昨日は、所属する趣味のクラブの会合で、
他のメンバーの妊娠出産体験談を色々と聞けて
楽しかったということを書きました。
実は、この日の会合では、
思いのほか面白い展開があったので、
ここに書き留めておくことにします。
スイスの政治には、「直接民主主義」という大原則があるのですが、
これは連邦政府や地方政府の行政だけでなく、
地域のクラブ運営にもあてはまります。
つまり、クラブの会合で決定される事項は、
全て「メンバーの多数決」によるのです。
この日の会合のお題は「クラブの新しいユニフォームを決める」でした。
ユニフォームのメーカーと形とジャケットの色については、
すぐに全員一致で決まったのですが、
シャツの色で意見が真っ二つに分かれてしまいました。
シャツの色は全部で4種類ありました。
1. チャーコールがかった紺色
2. オレンジがかった赤色
3. もみの木の葉のような深緑色
4. ミルクチョコレートのような茶色
最初の多数決では、
男性陣は全員、シャツの色は紺色がいいと主張し、
女性陣は全員、シャツの色は赤色がいいと主張しました。
この日は、女性が男性よりも1人多かったので、
単純多数決だと「赤色で決定」のはずでしたが、
男性陣は「赤色は男が着るとアグレッシブすぎる」などと言って、
断固反対の姿勢を崩しません。
1人の若いお父さんなどは、多数決に参加した小学生の娘に、
「なんでお父さんと違う意見なんだ!」と怒り始める始末。
(本人は冗談っぽく言っていたけど、目は本気だったかも....)
そこで、議長さん(男性)は、
「男性は紺色で、女性は赤色ということにしましょうか?」
と妥協案を出しましたが、
「クラブ全員が同じ色でないとおかしい」という意見が多数噴出したため、
その案は流れてしまいました。
すると今度は、一番年配の長老的存在のメンバー(男性)が、
「こんなに揉めるなら、緑か茶色で再度多数決をとってみたら?」と言うと、
若手メンバーの一部が「そんな地味な色は問題外!」と猛反発。
その結果、どうなったかというと....、
これらの様子をじっと黙って見守っていた副議長さん(女性)が、
「多数決で赤の方が多かったと言っても、たった1票差だったものね。
女性の中で、どうしても紺色は嫌だっていう人はいるかしら?」
と、その場で女性陣だけの多数決をすみやかにとって、
「どうしても紺色は嫌だ」という人が1人もいないことを確認すると、
「それでは、シャツの色は紺色に決めましょう。
男性メンバーは今年、クラブハウスのフェンスを作り直したり、
森の木の伐採に精を出してもらわなくてはならないから、
ここは男性に意見を譲ることにしましょう。
そうそう、BBQの準備と後片付け、芝刈りも大変だからね!」
と言って、全ては丸く収まったのでした。
この日、
「スイスの直接民主主義」と「スイス式男性操縦法」を
身を以て体験することができたような気がしました。
スイスって1971年までは、連邦レベルで女性に投票権がなかったほど、
西ヨーロッパの中では「男尊女卑」の著しい国だと思われがちだけど、
スイス人女性は「したたかに男性(夫)をコントロール」しているようです。
ミニアイちゃんが生まれたら、
夫の操縦法がますます重要になってきそうだから、
いい勉強をさせてもらったわ!
