イラストで綴る日常

イラストで綴る日常

お仕事のこと趣味のことよしなしごと

こんにちは、イトウエルマです。

 

手術で右耳の後ろをカット、真珠種といわれる腫瘍を取ってもらいました。

 

腫瘍!ガンなの!?

と思われそうですが、真珠種の正体は耳垢。

なーんだ耳垢か、ではすまない。

耳垢が塊になったところに細菌が住み着いて

鼓膜に穴を開け、骨を破壊、難聴を引き起こし、

ドクロ↑私の症状あせる

さらに進行すると神経や脳にも影響を及ぼすので

見つけ次第取り除くべし!という病であります。

 

経過は良好です!

手術後、鼓膜がどんどん元気になっているのがわかる。

手術後1週間の間は起き抜けに目眩がしたり、耳にキリっと痛みが出たこともありましたが

手術で耳もそれなりの刺激を受けているので当然のことと思える範囲。

体の回復と共に耳にまつわる不快感はなくなりました。

聴力が戻るのはまだ先。2ヶ月〜1年以内に安定するそうです。

ドクロ楽しみキラキラ

 
執刀医は部長先生。
大病院の部長先生は(院内政治に長けてそうな)年配の男性が就任するものだろう、
という印象を勝手に持っていたのですが、そうではなかった!
 
主治医の部長先生は少女のような若々しさときっぱりさっぱりとした小柄な女性。
ドクターXの大門未知子みたいな、組織とバチバチやりあう一匹狼な女医さんなんて
いるわけないじゃん、と思ってましたが
主治医にはむしろ大門未知子っぽいところもあった!
とはいえ、先生が組織と戦っている風ではありませんでしたが。
 
 
ということで、今回のブログでは当方の手術のお話と
主治医、仮名、大門未知子のお話をさせてください。
 
 
 
当方はかかりつけ医から紹介状をいただき
地域の救急医療も担う大病院へ行きました。
 
救急患者も受け入れる大病院なのでそこそこ待たされますが
初診の日に手術に必要な全ての検査を済ませ、
次に来るときには入院&手術、という段取りとなりました。
患者の情報のデータ共有、
そして院内での連携と確認の仕組みには驚かされます。
ドクロ今の病院、ものすごくシステム化されてる!

 

 
 
閑話休題、大門未知子の話でした。
初めての診察でお目にかかった部長先生、もとい大門未知子の印象はというと、
(部長の割には)若い。
部長らしい偉い人オーラは皆無。(少女のような気取りのなさ)!
 
以上が率直な感想。
喋り方も偉そうな感じはなくて、朴訥とした一定の声長、
専門用語は使わずに簡単な言葉のみで話す。
瞬発力をしゃべることには使わない、ややローなテンション。
と、言葉は少ないが、パワーを秘めた感じもある。
(女子スピードスケートの選手っぽいな、とも思った)
 
 
その大門未知子は内視鏡で中を見て一言。
「真珠種性中耳炎ですね」
それですぐに耳の精密検査になりました。
 
 
一通りの検査が終わり、診察室に行くと、
大門未知子の後ろに若い男性医師(研修医!?)が座ってました。
ドクロ手術確定、ということかビックリマーク
 
CTを見ながら大門未知子から説明を受けるも、素人にはよくわからない。
なにしろ、人体の中で最も小さい骨の集合体(耳小骨といいます)を映し出すほどに
現代のCTの解像度は高くないし、全体像を把握するのも難しい。
(CTの技師も何度も撮り直ししてました。
小さすぎてピンポイントで必要なところを拾い出すのは至難の業なのでしょう)
ぼんやりした画像を見て分かったのは
真珠種の塊が耳小骨に隣接している、ということだけ。
その耳小骨が真珠種に溶かされてしまっているのか、
無事なのかは素人には全く判断がつかない。
大門未知子によると「進行具合はステージ1なので耳小骨を温存して手術します」とのこと。
(素人目にはステージ3にも思えるくらいに耳小骨が真珠種に埋もれているように見えた)
 
