と、エステルに話したら、
「そういうときは、ジンジャーがいいのよ」
と言って、ジンジャーキャンディを持ってきてくれました。
味はショウガの香りが強いハーブキャンディーという感じで、
歯触りはグニャと柔らかくて、キャンディーとよりは、
ターキッシュディライトのようでした。
キャンディーの箱は、ドイツの古い菓子箱によくあるような、
からし色の上品なデザインのパッケージでしたが、
原産国をみると「中国」と書いてあるではありませんか!
エステルには申し訳ないけれど、
「今は大切なときだから、中国製の食品はあまり食べたくないの」
と言うと、
「えっ、中国製の何がいけないの?」
と聞いてくるので、
日本でよく報道されているような、
加工食品への毒物混入事件のことや、
農作物が汚染された土壌で大量の農薬を使って生産されている可能性が高いこと、
プラスチック製品の塗料には重金属が大量に含まれていること、
中国から輸入された医薬品でヨーロッパでも死者が出ていることを説明しました。
すると、
「本当?私の周りでは中国製のものを食べてお腹をこわした人なんていないわよ」
と困惑するエステル。
私は周りに被害者が出てからでは、遅いと思うんだけど....。
本当はね、スイスの新聞でも、時々、
中国製の食品や医薬品の危険性に関する記事が、
小さいけれど載っているのよ。
でもスイスの人って、スイス以外のことにあまり興味がないことが多いから、
遠いアジアの国に関する記事なんて読み落としちゃうのかな?
あっ、でも、今日のNEWS(フリーペーパー)には、
スイスのネスレ社が香港で生産している乳製品に、
メラミンの混入された牛乳が使われていた疑いがあると、
書かれていたわよ。
だから、中国製の食品にスイス人が敏感になるのも、
時間の問題かもしれないわ。
もちろん、ネスレさんはその可能性を否定していますけど。
それにしても、
この中国産のジンジャーキャンディ、
気の置けない友人じゃなかったら、
ただ「ありがとう!」ってもらって、
残りはゴミ箱に捨てておしまいだったんだけどね。
嘘でも喜んだふりをしていたら、
もっと沢山のジンジャーキャンディーを持ってくると思ったから、
エステルには、正直に思っていることを話しました。
エステルは家に帰ってから、
中国製の食品や医薬品の事故に関する記事を色々読んだらしく、
「今度はスイス製のジンジャーキャンディーを持っていくわね」
と、メールをくれました。
友達だから、きっとこれで良かったのよ。