男役さんは真ん中へ寄るほど「男役歴」がなるほど・・・と見えてきます。

 

舞台がシンプルで衣装もシンプルにモノトーン。飾り立てる物がない、しかも小劇場というのは、役者そのものの素が見える怖さがあるのでは?と思った舞台でした。

 

前方席も舞台の熱が直に伝わり面白いですが、昨日は後方のセンターで観劇。バウだと舞台全体が視野にきっちり収まり、私的には大劇場2階1列で観劇するような気分で(はい、大好きなのです)、客観視できて面白かったです。

 

 

本当に観劇レスな時はしばらく遠ざかっているのに、今週は花組を観て、宙組バウを観て・・・まだ観劇が続きます(^^)

 

今年は宙組大劇場公演初日を元旦から観劇に行きましたが、締めも宙組!今週末のバウ千秋楽。