前回までのあらすじ
 
 
泥と羊の国スコットランドに引っ越してみた。
 
 
  
 
 
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さて、スコットランドに移住して
 
1ヶ月半位経ったある日のことである。
 
休日に部屋でゴロゴロしていると、
 
一階のモゥから、メールが来た。
 
 
「もん、ちょっと下に降りて来ない?話があります。」
 
 
この頃はまだ特に問題もなく
 
仲良くやっていた時期だったので、
 
一体何をやらかした私!!
 
と恐る恐る下に降りたところ、
 
二人分の紅茶を入れながらモゥがこう切り出した。
 
 
 
「もん。あなたがここに来て1ヶ月半ね。
 
先月の休暇にあなたが旅行に行ったのは知ってるわ。
 
でもそれ以外
 
あなた一度もこの牧場から出てないじゃない。
 
心配よ。」
 
 
 
確かに、休日と言えばずっと部屋にこもっているか、
 
せいぜい牧場内を散歩するくらいしか
 
したことがなかった私。
 
一度モゥが
 
車でグラスゴーに連れて行ってくれたこともあったが、
 
外出らしい外出はそれだけであった。
 
これまであの牧場で働いた若者の大半は、
 
休日は逃げるように
 
グラスゴーやエディンバラと言った都会で過ごし、
 
最終的に
 
「こんな何もないド田舎にこれ以上住めない!!」
 
と田舎アレルギーを発症して出て行った人ばかり。
(最短2週間で辞めた人もいた)
 
それ故、部屋から出て来ない私は、
 
モゥにとって一種の怪奇現象だったのだろう。
 
 
 
私 「いえ、特に今差し迫って買いたい物がある訳でもありませんし、
牧場を散歩するだけで満足です。
私自身元々が田舎者ですし。」
 
モゥ 「そうなの?私に気を遣ってるんじゃないなら良いんだけど‥。」
 
 
 
と言うのも、
 
当時の我が家の周りは見渡す限り牧場の敷地。
 
隣の村は徒歩数十分、最寄りの駅は自転車で1時間はかかる。
 
そのため外出時には必然的に送り迎えが必要で、
 
それを1歳児を抱えたモゥに頼むのは確かに少々気が引けた。
 
が、そもそも私は根っからの引きこもり。
 
旅は大好きだが、
 
ゴロゴロ出来ない休日など、私に言わせれば休日ではない。
 
何とかこの時はモゥには納得してもらったのだが、
 
相変わらずダラダラした休日を過ごしていた11月のある日、
 
再びモゥが私をキッチンに召喚した。
 
 
 
モゥ 「もん、分かったわ。マッチングサイトに登録して彼氏を作りなさい。」
 
私 「‥‥は?」
 
 
 
 
こうして、モゥの介入により事態は予想外の展開を迎える。