厄日。あるいは何千回目かの日常。 |   EMA THE FROG

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仕事自体はたぶん、決して嫌いなタイプじゃない。どちらかと言えば、好きな方だと思う。自分で言うのもなんだけど、責任感が強いし、期待以上の成果をあげようと自主的に努力するし、好奇心や向上心が強いから新しいものに対応したり取り入れたりするのが早いし、だいたいそもそもが、真面目である。

それなのに、なのか、だからこそ、なのか、僕は仕事において他人に対する優しさに乏しい面がある。たとえば、ある営業さんがやってきて、「この原稿どうしても明日の朝までに作って欲しいんだけど」と言う。ルール上、発注する期限は既に過ぎている。僕はブツブツ言いながらも、引き受けるだろう。そしてそこから全力で制作を始める。何時間も残業し、やっと納得のいく原稿ができた。ああ、やっと終わった。そう思いながら営業のデスクに行くと、彼は当然のように帰宅した後である、と。

こういうときの、僕の怒りの上昇具合はすさまじい。「スジが通ってねえじゃねえか」と思いながら青スジを立てる僕。そこは帰っちゃダメだろこのスカタン、鼻の穴から指突っ込んで目のところから出すぞバカ野郎。ルールを破って、発注しているわけだから、お前は、せめて、そこにいなきゃいかんのだ。

でも、そういうのが全然伝わらない人が、(僕からすれば)意外なほどたくさんいるのが「社会」なのだ。こういうことがある度、ほとんど毎回、僕は自分の方が間違っているような気持ちにさせられる。僕が彼らのことを理解できないのと同様、彼らは僕の怒りを理解できない様なのだ。「おいおい、また怒っちゃってるよ」みたいな空気を感じて、僕は自分だけがバカになったような気持ちになるんだ。「まあまあ、そんな肩肘はらずにさ」そんな風に笑って肩をポンポンとされたとき、僕はどう反応すればいいのだろう。


さあね。

分らない。分かりたくもない。僕はこれまで通り、向上心と想像力と信念を手に仕事を頑張るだけだ。僕がどう思うとか、彼らがどう思うとか、重要じゃないとは決して言わないが、いちばん大切なのは僕が作り上げる原稿のクオリティ。

知らんよ。他のことなんて。

あ~、今日は厄日だ。