1曲目、ポルターガイスト。ああそうだ、党大会ってこんな感じだった。というか班大会か。DVDで繰り返し見たそれは、こんなふうにオーケストラを従えて林檎ちゃんがマイク1本でパフォーマンスする。そういえば当時は椎名林檎はまだまだバンドのイメージがあったから、こういうジャジーな雰囲気は特別な感じがしていたな。今となってはこっちの方が彼女らしいと思うけれど。最後にセトリ記載してみたが、今回本当にカルキ祭といったかんじで。誰が言ったか知らないが椎名林檎の三部作(無罪・勝訴・カルキ)においては、今となってはやはりカルキが最も本来の彼女らしさが出た作品なのだろうと思う。
で、私ははやくも3曲目で泣きました。カプチーノ。2017年にセルフカバーされた曲、だけど、私にとってはもっともっと昔の思い出が蘇る。当時、林檎ちゃんが歌う曲だけでなく提供した曲まですべて聴き漁っていた私。ともさかが歌うそれもよかったけど、私が当時聴いたのはどこかのインストアライブで歌っているらしい彼女の音源だった。それが本当にぶっきらぼうで、音質のせいかザラザラしていて、ギター1本で歌っているそれが本当にかっこよかった。そんな記憶が蘇って、この曲のあとにつづく茜さす帰路照らされど…も勿論良かったんだけど、私は既にカプチーノで涙していたんだから同じような人が会場にいたなら全力でハグしたいところだ。つづく少女ロボットも同じ。これはもう2000年リリース当時ハチャメチャに聴いていた。私、もうセンチメンタル過剰。
何が言いたいかって、やっと昔の曲をやってくれたねという感慨です。ここ数年のライブではとくに、なんだか不完全燃焼なところがあった。全て古い曲をやってくれというわけじゃない、ただ、あのころの曲を本当にやらなくなってしまったから。もう少し無罪や勝訴やカルキから聴かせてくれないかとずっと思っていた(丸の内や浴室以外で)。なにか理由があるのかなとも思うけどそのへんは分からない、ただただ私は、それが寂しかったんである。だって私はその時代に支えられた世代だからだ。
今回も思ったんだけど、一部の観客がTOKYOでえらい沸く。イントロから沸いてる人がいる。それを聴いて思うのが、多分いま椎名林檎のファンは3層くらいに分かれていて、ここ数年でファンになった御新規(若年層が多数)と10年前くらいにファンになった中層。そして私のように化石みたいになった古参。それぞれの層で沸く曲が違うんだと感じる。そしてここ数年のライブは、中層が沸く瞬間が圧倒的に多かったように思う。林檎ちゃんももう生理用品投げるとかしないし、中指なんて立てたことございません!みたいなエレガントレディになってしまって客もキャーキャー言うてるし、なんかあのそれってそんなかんじでしたっけ?!みたいな気分になってしまう古参は私だけなのでしょうか?もしかして女史、あのころの音楽をなかったものにしようとしてるんではないか?そんなことがよぎってしまう私なんである。
そんな折、今回のセトリです。前回の景気の回復も違う意味でよかったけど、今回は誰かをプロデュースする要素はなく、100パーのどセンター。もう涙なくして見られないではないですか。そう、私、これをずっと観たかったんです。聞こえて来る曲の数々が、私の人生でした。大袈裟に聴こえるかも知れないけど本当のことで、その曲のイントロを聴くだけであの頃にタイムスリップする感覚。西暦も、季節も、何していたかも、時には部屋の空気感や匂いまで思い出せる。そんな瞬間が今回は沢山あって、ああ私のアイデンティティはこの人によって作られたところがある、と思いました。あわせて、林檎ファンだった親友との思い出もこの人には重なる。彼女が居たならなんて話しただろう。やっぱりこの人なしではあの思春期も青春も、今の私もいなかった。そこまで思います。それほどに私はこの人の音楽を聴きすぎたし、考えすぎたし、好きでした。書きながら重すぎてやばいなと思う。でも本当なんだから困っている。
本編ラストの旬。これも本当にそれで、あの頃がまざまざと蘇った。そして、生きて/生きて/活きて居よう、と歌ってくれた時。ああこの人はいつの時も愛を歌ってたなと思った。今回のセトリは「ラブソング」で構成されてると序盤アナウンスされたんだけど、この曲もこの曲もそうなのか!と意外に思うものがある。ほれたはれただけがラブソングではないのだと思い知る。
ここまで書いて実に重苦しいレポというよりか思いの丈になってしまったので、最後は俗っぽく、女史の可愛かった部分を記録したい。
・短いMCにて。
「と言っても、遠方の方もいらっしゃいますもんね?」
(会場なんとなく無言)
「……あ、そうでもない?!全員福岡の方でいらっしゃる?!」
(会場、各地の名前を叫ぶ)
「(収集つかず、両手を突き上げて)………きんしゃいっ!!」
・どの衣装もそれぞれ大きくイメージを変えまさに4変化といったかんじで良かったけれど、個人的にはアンコールの姿が一番好き。MCの流れからというのもあるけど、この時が衣装も表情も立ち居振る舞いも、最も飾らない無邪気な林檎ちゃんですこぶる良かった。
・vivisionのグッズも無事買えた。児玉監督が直々に高性能ボールペンの商品説明してくれて即決したチョロ客です(使いこなせない気がする)。纏う雰囲気が柔らく素敵な方でした。買った靴下はよく見たらメンズでした。履くけど。
ああ、いい党大会だった。
1 ポルターガイスト
2 おいしい季節
3 カプチーノ
4 茜さす 帰路照らされど…
5 少女ロボット
6 化粧直し
7 Cry me a river
8 秘め初め
9 SI・GE・KI
10 おこのみで
11 迷彩
12 錯乱
13 薄ら氷心中
14 Take five
15 TOKYO
16 Between today and tomorrow
17 覚め醒め
18 至宝
19 パパイヤマンゴー
20 松に鶴
21 公然の秘密
22 赤道を越えたら
23 マ・シェリ
24 旬
en.
25 STEM
26 ジユーダム












