本が好きです。小学校のころ私はなぜか図書室に通い、読んでは借り読んでは借りを繰り返していました。本が好きという自覚はなかったんだが(たまごっちとかスーファミとかの方が好きだった)、図書室の本を借りた数ランキングみたいなやつはいつもベスト3圏内でなんなら1位競い合ってた記憶なので、それってつまり好きだったんだと思う。てことで、休みの日に何やってるのと訊かれたらカフェで本を読んでると言いはじめてる。今まで好きなのは音楽だと言い続けていたけど、ギター弾くのより本読んでることが多いし、本当に好きなことって自覚がないことなのかもしれないと気づいた。今近所で数々の古本や新書、文庫、詩集などの集まった読書好きには堪らないポップアップが開催されていて、やはり私も通りがかると入らずにはいられなくて、連日ちょこちょこ買ってしまっています。先日買ったのは「るきさん」という漫画。

 

 


私は基本的にジャケ買いをする。誰が書いてるかはあまり興味がなくて、有名無名も気にしない。本を選ぶ時はとくに直感を大切にしていて、パラパラとめくった時に目に入るものから得られるいい感じ・嫌な感じを見て決める。だからKindleを買ってもなお我が家には紙の本が増え続けるわけですが、この私の直感というのが正しいことをこの本で確信させてもらいました。なんやこれ!!!超好き!!!




平成初期にhanakoで連載されていたというそれは、おそらく30代半ばくらいのるきさんという独身女性の日常が描かれたオールカラーの漫画。ちゃちゃっと仕事して、ちゃちゃっとご飯作って、好きな空間で眠る。贅沢してないけどきっと貯金してるし自由気ままなその暮らしぶりは素敵としか言えない。るきさんの友人・えっちゃんも同じく主役といっても過言でない。るきさんよりは俗っぽくて、オシャレなえっちゃん。でこぼこっぽいけど親友みたいに気が合う2人のなんてことないやり取りがまた良い。るきさんらしい余韻の残る最終話なんてもう、天才としかいえなかった!




このブログには昔のトレンディドラマの感想だとか、あと2000年に放送されたお見合い結婚が好きだというのを何度となく書いているんですが、私が平成初期の若者の日常を見るとときめいてしまうのって今の時代にない生き方やカルチャー、あと日々の楽しみ方やその時代ならではの視点が見られるからだと思っている。私も当時生まれてはいますけども、ガキンチョだったので自分の身体では体感していなくて。たとえばるきさんが年賀状のハガキを厚紙で自作したり、切手を選んだり、書き初めをしたり、障子を張り替えたりって、今じゃもうやらないわけ。有線の黒電話をギリギリまでひっぱってえっちゃんと話すなんてシーンもありえないわけ。お見合い結婚での節子もそう。家にある電話で光太郎とやり取りしてるし、健気に家の前で待ち伏せなんてしちゃうわけ。今のドラマじゃもう描かれないような狭くて煩雑とした天井の低い部屋も、なんかすんごい私はときめいちゃうわけです。




るきさんについて色々と調べてみたら、数年前になにやら企画があっていた様子。2021年に60歳ということは、今は64歳のるきさん。逆に言えば、連載当初の88年は27歳だったということ。いや、若!!!!これってあれよね、サザエさんが実は24でしたみたいなあの感覚…昔ってやっぱり何事も早熟というか(使い方が違うが)。お見合い結婚でもそうだったけど、今より10年くらい歳とるの早かったんやないかな。るきさん、これは何度でも読んでしまうな。土日の朝はきっと繰り返しこれを読む。