道具のアップデート、大切! | イラストで綴る日常

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こんにちは、イトウエルマです。

 

今の世はあらゆるものが進化しているなあ、
と感じる今日この頃。
機能性衣類に驚いたり
色んなことがアプリでできたり。


しかし、進化は日用品だけではない、
レトロな道具の世界にも及んでいたのでした。
 

それは水彩絵の具で、研究者や職人が鉱物などを練り上げて作る

錬金術のように古典的な世界なのですが、

実は少しずつ、新しい色が生まれ発展していたのです。

 

仕事道具でもあるのに、
このジャンルをほったらかしにしていたとは。

……ダメですね、自分ドクロ汗

気づきのきっかけになったのは、

オークションサイトでの絵の具の購入。

パレット上の、頻繁に使う色が少なくなって来たのですが、

買いに行くの面倒だなー、と思っていたその頃。
なんとなく、ネットのショップを覗いたり

オークションサイトを見てみたり。
その折に水彩絵の具の投げ売りをしている方がいらっしゃいまして、

そちらをゲットしたのでした。
ベルドンッよっしゃ〜ドクロ音譜

投げ売りだけあって、全109色のうちのどれかの色です、
色を書きだすのも面倒だから写真を見て判断してね、
という体での出品。
つまりこちらの欲しい色が入っているかは

届くまで分からない訳でして
宝くじを買うような気分での購入なのでした。

一か八か!ドクロ爆弾ドンッ


それで、届いた絵の具はというと、
通常のセット(MAXで48色)に組み込まれるような定番色はあまりなく、
言ってしまえば手引書などに出て来る使い方の指導にはない、

聞いた事もないような色ばかり。

当然、当方の欲しかった色もなかったのですが、
まあ、似たような色があればそれ使お、といういい加減な己。
だからこそ投げ売りに手を伸ばせたドクロ音譜

しかし、色出しをして気が付いた。

こうした馴染みのない色こそ、面白い色がある!

定番色では出しえない色味や、こだわる人へのニーズに応えられる、
単品で売られる価値ある色が定番以外の色なのでした。

 

 

これを実際に使って唸ったのが、おそばに乗せられるわかめの色。

(立ちそばではデフォでワカメが乗ることが多いのです)

 

それまでの日々の立ちそば日記では

黒や緑や色んな色を混ぜてわかめを描いていました。

 

以下の「肥後一文字や」さんのおそばのイラストにあるのが

混色で作ったわかめの色。

わかめ、と言わないと分かんないかもドクロ汗

このぐちゃぐちゃした物体を描くのに

実はものすごく苦労して時間をかけて描いていました。

 

(だからわかめの乗ったおそば、食べたくない!

わかめなんかいらな〜い!!

と思ったこともしばしば 笑)

 

で、この度手に入れた

ペリレーングリーンという色。

(2017年のカタログに新色、と紹介されてました)

ドンズバでわかめの色だった!

混色しなくてもよくて、単一顔料だから濁りがなくて透明感もある。

ここに少々他の色を混ぜても透明感をキープできる!

(つまり時短に貢献して、仕上がりも上々なのです!!)

 

ペリレーングリーンを使ったわかめはこちら、

「神田 一久」さんのおそばをご覧下さい!

春菊天の手前の隙間に見えるのが、わかめ。

絵の具を乗せた瞬間からわかめになってくれるのが

ペリレーングリーンなのですよ。

これがどんなに楽か、時間の節約になるか。

おかげでわかめの表面の光の反射も表現できるようになりました。

自己満足!?ドクロあせるでもわかめにかける時間は圧倒的に短縮されたのです。

陸を歩いていた亀が水中に放たれたときのように、

わかめがスムーズに描けたのです!

 

ペリレーングリーンの絵の具はこちら!

 

 

 

今ではおそばにわかめが乗ってると

素直に嬉しくなります♪

美味しいしイラストして楽しいしドクロラブラブ

 

その他、おそばのおつゆ部分も、新しく手に入れた絵の具、

キナクリドンゴールドとペリレーンマールン という絵の具のおかげで

それまでは出せなかったお江戸的なおつゆ色が表現できるようになりました。

 

 

 

 

東京のおそばのおつゆの深みと透明感を出すのに

ものすごく大きな力を発揮するこの2色。

春菊天のおそばの丼のおつゆの色でお分かりいただけますか!?

お前にしかわかんね〜ですかねドクロ汗

 

キナクリドンもペリレーンも顔料としての歴史は浅く、

聞き慣れないがために自分判断なら絶対に手を伸ばさなかった絵の具。

この度使って初めてその素晴らしさを発見できました。

偶然のくれる出会いって大切!ドクロキラキラ

 


これまで仕事だと時間との勝負なので

考えもなしに使い慣れた絵の具でちゃっちゃと描いてしまっていた己。

 

それ、思考停止だね、と思われるかもしれませんが、ちょっといい訳させて下さい。

印刷だと色は、モノによってはガラッと変わっちゃうのですよ、

特に高い絵の具にはそれが顕著でコバルトの青は元の色が出ない!

(ひどいくすんだ色になる!!)

そういう色はフォトショで調整して印刷で出る色に近づけます。

ですが、忙しいときにはこういう作業さえも手間なもの。

それで、そもそも色の調整が必要になる絵の具を使うのやめようね、

印刷で映える絵の具を使おうねというのがお仕事の現場。

(色褪せが激しいカラーインクやコピックが多用されるのはそういう理由。

デザイナー、イラストレーターが画家さんの嫌うオペラローズを使うのも同様の理由)

 

仕事で絵の具にこだわり見せてもムダ、

(それより早く仕上げろよ、プロが問われているのはそこ)

みたいなのが実際なのでした。

お前はアーチストじゃないだろ、とドクロあせる

 

いろいろありますが、結局のところ私は水彩が好きなのでした。

 

印刷の現場やあらゆることが

過去のまんまであるはずはなく、

今の常識がそもそも正しいかも分からない。

お仕事のイラストにも秘かに色んな絵の具を試し中です。

ウシシドクロ音譜

 

おそばのことを考えたり絵の具のことを考えたり。

毎日楽しいなあ!