ドイツのイメージ、変わる | That's where we are

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the Church of Broken Pieces
(アメリカ救急医の独り言と二人言)

ドイツ・ハンブルク市内には美しい教会がいくつもあり

観光名所となっている

 

その中で、私が一番美しいと思うのは

第二次世界大戦のなか、1943年に行われた

イギリス軍によるハンブルクへの大空襲の際

爆弾投下の目印となった聖ニコライ教会

 

 

ハンブルクでは、この空襲のため

50~70%の建物が崩壊したが

この教会の尖塔は、黒く焼かれながらも形をとどめ

現在は祈念碑となっている

 

 
 

尖塔の中にはエレベーターが設置され

76mの高さまで登ることができる

 

敷地内の地下は、博物館になっていて

この博物館は、教会建設の過程と

大空襲前後の悲惨なハンブルクの状態を

知るのに良い機会となった

 

歴史を感じさせる美しい建築物が

あちこちに見られる現在のハンブルクからは

瓦礫の山だらけの焼け焦げた戦時中の町を

想像するのが難しい

 

 

爆撃受けたハンブルクとそこに住んでいた人たち

展示させた写真に付いている説明を読んでいて

違和感、というか驚くことがあった

 

ハンブルクの町は焼かれ、崩壊し

4万人の、主に民間人が亡くなった空襲だが

写真についている説明を読んでいると

 

ハンブルク市民がこれだけ犠牲になりました

でも、その前にドイツもイギリスを攻撃したのです

 

おあいこ、と言い切ってはいないけれど

こちらからあちらへも被害をもたらしました、と

何かとても控えめ、と言うか

一方的に被害者、というスタンスが全くなし

 

これは私だけでなく

夫も同じ印象を持ったようで

 

「僕が子供のころに読んでいたマンガは

スーパーヒーローが悪の組織と戦うストーリー

その組織は、ナチスの残党とかで

そんな悪者をヒーローがやっつけるのが定番だった」

 

第二次世界大戦中のドイツが行った行為に関し

現在のドイツが一貫して

謙虚な姿勢と反省を見せることに

夫は驚きを隠せないようだった

 

50年前の子供向けのマンガに植え付けられた

ネガティブなドイツのイメージを引きずるのも

何なのだけれど

 

もう一つ

 

ハンブルクは、落書きが多い

 

 

あちこちに落書きがしてあって

消すのが追い付かないのか

放ったらかしにしてあるだけなのか

 

でも、聖ニコライ教会の尖塔には

全く落書きが見当たらなかった