CTを見れば一目瞭然、というわけでもないのだな。
ドクロ経験豊富な医師でないと判断がつかないな、きっと
 
それにしても耳の中はどうなっているんだろう。
そう思った己は、鼓室(鼓膜の内側)を確認すべく
図鑑などを参考に、図を描いてみました。
 
すると鼓室や鼓膜には驚くほどに重要な神経が
そこかしこに張り巡らされていたのです。

 
図の赤い部分は鼓室(鼓膜の内側で粘膜に覆われている)
ピンクの管の部分は耳管(鼻に繋がっている)
白いのは耳小骨(3つの骨からなる。音を伝える役目をしている)で、
見ての通り、顔面神経、(味覚に関わる)鼓索神経、などなどが
耳小骨のそばを走っています。
脳のすぐ脇にある鼓室はさながら神経の交差点。
それら神経を傷めないように真珠種を取らないとならないこの手術は
熟練者が執刀するべきものとされていて、
手術が成功したとしても味覚の低下や舌が痺れが数ヶ月間続いたり(まれに戻らないこともある)
顔面神経が痺れたり(まれに痺れたままになることも)などの可能性もあります。
真珠種の取り残しによる再発の恐れも否定できないとも言われている。
それでお医者選びが重要だとあわあわしてたのが前回のブログです(こちら)
 
手術は2泊3日が予定されていること。
手術のリスクや手術後に起こる一時的な聴力低下や
神経へのダメージの可能性などの話がざっくりとありました。
これらは手術を受ける前に理解していたことなので、ただ頷くのみ。
 
説明で嬉しいこともありました。
再発のリスクは通常20%なのですが、私の場合は10%。
ステージ1で真珠種を見つけられたことも大きいと思いますが、
この手術に対しての先生の自信も伺えました。
ドクロこの先生を信じていいのかな?
もっと術数の多い院を当たる方がいいのかなはてなマーク
 
先週のブログで書きましたが、
ここで私は先生の中の職人性を見出すべく、
全神経を研ぎ澄ます。
 
 
安心や不安も強調しない、己を無にするようなニュートラルな静けさ。
この人の言葉に嘘はない。そしてこの人には並外れた瞬発力、没入力がある。
と思った己。
 
腹は決まりました。
この先生にお任せしよう!
 
 
 
こうして、前日から入院し、手術の日を迎えました。
手術当日の朝一番に、大門未知子の診察がありました。
週に2日が大門未知子の手術日で、この日の手術は3本。私は最後の3本目です。
本当は4本が予定されていたけれど、一人が直前に風邪で手術ができなくなったと聞きました。
(看護師さんは「先生は体力があるから大丈夫です」と言っていましたが、
こんなに手術をたくさん抱えていて、大門未知子の集中力が自分の番まで続くのか心配してました。
だから、一本減っただけでも私的にはありがたかった。
ドクロどなたか、風邪を引いてくれてありがとう!ラブラブ
 
この日の朝、診察室でお目にかかった大門未知子は
休みの日に忘れ物を取りに来ました〜、
本来はオフの日です、みたいなリラックスモード。
つまりお医者さんムードが消えてました。
(あれ、友達でしたっけ、と思うような目線の近さを感じました)
 
 
そして午後。
私の手術の番がやってきました。
 
手術台に乗ったときに、大門未知子が手袋をはめているのが見えました。
どちらかといえば少女のような印象だった大門未知子が、
この時は妖しい輝きを放ち始めてました。
エンジンがかかり始めたんだな、と思っていたら……。
 
すぐに麻酔が効いて、目が覚めたときには手術も終わってました。
 
 
よく聞く、術後の舌の痺れや味覚の低下もなく、
神経の類に影響を及ぼすことなく手術が終了したことがわかりました。
(いずれ回復すると言われてもやはり神経のことは心配なので、嬉しかった!)
 
