研修病院の醍醐味 | That's where we are

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the Church of Broken Pieces
(アメリカ救急医の独り言と二人言)

また、雨になりました雨 雪じゃないだけマシかな。


今日はうちの救急部のホリデーパーティークリスマスツリーです。こういうイベントの際は、研修医を全員行かせてあげるため、エクストラのアテンディングが数名加わってERをカバーします。エクストラのうち1名が私。6時間だけ、夕方から仕事に行ってまいりました。


雨プラス金曜日のせいか、ショッピングモールがある四つ角で大渋滞車。5時からのはずが、10分遅刻しましたしょぼん 到着すると研修医達は既に去ったあとです。


「ごめんね~、おくれたあ~。」

「いいよ、いいよ、あんまり忙しくないから。いまディスポ(ERから退院=家に帰すか、入院させるか)が決まってない患者は僕が診るから、新しいの(患者ね)拾って。あ、ハイ、これ。」


3時からいた同僚が、カードを差し出しました。ダンキンドーナツのギフトカード。今はダンキンドーナツって、日本にないのかな?ミスドみたいなのです。


「何、コレ?」

「研修医たちから。今晩カバーしてくれるお礼って。」


ええ~っ!? そんな、気をつかってくれなくていいのに。普段、薄給で一生懸命働いてくれる(はず)研修医が、ホリデーパーティーに行くのは当たり前。たかが6時間、彼らの代わりにERをカバーするからって、何故そんなに気兼ねする?


研修医と仕事をしていると、何故このテストをオーダーするのか、何故薬Aではなく薬Bを使うのか、色々と言葉に出して説明する必要があります。確かに、説明できない「第六感」みたいなものもありますが(左矢印コレ、実は大切です。)日によっては、この「説明する」のが面倒なこともあります。一人でチャッチャとやっちゃった方が、断然早いことも多いし。


それでも、研修医たちが月、年単位で、時には週単位で成長していくのを見ていると、研修病院にいて良かったなあと思います。数年前、他の研修病院に1年間だけ移りました。翌年の研修医を決めるためのインタビューで、ずっと同じ店でウェイトレスをしているという医学生に会いました。他の医学生は「一回死んだ」とか、貧困の中で育ちここまでのし上りました、といったストーリーでインタビューをしていた他のアテンディングを印象づけていました。でも私は、この「同じダイナーでウェイトレス」がとっても気に入ったのです。


1)長期間同じ所で仕事=満足の行く働き甲斐だから解雇されない

2)ウェイトレスはいくつものテーブルのオーダー取り、配膳、片付け、支払いの受け取りetcをこなす=マルチタスク


彼女の自分を過大評価しない態度にも感心しました。最終的に、彼女がその研修プログラムにくることはありませんでした。でも今年7月、今の病院に帰ってきて2日目、


「あのお、どこかでお会いしませんでした?もしかして、あそこの病院で私をインタビューしませんでした?」


ウェイトレスの医学生、現在、うちの救急の研修医3年目。私の予想通り、とても優秀な研修医です。


そういえば、インターンの頃長々と患者のプレゼンをした後、

「何がどうなってるのか、さっ~ぱり分かりません!」

と、ニコニコしながらきっぱり言い切った研修医、4年目にはチーフレジデント(クラスの代表)になりました。


後進を作る、というと格好つけ過ぎになりますが、それが研修病院にいる醍醐味です、


抜かされないように、勉強するのはタイヘンですが。日々精進.ギフトカード、明日、返します。



   リビングにあるツリーを見ながら、ブログを書いています。