教文館と松屋銀座の絵本展をはしご | イラストで綴る日常

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こんにちは、イトウエルマです。

 

 

「ちいさいおうちのばーじにあ・りー・ばーとん」

(絵本「ちいさいおうち」の原画展)

 

と、

 

「MOE 40th Anniversary 5人展」

(島田ゆか 酒井駒子 ヒグチユウコ ヨシタケシンスケ なかやみわ 原画展)

 

を見に、夕刻に銀座に行きました。

 

まずは、「ちいさいおうち」の原画展をやっている

教文館の9Fへ向かいました。

 

建物のエスカレーターは2Fまで、

そこから先はエレベーターを使って上がろうと

上に上がるボタンを押して

エレベーターが降りてくるのを待ちつつ

横を見ましたら、上に続く階段があって、

それがなんともレトロでエレガントな雰囲気を醸し出しておりました。

 

あれ、教文館って、こんなに古い建物だったの?

(実は昭和8年竣工、アメリカ人の設計によるビルだそうです)

こちら

 

その、在りし日の気配に魅せられて、階段で上がってみました。

(飽きたらそこからエレベーターを使えばいいんだし

……で、結局は上りきりました 笑)

 

階段は、なぜかシンメトリーに2つに分かれて配置されており、

(上に行く人、下に行く人がぶつからないように

方向を分けたのだろうか?

それとも、偉い方とそうでない人は

使う階段が違ってたりして……

などと勝手な想像をしつつ)
階を上がっていくと、
聖書を専門に置いてある階があったり、
キリスト教の国の雑貨を取り扱う階があったりと
それまで料理本コーナーしか知らなかった
己の知らない教文館が見えまして、
ついつい足を止め、
見たことのない世界に引き込まれていたのでした。

しかし、ここで気付く。
今日は絵本展をはしごしようとしている、
(そして)時間はあんまりない!!

 

 

あわてて9Fまで上りまして、

「ちいさいおうちのばーじにあ・りー・ばーとん」をやっている

ウェンライトホールに向かう。

建物全体に漂うキリスト教的なアットホームさに通じる、

手作り感溢れる入口と、おっとりしたスタッフのお出迎えで

原画展に入場しました。

 

さっそくバージニア・リー・バートンの原画や、

彼女の工房のテキスタイルやパネルを見てまわる。

(バージニア・リー・バートンは説得力のある言葉を持っている人で

例えば、本当に美しいデザインは流行に左右されない、など

注釈を読む人をはっとさせます。この人の言葉集が欲しいくらいです)

 

そして、絵本「ちいさいおうち」の原画コーナーにやってきた♪

 

 

原画が全部やってきているわけではないんですよ。

一部だけ。

でも、本書きに入る前に試行錯誤したラフもいっしょにあって、

作家がこの作品をつくるまでやったあれこれを見られるのは

とても興味深いことでした。

筆のタッチを生かした水彩画だけれど

ラフな感じがしない理由は

かなり細い線を丁寧に描いているから。

自由さと緻密さが生かされた

温かみのある可愛らしい絵でした。

 

ところで、原画と印刷物は色がかなり違いますね。

当時は原画の色や細部の再現度が低く

(ピントが合っていない印象とも言える)

そうして出来た印刷物には独特な雰囲気や味が出ていて

それもまた悪くないなあ、と思ったのでした。

 

お客さんは年輩の男性ひとり客とか、

女性のお客さん(年齢さまざま)といったかんじ。

それほど混んでいるわけでもなく

貴重な作品をじっくり落ち着いて見られて

充実の時間を過ごしました。

 

 

それで、今度は松屋の8Fに向かい、

人気の作家さんばかりが集められて開かれている絵本の原画展、

「MOE 40th Anniversary 5人展」

の会場に入る。

(さきほどの、「ちいさいおうち」の

原画展の半券を見せると100円引きで入れます。

入場チケットはいずれも800円です)

 

さて、今をときめく作家さん方の絵はというと、

とにかく完成度が高い!

 

やはり印刷原稿の再現度が上がって、

絵に求められる精密さもかつてと同じではない!?

 

……と考えて、いや、

一流というのは、人並では全くないのだろうなと

思い至りました(汗)

 

島田ゆかさんの絵はとにかく、緻密!

細部に至るまで線はブレもなく描かれており、
平塗りはキレイにむらなく塗られているし

 


酒井駒子さんの原画は実はかなり小さく、
こちらも美しい。

 

 

ヒグチユウコさんの絵の細かさは言うにおよばず
線ひとつひとつを丁寧に描いていらっしゃる!

 

 

なかやみわさんは、子供っぽい雰囲気で描いているようでも
絵の丁寧さ、グラデーションやはみ出しのなさは匠の技!

 

 

ヨシタケシンスケさんも絵が小さい。

そして、線をすこしも修正をしないで描き切っていらっしゃる。

 

 

で、ヨシタケさんの展示で引き込まれたのが、
マンガ的文字の卓越した配置と、

優しく楽しいコミックエッセイ的感性。

 

無理矢理な構造でコマを運んで読ませる一連の報告
(「ボローニャ探訪記」、「絵本作家になるには」、「ヨシタケシンスケ自己紹介文」)などを、
一枚の紙に書いているのですが、
ほのぼのとしたコメントの中に大人的本音をおりまぜ、
それが毒というにはきつすぎない感じで、

ぐいぐい読まされつつも、

ほんわかとした気持ちにさせられて
なんとも心地がよいのでした。

 

ちょっとね、己の仕事的にも

学ぶ事がかなりありましたよ。

いい仕事をせんといかんな、と。

こんな風に、優しさをもって

人を楽しませないといかんな、と。

 

さて、こちらの絵本展は

女性のお客さんが多い!

それも、圧倒的に多いのは

女性ひとりか、女同士の方たち。

 

カップルとか、お子様と一緒の方も

いらっしゃいますけどね、多くはない。

(というか、ほとんどいない)

午後7半時すぎ、お夕飯時ですからね。

お家でご飯か、お夕飯をどこで食べようか、

など考えているのでしょう。

 

ということで、乙女たちと

場所をゆずり合いながら、

じっくりと絵を見ておりましたら

あっというまに時間は経つもので、

閉店時刻を迎えたのでした。

 

すぐ隣で開催中の

「ウォーリーをさがせ!展」も見たかったのですが

「MOE 4th Anniversary5人展」は

簡単にはその場を立ち去れないだけの力がありました。

やはり原画は見応えがありますね。

 

また機会を改めて、

今度は教文館の各階をじっくり見物&

ウォーリーを見に行こうと思います。

 

いずれも、5月7日までやってますので、

連休に銀座にお出かけの方、

絵本がお好きでしたら、

足を運んでみてはいかがでしょうか。

(おすすめ!)

 

さて、この後は打ち合わせがありまして、

その前に立ちそば店で腹ごしらえをしていきました。

時間のないときに、美味しくさくっといただけて

立ちそばはほんとうにありがたいです。