三河弁tonight |   EMA THE FROG

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今日、とある自転車屋さんに、修理をお願いしにいったわけです。空気入れをどれだけシュコシュコしても、なぜか後ろのタイヤだけ全然入ってかない。あ~なんかダメっぽいとか思って空気入れ取り外したら、ちょっとだけ残ってた空気までブシューとかゆって全部出ちゃって、ああ、こら自分じゃ直せんわ、と。俺、手先の不器用さには定評がある。

で、後輪ペコペコなんで乗れるわけもなく、重い自転車引きながら二十分くらいかけて自転車屋さんに。けっこう遠いさね。涼しくなったと言ったって、なかなかどうして。着く頃には汗だくですよ。で、修理受け付け窓口に行ったら、なんか、店員さんと客がもめとるわけです。経緯はぜんぜん分からんけど、お客さんの方がキレとって、「おまん口のきき方気をつけえよ」くらいの剣幕で、なかなか怒っとる。まあ、実はそのキレられとる方の店員さんは以前自分も修理お願いしたことがあって、たしかにちょっとぶっきらぼうな対応だったんだよね。相手によっちゃ、舐められとると感じても仕方ないかもしれん(なぜか今宵は三河弁丸出しですが、このままいく)。

で、そこそこなキレっぷりだったんでその店員も「はあ、すんませんです」みたいな、納得はいっとらんけどまあこんだけ怒っとるしなあ、みたいな感じで謝っとって、でも、話は全然進まん。ああ、こら時間かかりそうだなあとか思いながらボンヤリそれを見ていたんですが、こっちもちょっと用事があって(つってもプール行くだけだけど)、つうか用事がなくたって基本待つの苦手だし、ほか誰かいないのかなあとか思って、工房みたいなとこ覗いてみたら、いた。

なんか白髪のおじいちゃんが、黙々と作業しとる。
てゆうか、あの揉め事の真横で、黙々と作業しとる。
でもなんか、ちょっと苦しそう。
悲しんでる感じがする。
勝手な想像。

俺、よく分からんけど高齢者と子供には割とやさしい(そのかわり、それ以外の年齢には必要以上に厳しい。ここは考えてかんといかん。これから)。で、ああ、自分の働く店であんな揉め事があって、嫌だっただろうなあとか思ったら、なんか(一方的に)同情しちゃって。いちおう、「あの~作業中んとこ悪いんですけども」みたいな感じで話しかけた。「空気がね、後ろのタイヤだけ、入らんのですけども」つって。

したら、ニコニコしながら対応してくれるのな。「はいよ!」とかゆって。でもなんか、カラ元気な感じがするわけ。無理やり笑顔つくっとる感じがするわけ。で、俺はそんな気持ちをよくわかる気がするわけ。たぶん彼は、俺があの揉め事をずっと見とったことを知っとったんだろう。自分自身がすげえ嫌な気持ちなのに、俺に対して「悪かったなあ」という気持ちもきっとあって、自分のすげえ嫌な、つうか傷付いた気持ちを俺にぶつけるのは違うし、そもそも俺は客で、なるべく「いい店だなあ」って思ってもらいたいし。そういういろいろが重なった結果の、あの、複雑な笑顔だったんだろう。

オイルで真っ黒になった指先で、丁寧に俺のチャリ見てくれて、ササッと修理してくれて。ちなみにいつのまにかもめてた客と店員は、チャリ売り場の方に移動していて、修理工房は静かだった。

そのじいちゃん店員は、頼んでもないのに工房の中からオイルを持ってきて、俺のサビサビのチャリのいろんなとこに、差してくれた。「ああ~、こいつもうサビサビなんで、もう、いいですよ」とか俺が言うと、「いやでもね、できるところまでは、ね」とか言って。俺、このじいちゃん既に好きじゃん。だけど、ていうか、だからこそ、俺があの揉め事を理由に、じいちゃんに気を使ってるって思われたくなかったわけね。「じいちゃん、いろんな客がいるんだから、気にすんなよ」って俺は言いたかったわけだけど、それはじいちゃんにとっちゃ、ある意味じゃ一番言われたくない言葉なのかもな~、みたいな。

で、まあ、言葉もそんなに交わさず、修理代の300円だけ払って帰った、というだけの話。

あと関係ないけど、こないだ新橋のラーメン屋でラーメン食べとるときに、隣の席のおっちゃんと店員がもめとって。どうやら、客のおっちゃんは冷やし中華を食べとって、んで替え玉を頼んだ、と。で、その替え玉の麺を、冷やし中華用の麺じゃなく、普通のラーメン用の麺でくれ、と言っとるわけ。店員はそれに対して、「いや、それはできないんです」と。「冷やし中華に、ラーメン用の麺は合わんのです」と。おっちゃん、若干キレて、「合うか合わんかは自分で決めるがね。いいからよこせや」「いや~。すみませんけどできんのです」「なんでよ。ラーメン用の替え玉って商品はあるんだから、できないことないでしょうが」「いや~、すんませんけど」「なんでよ。おかしいじゃん」「すんませんけど~」みたいな押し問答があって。

結局お店側が折れず、おっちゃんはキレるというよりは「その理屈はおかしいじゃん」と首をかしげながら帰っていきましたけど。まあ、どっちもどっち、つうか、個人的には店側が主張を曲げんかったのはあっぱれ、とも思いますが、一般的には、そんな客そうそうおらんのだから、そこは臨機応変に、特例みたいな感じで、サラッと対応しとくくらいの感じでもいいじゃん、とも思いました。ん~。広告づくりもおんなじですけどね。客キレさせてまで、自分の案通そうとも思わんもん。ん~。でも、真の広告マンはそういうこだわりを持っとるんでしょうね。

まあ、そんな、ひとりごと、みたいな。