地球、公開   映画 『earth』 |   EMA THE FROG

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昨日の夜『EARTH(アース)』という映画をテレビで見た。『ディープブルー』『プラネットアース』等でそのドキュメンタリー映像制作のレベルの高さを証明したBBCが、5年の歳月をかけて撮影・編集、2007年に公開され大きな反響を読んだ作品。最近、宮沢りえが日本語版ナビゲーターを努める『オーシャンズ』のCMをよく目にするせいもあって、この手の映画に特別興味があったわけでもなかったが、何となく見始めてしまった。





結論から言うと、素晴らしい作品だった。ドキュメンタリー、特に動物や自然を題材とするドキュメンタリーと聞くと、例えばテレビで番組が終了した深夜に流される風景映像のようなものを想像しがちだ。BGM的というのか、こちらを邪魔する事もない代わりに、ゾクゾクするような感動は望めない平坦な映像。実際に見るまで僕の『アース』に対するイメージはそれと大差なかった。たくさんの動物や自然が、退屈な感じで2時間流されるだけだろう。そう思っていた。



しかしそれは間違いだった。すぐに僕は作品に心奪われ、それから2時間、ゾクゾク感動しっぱなしだった。求愛ダンスの舞台作りのために小枝や落ち葉を丁寧に掃除する極楽鳥、1対1では到底叶わぬ巨大な象をハントする「象専門ハンター」ライオン、水のある湿地帯まで2週間も歩き続ける象の群れ、セイウチの群れを前にしながら餓死するホッキョクグマ、餌場である南極大陸まで数千キロも泳いでいくシロナガスクジラの親子…。



こうして書けば、それは今までにどこかで目にした「退屈な」映像だと想像するかもしれない。ドキュメンタリー番組ではお馴染みの、珍しくもなんともない映像だと思うかもしれない。



でも、違うよ。これは違う。何が違うって、「ドラマ」があるんだ。そのドラマは、BBCの持つ最先端の撮影技術に後押しされ、その余りにリアルな感触を我々に投げかける。ライオンともみ合う象の足が巻き上げた砂埃や、ダンスの甲斐なくメスに振られたオスがジッと地面に落とす視線や、歩き疲れて朦朧とした小象がフラフラとぶつかる乾いた木の幹が、傍観者のはずの僕をその場面のまん真ん中に連れて行く。これは確かに「映画」だ。ドキュメンタリーではなく、ドキュメンタリー「映画」だ。世界のあらゆる所でこんなドラマが繰り広げられているなんて……想像するだけで気絶しそうだ。







という事で映画『アース』、最高。