かっこいい女(ひと) | That's where we are

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the Church of Broken Pieces
(アメリカ救急医の独り言と二人言)

昨年、急にテキストメッセージが来て

 

「来週末、そっちの方へ行くのだけれど

会うことはできるかしら?」

 

沖縄米軍海軍病院で研修していた頃

お世話になったドクターの一人

今はリタイアして、サウス・カロライナの西側で

農場に家を建てて住んでいる

同じサウスカロライナ内だけれど

なぜか、今まで会う機会がなかった

 

彼女と最後にあったのは、彼女の結婚式

オハイオ州の小さな町だった

もう、25年くらい前になるのかな...
 

沖縄にいた頃の彼女は、アメリカ人にも

基地内で働いていた日本人にも

とても人気があった

 

人種とか、言葉とか、文化とか

そんな物には全くとらわれず

米軍基地内のイベントにも

基地外のイベントにも色々顔を出していて

 

数年の沖縄滞在で、習字は玄人はだし

病院の周りをヨガマットを抱えて歩いているのをよく見かけ

基地内のゴスペル教会に私を連れて行ってくれたのは

金髪碧眼クルクル巻き毛の彼女だった

 

仕事中はその巻き毛をピシッとお団子にまとめ

扱いの難しい患者に姿勢を正して話す彼女

 

公私どちらの彼女もすごく格好良かった

 

大学を出たばかりの彼女の娘さんも

いっしょに我が家へやって来たのだが

 

「あなたのお母さんはね、私がそれまでに会ったなかで

一番かっこいい女性だったのよ」と言うと

 

「そう言った人、あなたが初めてじゃないです」

 

彼女は沖縄からアメリカへ帰った後

内分泌科のフェローシップ・トレーニングを受け

DCとイギリスに勤務

かなり高ランクでアドミニ系の仕事もしていた

 

「イギリスにいた時はね、靴をいっぱい買ったのよ

今の所じゃ、そんなの履く機会もないけどね」

 

ご実家の話を聞くと、インテリの家族で

いわゆるホワイトカラーの家庭で育ったようだが

どこでどう学んだのか、今は農場でトラクターに乗って

ニワトリを育てて有機卵を売りに行ったり

 

「これ、お土産。うちで育てた豚なの。」

手作りソーセージを持って来てくれた

 

コロナ・パンデミックの直前に豚飼育を開始

適当な大きさになったらお肉にするつもりが

パンデミックのせいで、お肉にしてくれる業者さんが閉鎖

その間に豚はかなり巨大になっちゃったらしい

 

「最近やっとソーセージにできたのよ。」

数年飼っていたけれど、名前は付けなかったんですって

名前つけちゃうと、ペットになるからねえ

 

臨床医学を去るのは悲しくなかった?と訊くと

時々ね、でも、私は自分の100%を

患者にあげられなくなったのが辛かったから、と

 

今も彼女はかっこいい

 

豚鳥豚鳥豚鳥

 

可愛い女性、綺麗な女性、頭の良い女性は沢山いるけれど

「この人、かっこいい!」と思う女性って

なかなかいないように思う

「恰好良い」が女性に対して最上級の形容詞でないと

古臭いバイアスが自分の中にあるのかも

 

あ、でももう一人、かっこいいな、と思ったのは

TV局のディレクターさん(だったと思う)

 

大阪には今宮戎という神社があって

商売繁盛の神様を祀っています

ここで「えべっさん」という三日間のお祭りが1月にあり

このお祭りを手伝う女性が50名の福娘

 

私は実家が大阪で商売をやっていたので

両親が毎年えべっさんに行って

福娘さんに、笹に吉兆(オーナメントみたいな物)を

付けてもらっていました

 

なので、私が福娘になったら親は喜ぶかもと

親孝行のつもりで応募したら受かりました

 

この福娘選考の一部がローカルのTVで

放映されていたのですが(今もやっているのかな?)

番組を仕切っていたディレクターがパンツ・スーツの女性

(もしかしたら、アシスタントの方だったかも)

 

大勢の若い素人の女性を、時間通りに動かすのは

大変だと思うのですよね

それをテキパキこなす姿は素敵でした

大阪弁で言うと「かっこええ人やったわぁ」

 

そういえば、大阪では今日えべっさんが始まるのね

 

大阪の手拍子って、ちょっと違うのですよね

これも、あのディレクターさんに教えて頂きました

 

 

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