さきごろ、うっかり三十路を迎えました。
20代の頃より、むしろ元気になった気もするなあ。
いよいよ、思春期が終わるのでせうか。
モラトリアム期間が、延滞料金過多でブチ切れたんでせうか。
だってもう、かれこれ10年以上借りっぱなしだもの。
アメリカでお世話になった牧師のマイク(実は元アル中)は
こんなことを言っていたっけ。
「いいか、人生のパーティータイムは永遠じゃないんだぜ」
うんマイク。とても分かるよ、今ならば。
俺のパーティータイムは既に終りを迎えて。
それは正直、しばらく前から知ってたよね。
でも今、新しく分かることがある。
パーティータイムを終えたはずのマイク、
あなたがどうしてあんなに輝く笑顔をしていたのか。
どうしてあんなに優しい、深い目をしていたのか。
あんた、当時の俺には分かんねえと思って黙ってたろ。
パーティーは終わり、その後、何が始まるのか。
今はなんとなく分かるよ。
とにかく、パーティーは終わりだ。
散らかった酒瓶を片付けろ。
こりゃなんだろうな。
パーティーの次に用意された、
この、なんというか、
心地良くヒリヒリした時間は。
近視の人間がコンタクトを初めてはめたとき、
世界は濁って見える。鮮明に過ぎて濁って見える。
それと似ている。ちょっと違うけど。
まあ、リアル、ということだろう。
なるほど。パーティは幻想、三十路はリアル。
悪くない、どころか、ゾクゾクするぜ。