こんにちは、イトウエルマです。
お笑い芸人さんが海外で活躍するようになって
わくわくしますね♪
先週、シューマッハがAGT(アメリカズ・ゴッド・タレント)で
ゴールデンブザーを獲得されました。
お笑いタレントでは初めての快挙だとのこと。
ですが、お笑い業界には疎い己、
シューマッハ!? (聞いたことない人たちだわ)
とスルーしていたのです。
それが、私の大好きなAbema TVの
「アベマプライム」という番組でExitのりんたろー。さんが、
「シューマッハが僕の結婚式の余興であのネタやったら全然受けてなくて」
と、会話に唐突にぶっこんでまして、
その言葉に強烈なジェラシーを勝手に感じた己は、俄然
シューマッハのネタに興味を持ったのでした。
(よく考えるとりんたろー。さんはジェラシーではなく、
シューマッハを盛り上げようと話題にされたのかも。
結婚式で余興をお願いするくらいなので、
応援したい芸人仲間なのでしょうし。
スルーしてしまえばいいのを
わざわざ話に入れ込んでくるくらいですものね。
このように、ちょい下げて話す方が
人に気にしてもらえると判断されたのかと)
というわけでAGTのyoutube、見ました。
うん、面白い。
こちら
ネタも面白いけど、審査員の反応や番組の切り盛りの仕方にも
エンターテイメントの国らしさが光ってまして、
AGTという番組のあり方についても考えさせられました。
以下はネタと審査員や観客の反応をご覧になったこと前提でお話しを進めますので、
ぜひAGTのyoutube、ご覧ください。
(英会話もすごくわかりやすいので、ぜひ!)
だいたい7〜8分です。ネタだけでなく、審査員の様子にも注目!。
むしろ審査員の反応こそがこの番組の真骨頂です。
また、記事の内容は全て私の完全な主観です。
こんな考え方もあるのか程度にお楽しみください(笑)
実は当方、随分と前からこの番組に親近感を持っています。
というのは、イギリスでホームステイしていた頃、
ホストファミリーがAGTの元ネタ番組の
BGT(ブリティッシュズ・ゴット・タレント)を観てまして
「ここからスターが生まれるのよ。ワクワクするじゃない!」
と、この番組を毎週楽しみにしていた人たちを身近に見ていたこと。
それが、イギリスのあらゆる家庭の注目であったことを、
他の家庭にお邪魔するたびに体感しておりました。
(スーザン・ボイルがスターになる前年のことです)
ちなみにこの番組、観客も、審査員も、
遠慮はなしにダメなものはダメとはっきり言葉に出します。
そのシビアさが真実性を担保、臨場感を作り出している。
まず、審査員の態度は挑戦者が入ってきた瞬間から挑発的です。
ようこそ〜♪ ではなしに、
あんた誰!?
