カタコンベにて | That's where we are

That's where we are

the Church of Broken Pieces
(アメリカ救急医の独り言と二人言)

人口過密となったパリの取った対策により
生まれたカタコンベ(地下埋葬所)
パリにあるものは採石場だったところに
いくつかの墓地から遺骨を動かしてできたそうだ
 
地下鉄ダンフェール・ロシュロー駅から地上へ出ると
小さな広場(ってヘンな言葉だな)をぐるっと囲んで
入場を待つ見学者の列
 
入場制限をしていて
「一回に入れるのはゼロから200人らしいわ」
と、後ろに並んでいたサンフランシスコからのアメリカ人
なんともアバウトな...
 
三時間、炎天下の中を待ちましたよ
 
らせん階段を下りていくと細長い通路

夏なので、涼しいくらいですが
冬は底冷えするだろうなぁ
 
通路を抜けると、ここから600万人の納骨堂
『止まれ!ここが死の帝国である』という意味だとか
ここから、側壁のほとんどは骨を積み重ねたもの
似たような骨を積み重ねて
その間に頭蓋骨を埋め込んである感じ
多分、欠けていて上手く収まらなかったりした物は
上の方へ乗っける形になったのか
もっとランダムに骨が置いてあるものと思っていたので
怖いとか、気味が悪いとかいう感じはないです
むしろ
 
遺骨をこんなアートにしても良いものか
こうなると遺骨という感じさえしない
もとの埋葬場所からここへの遺骨の移動は
聖職者に誘導された馬車でだったとか
それなりに敬意を払うみたいな感じではあったようだが
 
今や完全アトラクション化
 
キャッキャ♡言いながら
遺骨の前でニッコリ写真を撮る家族連れとか
頭蓋骨の頭頂に描かれた落書きを見つけた時とか
脱力感というか何というか...
 
パリの観光は何処へ行っても
入り口でバッグの中をチェックされ
金属探知機を潜り抜けるのだが
カタコンベでは出口でもバッグの中をチェックされた
 
地下で爆発物でも拾ってくるわけじゃないし
ナンでかな?と思っていたら
夫「骨を持って帰ろうとする輩がいるんだ」
 
えっ?骨って、人間の一部だよ
それも赤の他人の
 
展示されている頭蓋骨には1~2センチの
丸い穴が開いている物がいくつもあった
あれは、「触るな」と注意書きがあるにもかかわらず
指先でつついていく人が結構いるからなのだろう
 
壁や骨にあった落書きが
日本語でないことにはホッとした
 
どくしゃになってね…