ボランティアをするために
ASISTという二日間の講習会を受けた
(Applied Suicide Intervention Skills Training)
自殺の可能性がある人に気づき
声をかけ、話を聞き、
必要な支援につなげるためのトレーニング
講師は二人。
受講者は30人くらいだった
受講者は20代前半に見える人が多く
大部分が警察官になるための訓練中の人たち
アイルランドでは警察を「Police」ではなく
アイルランド語で Garda(ガルダ) と呼ぶ。
警察署にもパトカーにも
大きくGARDAと書いてある。
Gardaでは、このASISTの受講が
義務になっているようだ。
他には精神科関係のクリニックで働いている人
皆、何かしら仕事がらみでの参加。
無職なのは私だけ(笑)。
でも、仕事とは関係なくても受講できる。
誰かが自殺を考えている時
その人のすぐそばにいるのは
精神科医やセラピストではなく
家族や友人かもしれない
犬の散歩中、公園でふと目についた
思いつめた顔の人が、
「ここで誰も話しかけてくれなかったら
川に飛び込もう」
と考えているのかもしれない
ASISTを受講することで
そんな時の自殺防止のファースト・レスポンダーに
なることができるかもしれない
2日間の講習では
あらかじめ用意された様々なシナリオの
ビデオを観たりもするが
大部分は二つのグループに分かれての
ディスカッションとロールプレイ
その中で繰り返し言われたことの一つが
「自殺を考えているかどうかを訊く時は
回りくどい言い方をせず
きっぱりと直接尋ねてください」
Are you thinking of suicide?
こういうことは、私が医学生の頃も
研修医の頃も習わなかった
そもそも話題にしやすいテーマではないし
訊く方だって怖いと思う
自殺を考えている本人も、自分の思いを
うまく説明できる状態ではないかもしれない
自分自身が「自殺を考えている」と
はっきり認識していないことさえあるかもしれない
だからこそ、話すこと、話せることは
大切なのだと思う
そして、
「自分の話を聞こうとしてくれる人がいる」
と知ることも、とても大切なのだと思う
ASISTの目標は、その人が抱えている問題を
その場ですべて解決することではない。
まずは、その瞬間、自殺を思いとどまってもらうこと
私はつい、
「じゃあ、明日はどうなるの?」
「それでは一時しのぎじゃないのか?」
と先走って考えてしまう
でも、明日は違う日が待っている。
一日命が延びることで
何か解決の糸口が見つかるかもしれない
必要な支援につながるかもしれない
その一方で、講師の方から
何度か言われた言葉も印象に残った
「自殺することを心に決め
誰にも話さず実行に移す人もいます
何もできないケースもあるのです」
それもまた現実
自殺を考えている人が、24時間
いつでもコンタクトできる機関は
アイルランドでも何軒かありますが
外国語でサポートできる機関は少なく
日本でのサポートは期待できません
英語よりも日本語で相談した場合は
日本にベースがある機関に
コンタクトした方が良いでしょう