と言いたげな上からな姿勢でお出迎え。
(見た目がイケてない人には、一瞥。
それだけで、コイツ今から何やんの!?的なムードを作り出す)
と、聞くと嫌な番組だな、と思われるかもしれませんが、
それこそがこの番組の重要なエッセンス。
その分、パフォーマンスの内容がよければ観客席の熱が一気に高まります。
(観る側の期待値を下げておいて、ガツっとボルテージを上げる)
つまり、審査員はステージの上の挑戦者だけでなく、観客も煽り、
それがテレビの前の視聴者をも煽る、というリアルを追求した
超、劇場型才能発掘番組なのでした。
だから審査員に求められるのは独自の意見や考えではなく、
観客や視聴者の喜ぶ結果が何かを判断する感度の良さ。
つまり審査は盛り上がりが優先で、主観よりも観客の熱量で判断。
そして彼らの最も盛り上がれるコメントを端的な言葉でわかりやすく
面白く言える人たちが審査員席に座ります。
(的外れな意見、当たり障りのない意見、
話の長い人、小難しいことを言う人は審査員にいらない)
審査員たちは基本、美男美女系。
その中でも座長的な存在の、BGT&AGTの顔とも言える
サイモン・コーウェルがこの番組のキーパーソン。
服装はカジュアルでも、品がよくて落ち着いた雰囲気を漂わせるサイモンは
率先して会場を煽ったり、熱が高まりすぎるとクールダウンさせる。
声を荒げずに場の空気を盛り上げることができる彼の能力こそが、この番組の屋台骨です。
日本版のJGTをアベマでやってましたが、
Gacktさん以外の審査員、ちょっと違うかも、と思っちゃいました。
私が望む審査員はGacktさんは良しとして、
座長には(Mステもやってる)タモさんなら
品格面と空気を読む力、言葉の重さも含めて適任だと思う。
他は女性に椎名林檎さん、あおちゃんぺさんがいい。
イギリス、アメリカを見てもグラマラスな女性の上半身の豊満ボディ&
ある程度それを強調する服装も可な人が求められるのでね。
というのが理想だけどJGTは吉本が開催しているので
それなら女性枠に渡辺直美さんがいいな。
あの番組の審査員に必要な、はっきりものを言える自由闊達さと
選ばれし者感、ゴージャス感をビジュアルでも感じさせて欲しい。
そもそものAGTの番組コンセプトを大切にして欲しい!
閑話休題、シューマッハでした。
シューマッハのパフォーマンスに会場も審査員席も大盛り上がり。
サイモンも彼らを「天才!」と褒め称え、
(この流れで行きましょうね、と)
審査員席に合意の雰囲気を作り上げようとしていた。
その流れをぶった切って場を凍り付かせたのが、
サイモン隣に座る審査員のソフィア。
「これって、何なの!?(ジャンルがわかんない)混乱しちゃう」
と切り出し、
「ばかばかしい!」とまで言い放つ。
ソフィアからの畳み掛けるように繰り出される難癖。
ほぼほぼ予選進出できそう!と確信していた
シューマッハのお二人の表情が
ぎこちなくなっていく。
(客席も笑顔が固まっていた!)
「だけど、なぜだか本当に、本当にふさわしいのは」
とソフィアが思いっきり叩いたのが、
なんとゴールデンブザー!!
(日本人のお笑い芸人で初の快挙です)
観客も審査員も、
何よりシューマッハのお二人がびっくり!
(この流れ、見ごたえあります。
溜めて溜めて、爆発させるとは。
これこがエンタテイナー、
ほんとさすがです、ソフィア)
同時に、審査員が1シーズンに一度だけ押す権利のある
飛び級で準々決勝に行けるゴールデンブザーを
この二人のために使ったソフィアの決断。
どういうわけだろう、と考えちゃいますよね。
ということで以下は考察です。
要素を3つ挙げます。
その1 シューマッハは純粋に面白かった。
掴みからいいムードに持っていけてました。
舞台に立って、自己紹介。
「初めてアメリカに来た(外国も初めて)」と言い、
「ビューティフル カントリー」
とアメリカの感想を言います。
中国語でアメリカは美国。
少なくとも中華ルーツの人たちは
シューマッハに親しみを覚えたことでしょう。
その後は英語の拙さが「なんだこいつら」となってしまいそうなところを
独特な英語の言葉選びや間の良さ、明るさ、一生懸命さでカバー。
それが、くすっとした笑いにつながっていて、
好ましい印象をオーディエンスに与えていた。
例えば、芸人になる前の職業を聞かれて
