アメリカの空港。

入国審査の場面で、"How long...?"から始まる質問をされた時、何を尋ねられていると思いますか?

 

おそらく、日本の学校英語を中心に英語を学んできた人は、

 

How long are you going to stay (in the US)?

How long will you be staying (in the US)?

 

のように、「どのくらいの期間(アメリカに)滞在する予定か。」を聞かれると予想するでしょう。

よく質問されるということで広く知られている内容です。

 

私の頭の中にも、この例文がしっかりと刷り込まれていました。


事情があって日本に一時帰国をしており、先日アメリカに戻ってきたのですが…入国審査でこのようなことがありました。

 

入国審査の係員が、最初に私に質問したのが…

 How long have you gone 〇△%$?

 

gone"という単語が出てきた時に、私の思考が一瞬「あれ?」とストップしました。

(そのせいでgoneの後の言葉を聞き逃しました。)

 

gone? 

 

聞かれている内容が、「どのくらいアメリカ国外に行っていたのか。(外国を訪れていたのか。)」ということなのはわかりました。

 

でも、

non citizen(アメリカ市民でない)の列に並び、

日本人で日本のパスポートを提出して、

これからアメリカに「入る」私に対して、どのくらいアメリカから「出て」いたかを質問されるとは予想しておらず、自分の理解が間違っているのではないかと不安になりました。

 

念のため、聞き返してみましたが、同じことを言われるだけ。

 

"For about 2 weeks."と答えたものの、

不安が残るので、"I was in Japan for about 2 weeks."

と「日本を訪れていたのが」2週間ほどだということも付け足しました。

 

さらに、

"We(娘と私) live here."

と言いました。「観光」ではないので2週間アメリカに滞在するということではない、ということを暗に伝えて念押ししておこうと考えたのです。


How longときたら今後の滞在期間を尋ねられている!という考えが頭から消えなかったので…。

 

私がそのように言うと、係員は、

"I know. That's why I asked how long you have gone."

とあきれたように言いました。

 

私が気づかないうちに、コンピューターの画面に私のアメリカの住所でも出ていたのでしょうか。

それとも、このビザを使うのが2回目である=アメリカに住んでいる、という情報が出ていたでしょうか。

 

私としては、私たちがアメリカに住んでいる者だと係員が認識しているとは考えていなかったので、予想していなかった質問に動揺してしまいました。

(窓口に行ってパスポートを提示して割とすぐに質問されたので。)

 

外国人の私には、How long will you be staying?のように「どのくらいアメリカに滞在するのか」とアメリカでの滞在期間を尋ねるだろうと思いこんでいたために、引っ掛かってしまったのです。

 

頭の中に、「こうだろう。」「こんな感じのことを言われるはずだ。」などの思いこみがあると、それが相手の話を理解することを阻む要因になるようです。あれ?何か違うぞ…と思った瞬間から相手の話が頭に入ってこなくて、残りの部分の全て、または一部分、聞き逃してしまいます。思考が「あれ?」の方に向いてしまうのです。

 

もちろん、状況を想定して、ある程度このような内容のやり取りをするだろうと予想し準備をしておくことは大事です。

 

でも、それは、主に、「自分が話す内容について」の事前準備 / 心構えであると考えておくのが良いと思いました。

 

こう聞かれたら、こう答えよう。

 

そう準備しておくことは良いのですが、

 

こう聞かれるはずだ。

この質問がされるはずだ。

この話がされるはずだ。

 

相手の話の内容や、英語表現そのものをあらかじめ決めてしまうことはできません。

 

同じ内容でも、話す人によって言い方や表現の仕方が違うこともあります。

 

入国審査のやり取りについて出回っている例文は、あくまでも「例」であることを忘れてはいけないと思いました。

 

去年の夏のアメリカ入国審査もそうでしたが、今回もまた、反省すべき点のある入国審査となってしまいました。

(去年の反省から、今回は夫の職業に関することなどスムーズに言えるようにしていたのに、全くそれらについては尋ねられませんでした。)

 

去年の入国審査についてはこの記事で↓