FINAL FANTASY XIII は、キツイ。 |   EMA THE FROG

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すこし前から嫁がDVDレンタルの無限ループにはまっている所で、昨日の夜もまた、近所のエンターキングまで行ってきたわけです。話題になった『AVATAR(アバター)』や、約135万円という低予算で世界興収150億円を稼ぎ出しているホラー映画『パラノーマル・アクティビティ』や、なかなか興味深い作品が並ぶ中、ハンナをだっこした私は何気なくゲームソフトの販売コーナーへ。そこでふと目に入ったのが、FF13(中古)1780円!の文字。

FF13とは、言うまでもなくPS3ソフト『FINAL FANTASY XIII』のことで、ドラゴンクエストと双璧を成すRPGファイナルファンタジーの最新作です。2009年12月17日発売。これをプレイするためにPS3本体の購入に踏み切ったFFファンの数は少なくありません。かく言う私も、FF13とバイオハザード5のために本体を買ったクチです。

しかし、2009年12月と言えば、今だにプレイしている『Call of Duty: Modern Warfare 2』の発売が2009年12月10日。つまりFF13が発売されるちょうど1週間前に私はこの、暴力的なまでの中毒性を持った戦争ゲームを手にしてしまったわけで、オフラインをクリアし、マルチプレイをノリノリで遊んでいる間に、あれほど楽しみにしていたはずのFF13の発売日は無音で過ぎ去っていきました。

(なんて、本当はMW2のが絶対面白いと思って、FFの予約をあらかじめキャンセルしてたんですけども)

さて、それで一応嫁に「FF1780円で売ってるよ」と報告してみたところ、「あ、じゃあそっちにしようか」という事になり(嫁はFFをプレイしているのを「見る」のが好き)、MF2熱もそれなりに冷めてきたところでもあったので、FF13を購入して帰ったわけです。

で、さっそく1時間ほどプレイしてみたのですが……




激つまんね。




もうね、こんな開始早々これほどつまんないゲームもあんまりないですよ。いや、いいところもたくさんあるんです。ムービーはさすがにちょうキレイだし、プレイヤーが縦横無尽に動き回る戦闘シーンも悪くない。上界と下界があって云々、という世界設定も、壮大な物語が展開される期待感を刺激してくれて、なかなかだ。

しかし如何せん、登場人物たちのセリフが寒過ぎる。余りにステレオタイプ的というか、冷静沈着・無愛想で言葉少なな主人公、反対におしゃべりで楽観的なアフロの兄ちゃん、それくらいまでならまだ許せたが、ヴァニラとかいう女性キャラの登場で一気に醒めた。具体的にどういう事なのかと言われると、うまく説明できないのだが、「人志松本のすべらない話」の中でほっしゃんが披露した、ゴミ捨て場のおばさんの話を想像してもらえると分り易いかもしれない。「どっから来たんだろうねこの悪いカラスは」と言いながら、ほっしゃんのおでこを人差し指でツンとしたおばさんの話。

要するに、「そんなマンガみたいな事、リアルでするか~?キッツ~」という話なのだけど、つまり、ヴァニラさんという女の人は、常にこのゴミ捨て場おばさんみたいに、あまりに「キツい」言動を繰り返すのです。両手を腰に当ててフウとため息をつくとかさ、どんだけ。つまりこのゲームは、つまんないというより、「キツイ」のだ。あまりに恥ずかしくて画面を見続けていられない。あるいは、ドット絵だったファミコン時代なら許せたのかもしれない。キツイ・寒いセリフも、無機質な文字データとしてなら違和感なく受け入れたのかもしれない。ただ、哀しいかなそれが世界最高峰の美しいCGで展開される時、その見た目のリアルさと、あまりに非リアルなセリフ回しのあいだに、グランドキャニオンもビックリな大溝があるようにプレイヤーには見えてしまう。

アマゾンのレビューの中にも、私と同じような印象を持った人の意見がたくさん書かれていて、一言で言えば「シナリオが悪すぎる」という事みたいです。他にも「これはRPGじゃなくて映画だ」「一本道すぎてどうも」「登場人物にまったく感情移入できない」といった、厳しい内容が並びます。まだ1時間しかやってないけど、おおむね同意です。同意できちゃう。

こんな事なら、ちょっと気になっていた『NieR Replicant』の方を買うんだった。ゲーム画面の綺麗さはないけれど、シナリオに関しちゃ満点レビューがゴロゴロしてるし。

とにかく、FF13といい、バイオハザード5といい、私がPS3を購入する直接の理由になった両タイトルが揃って期待はずれだとはどういうことだ、という話でした。