「カー エンジニア」と答えるユウ(五味侑也)。
ワオ、(君はエリートかい!?)と軽い反感を抱かせるも、
ジェスチャーでやって見せた仕事は、どうみても整備士。
(なんだよそれ、と空気が緩む)
その他、慣れない英語ゆえの会話の噛み合わない自然な流れを
笑いに繋がる展開にできていた彼らの狙いすぎない天然さ加減が
清涼剤的に心地よかったのではないかな、と。
そしてパフォーマンスの方ですが、
動物ネタというのもアングロサクソンに受けたと思う。
日本とアングロサクソンでは動物の距離感が違うなあ、
というのを彼らを見ていて思います。
彼らはサバンナで生きる動物が大好きです。
アフリカも我々よりもずっと身近です。
それと、日本だとペットは愛玩動物。
自分を癒してくれて、ひたすら甘やかしたい存在。
それに対して、アングロサクソンの国だとペットは
心の通じ合えるパートナーで
しっかり躾けて言うことを聞かせます。
彼の国だと猫でさえも犬並みに言うことを聞きます。
だから動物との距離はある意味日本人よりも近く、
その分興味を持って動物パフォーマンスを見ていたのでしょう。
シューマッハは、本当の犬やゼブラらしい首の動きを再現していたことで
アメリカの皆さんが引き込まれたのでは。
反対に、ユニコーンやキリンは切り口を変えて
写実よりも笑いを追求、会場を沸かせていました。
その2 苦労人エピソードの気配
この番組を端的に言うと、一芸ならなんでもござれの、
オールジャンルのM1です。
そしてM1よりもずっと大掛かり。
年に一度の決勝戦のために毎週テレビで予選をやっているわけでして、
挑戦者にはこの、世界的なテレビ番組に出演するだけのクオリティーが求められます。
(番組オーディションがあって、スタートラインに立てることが栄誉)
で、M1もそうですが、このショーレースのアクセントとなるのが
大会出場前の不遇さ。
才能発掘番組なので、すでに注目されている、知られている人よりも
この人誰!?な方がインパクトがあるし
下剋上が巻き起こるほど、大会の価値が高まります。
スーザン・ボイルがまさにそれです。
シューマッハは10年間同じ動物芸一筋の、海外に出たのが初めてのコンビです。
(実際はエリートな職業のカーエンジニアではなく)自動車整備士など、
苦労しながらこの道に辿り着いて今に至る(あんまり売れてない)、
ひょっとするとこの番組で人生を変えそうな気配がぷんぷんしています。
シューマッハはゴールデンブザーがなくとも
間違いなく全員一致で「yes」をもらえたでしょう。
しかし、その後を勝ち抜けるかは未知数。
そこで、ソフィアが彼らにチートを与える決断をしたのだと思います。
当然ソフィアはただシューマッハが面白いというだけでボタンを押したわけではない。
彼らをシードに配置することで番組として面白い展開が生まれることを
予想できたからこそのボタンであるはずです。
そんな番組のプロデュースの提案のできる人が
あの席に座って番組を引っ掻き回している。
その3 TT兄弟の存在
その前の週にチョコレートプラネット(TT兄弟)が4yesを獲得しています。
会場は大盛り上がりで、TT兄弟一色になっていました。
さすが売れっ子さん。ものすごく面白い!
会場の沸かせ方も大変なもので
サイモンが「映画作ったら!?」と何度も提案するほど。
(吉本が出資してくれるでしょう。あり得るな)
チョコプラがこのテンションで挑み続ければ
映画の実現も具体的になってくる。
スーザン・ボイルも決勝では敗れましたが
夢は叶えました。
チョコプラもAGTで海外進出の
大きな足掛かりを得るはずです。
その準決勝でチョコプラを待ち構えているのがシューマッハ。
チョコプラとシューマッハは同期。
方や売れっ子、方や売れてない芸人。
方や会場を沸かせる系、方やほっこり系。
番組はいろんな切り口で大会を盛り上げられそうです。
(映画のネタにもなるね 笑)
さて、この戦い、どんな結末を迎えるのでしょう。
この番組をジャッジするのは実際のところ審査員ではない、
会場の観客の反応です。
チョコプラもシューマッハの存在に
刺激を受けていることでしょう。
シューマッハはTT兄弟の当て馬にされるのか、
それともこのチャンスをモノにして下剋上するのか。
立ちそばをいただきながら
決戦の日を楽しみにしております。
両陣営、頑張って!!