映画 『天使と悪魔』 |   EMA THE FROG

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『ダヴィンチ・コード』で有名な作家ダン・ブラウン原作の映画『天使と悪魔』を見た。原作を呼んでいる嫁曰く「原作とはだいぶ違ってる」との事で、ちょっとWikiってみたら、<天使と悪魔 (映画)>という項目の中にわざわざ「原作および前作映画との相違点」という項目が立てられ細々と説明されていました。確かに随分変更されているみたい。「原作にあったものが削除されてる」ならまだしも、「原作になかったもの(人)が登場している」のはマズイような気がするけどなあ。

『ダヴィンチ・コード』は小説も読んで映画も見たので、今回も引き続き主人公であるロバート・ラングドン教授(トム・ハンクス)の事は知ってました。ただ、この主人公が『ダヴィンチ・コード』の主人公とは全く別の人間なんですよと説明されても特に違和感はないのだ。だってこのおっさんからは、暗号、歴史、象徴などに対する知識を除けば、あんまり個性が感じられないのだ。正義感もある、行動力もある、それは認めないではないけれどねえ。逆に言えば、ロバートさんはこの「暗号、歴史、象徴などに対する知識」を読者に提供する事こそが役割の中心なのであって、それが満足にできる人間ならば、別にロバート・ラングドンという人じゃなくてもよかったのかもしれない。小説はまた事情が違うだろうけれども。

さて、感想。一言で言えば、後半の「畳み掛けるようなぶっ飛び具合」が、面白かった。もうね、畳み掛け過ぎ。「2時間しかないんだ。映画は2時間で完結させなきゃならないんだ。ああでも、まだこんなにやるべきことがある。あと30分しかないのに!急げ急げ!多少雑でも、多少唐突でも、いい!急げ急げ!とにかく急げ!そして派手に!」製作者のそんな気持ちがヒシヒシと伝わってくるほど、後半になればなるほどその展開に落ち着きがなくなってきて、次々衝撃的な事実が明かされていき、人もバンバン死んで、それに併せて演出も派手に!視聴者が多少「?」となっても構わない。だって、映画は2時間で完結させなきゃいけないんだから!

ああ。感想書いてねえ。ええと、僕はもともと、宗教とか文化とかと絡んだミステリー(マヤ文明とか、ピラミッドとか、MJ12とか、そういうの)が好きなので、ロバート・ラングドン教授が随所で疲労する様々なうんちくに、「なるほど。そりゃすげえ」と素直に感心しておりました。また、次々登場するローマ(およびヴァチカン)の教会がとにかく素敵。どちらかと言えば日本的・アジア的な建築物に惹かれる僕ですが、いろいろな形をした教会、その中に飾られた絵や彫刻、そういうものに感動してしまいました。すげえな。イタリアーナ。すげえもん作ってたんだな。

物語そのものに関しては……う~ん、特にないです。さすがベストセラーの映画化だけあって(多少急ぎ足な印象はあっても)プロットはすごく練られているし、「一体誰が黒幕なんだ!?」と楽しく混乱させてくれる人物描写や伏線は周到だし、「うお!ここでこいつが死ぬか」みたいな驚きも随所に散りばめられていて飽きないし、そもそもイルミナティとか(詳しくないけど)好きな世界だし、そして最後の大どんでん返しも、確かに「やられた!」って感じだし、こうしてひとつひとつ挙げていけば超高評価を与えてしかるべきだと思うのだけど……。

ま、なんていうか、良くも悪くもハリウッド映画、っつう事で。すごく面白かったけど、もう一回見たいかと聞かれれば即答で「ノー」って言うみたいな。

いや。なんか何の価値もない感想文すねえ。ネタバレせずに書くこと自体に慣れていないのと、あと、そもそもそんなに興味がないっていうのが原因でしょう。ご勘弁。

そんな事より(そんな事とはなんだ)、今読んでいる『孤島の鬼』@江戸川乱歩がものすごく面白いです。もうすぐ読み終わるので、その時はもう少しやる気のある感想文を書こうと思います。