アメリカの真ん中で | That's where we are

That's where we are

the Church of Broken Pieces
(アメリカ救急医の独り言と二人言)

 

インディアン居留地の病院で

働いてみませんんか?と

派遣会社のリクルーターから電話を貰った後

居住地のことを調べてみた

 

このインディアン居留地パイン・リッジは

アメリカに300以上に存在する居住地の中で

8番目に大きな土地を持つ大型居住地

 

それよりも、パイン・リッジについて語られるのは

(と言っても、これまで私も知らなかったのだが)

その高い貧困率(49%)

失業率の高さ(80~%)

低い平均寿命(男性47歳、女性52歳)

自殺の多さ(同じ州の白人の2.7倍)

アルコール依存症の多さ(85%の家庭)

高校中退する子の多さ(70%以上)

 

数字として見ると、ああ、そうなのか

そんな所にあるERで仕事をするのは

良い意味でも悪い意味でも難しいかな、と思ったが

 

フィラデルフィアでもunderservedと呼ばれる

いわゆる貧困率の高い地域で仕事をしていたので

貧しさとがんじがらめになっている問題を

医療従事者として目の当たりにしてきたけれど

パイン・リッジの社会経済的状況は

私の「知っている範囲」を超えていた

 

The Great Plains


北アメリカ大陸の真ん中で南北にまたがる大平原

そのだだっ広さは、感動を通り越して神々しくさえあり

その終わりがないような、ひたすら広がる平原で

制限速度65マイル(105キロ)の道を走っていると

胸がドキドキしてくる

 

このドキドキが、わくわくする期待感のドキドキなのか

こんな何もない所のど真ん中で、車が故障したり

事故にあったらどうしようという不安のドキドキなのか

 

パイン・リッジに住むスー族の言葉

ラコタ語だけを話す人がいた



ここはアメリカ合衆国のど真ん中だけれど

私が知っているアメリカではないのだと

ハッとさせられた瞬間だった