屋久杉玉を、磨く。

磨く前にはわからなかったものが現れる。

 

耐水性のやすりを使って、水の中で鏡を磨くのと、乾いた木を紙やすりで磨くのは、違うと思いながら磨いていたのだけど、1次元のやすりを使い始めると、糸のような年輪が、くっきりと浮き出てきて、立体的に見え始め、

 

(波だ!)

(流れだ!)

 

と思った瞬間から、年輪が水のように流れはじめ、木にふれているのに、流れの中に手をさしいれているかのように、「水」を感じている。

 

(本文より)

 

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一年間、ふれられずにいた屋久杉玉を、ついに磨くと決める。

すると「水」が近づいてきた。

その流れに飛び込むと、そこに屋久杉がある。

 

7月30日の「水鏡」のワークショップでは、石谷傳さんが磨いた「天」と名付けられた鏡の額縁の素材が「屋久杉」

 

 

8月1日の「マザーオーシャン」の上映会では、退治とともに、フリーダイビングで、クジラやイルカと交歓し、出産をしたレイナさんが、zoomによるオンライントークをしてくださったのが、2年前からお住まいになっている「屋久島」

 

 

(水)

(屋久杉)

(屋久島)

 

手元にある、小さな屋久杉のかけらは、同期している。

 

(何を伝えるために?)

 

「マザーオーシャン」の映画の余韻が、ずっとあるので、クジラとイルカの声を聴きながら、磨こうと決める。

2014年に、佐藤なーやさん屋久杉玉磨きのワークショップに参加したときの、記憶を頼りに。

 

 

佐藤なーやさん屋久杉玉磨きは、0次元~6次元までの紙やすりを使って、磨いていく

0次元のやすりは粗く、大きく削ることができるので、このときに形を決める。

 

(角を落としたくなる)

 

できることなら、「しずく」のかたちにしたいくらい。

そうか、しずくなんだ、とわかった。

 

(しずくの旅)

 

とがっている角を、しずくのかたちにするのは、けっこう大変だ。でも、

 

(角はいらない)

(海の中には、とがったものなど、なにもない)

 

懸命に磨いているせいか、てのひらに握りこむと、じんわりとあたたかい。

その熱が、すごくいい。

 

思えば、屋久杉玉を磨くのは、自分の魂を磨くことだとわかっているから、1年間、ふれられずにいたのに、まさかその前に、〈水で鏡を磨く〉という、さらにダイレクトなワークの洗礼を受けることになるとは。

 

だけど、そのおかげで、屋久杉玉磨きは、ちっとも怖くなくなった。

0次元は、まだ、魂にふれる層ではないことも、わかる。

 

 

 

 

 

屋久杉玉を、磨く。

磨く前にはわからなかったものが現れる。

 

耐水性のやすりを使って、水の中で鏡を磨くのと、乾いた木を紙やすりで磨くのは、違うと思っていたのだけど、1次元のやすりを使い始めると、糸のような年輪が、くっきりと浮き出てきて、立体的に見え始め、

 

(波だ!)

(流れだ!)

 

と思った瞬間から、年輪が水のように流れはじめ、木にふれているのに、流れの中に手をさしいれているかのように、「水」を感じている。

 

(水で磨く)

 

2次元。

表面に傷が残るくらいの粗さのやすり。磨いた粉の量が減ってくる。

 

 

 

思いついて、「グラン・ブルー」の主題歌を聴く。

どうして、5回も映画館に通うほど好きだったのか。

久々に聴いたけど、胸が高鳴る。映画のシーンが蘇る。

 

『グラン・ブルー 制作日誌』という、懐かしいメイキングフィルムを見つけ、全編観れる幸せにひたりながら、磨く。

リュック・ベッソン監督の言葉が、深いレイヤーに届く。

 

3次元のやすりを使うようになると、屋久杉玉が輝きはじめたような気がする。

木目に、さらに躍動感のある動きがみられる。

 

 

 

手のひらに包むと、すべすべで、安心感に包まれる

それに、とてもいい香り。

 

一晩で仕上げるつもりだったけど、大切に磨きたいので、日を改めることに。

 

いまさらながら、気づいたのだけど、

 

(やすりの次元は、空間を表しているのだろうか?)

 

だとすれば、3次元のステージは、今いる世界。いまの私。

 

 

 

4次元からは、未知の領域。

 

浜田えみな

 

屋久杉玉磨きは、続きます。

 

佐藤なーやさんHP   アートフル舎

 

 

 

水鏡のワークショップ

 

 

 

マザーオーシャン

 

 

屋久杉玉を磨くと決めた日