大門未知子から伝えられたこと。
 
「手術は当初の通り耳小骨は残して取り除きました。
(鼓膜の上の骨の溶けて開いていた)側頭骨の穴は軟骨でふさぎました」
 
ところで、耳の軟骨の切り取ったとされる箇所を何度触っても
どこを削ったのか見当がつきませんでした。
ドクロ医療には驚くことばかり!キラキラ
 

術後2週間目の診察で、耳の詰め物を外してもらいました。

耳の穴を内視鏡で確認すると、耳の中はまさに手術をしていたんだな、という状況で、

外耳(鼓膜から外側の目視可能な範囲。いわゆる耳の穴の中)

血や膿が滲んでいたり、膿のカスが鼓膜や壁面のあちこちにへばり付いていました。

大門未知子はこの汚れもいずれきれいになっていくと言ってました。

これが意味するのは、人間本来が持っている外耳道の浄化作用が温存される、ということ。

真珠種性中耳炎の手術は、場合によっては外耳道を大きく削って手術をします。

そうすると真珠種をしっかりと摘出できるかわりに、外耳道の形が変わってしまい、

浄化作用が失われて、たまる耳かすを自分でとることができなくなります。

それで定期的に病院で取ってもらうことになる。

今回の私の耳は普通の人と同様に、病院に行って耳かすを

とってもらわなくてもいい状態にしてもらえている、ということ。

 
病巣の摘出、患者のQOL、どちらを優先するか、
それらをどの程度優先するか。
そりゃ、すべて叶えてもらえたらいいけれども、
人間の体や進行具合などは、ケースバイケースなわけでして、
医者はあのぼんやりとしたCT画像を頼りにするしかなく、
まるで人質を取られた建物に突入するSATのように
限られた情報から作戦を立てて切り込んで、現場判断で最善を尽くし、
できる限りの救出を試みて、手術を完遂している。
見立て通りに手術を行うというのは
それがたとえステージ1の進行具合であっても
決して簡単ではないということに、
耳の穴を見せてもらって気がつきました。
ドクロだから熟達者の手術なのだなビックリマーク

 

 

この先生に大門未知子を見出した理由。

 

ひとつは、オンとオフがあって、

オフはオン(手術)でパワーを爆発させるためにあり、

他にも(外来時の)ニュートラルモードもあったりと、

スイッチを自在に入れ替えているところ。

(先生の完全なオフのお姿は拝見してはおりませんが、

ドラマの大門未知子に近い部分が

あるのではないだろうか、と思えてしまう 笑)

 

 

そして結果を出し続けているからこその(女性の)部長職。

能力があってさらに人柄が気さくだと、

現場でも好かれて尊敬されて、

連携も神がかってくるものだとも。

(大門未知子が能力を最大限に発揮するために

彼女以外ができる全てのことをパーフェクトにやり遂げる

看護師さんたちの能力の高さもすごかった!

大門未知子の手足口となって動く看護師さんたちの動きは

まるで宝塚のトップスターを支えるメンバーでした)

 

 
ドクターXの大門未知子は御伽話だと思ってましたが、
見方が変わったのが今回の手術でした。
 
 
いやや、文字数もかなりになってしまった(汗)
手術についてはまだまだ思うところがありますので
回復状況の報告も兼ねて、次回にお話しさせてください。
それまではこちらでもお読みください(笑)
 
 

こんにちは、イトウエルマです。

 

今年を表す漢字が発表されました。

「熊」。

確かに熊出没が世間を騒がせてましたね。

 

私にとっての一文字は

「耳」。

耳の調子が悪くて病院に行ったら「真珠腫性中耳炎」との診断で、
紹介状をいただいて入院&全身麻酔をして手術をすることになりました。
割に技術のいる手術。
手術をしてもらうのはこの病院で大丈夫だろうか。
心配になって、自分なりに調べたり、
直に先生にお会いした印象も含めて、
お任せしようと覚悟を決めました。
術後の経過は良好です!
 
この度、これ重要、と思ったことが2つ。
 
ひとつは、早期発見の大切さ。
早期に見つけられるだけでも手術の成功率がぐっと高まります。
 
そしてもうひとつ。
早期発見のためにもかかりつけ医の診断に納得がいかないときは他のかかりつけ医を探すべし!
(大きい病院に行く必要はありません。その理由を後述します)
 
幼少の頃から中耳炎を繰り返してきた方、
鼻炎気味でよく鼻をすする方、
飛行機やエレベーターですぐに耳が詰まるので耳抜きが欠かせない方。
 
明日は我が身! と思いながらこのブログをご覧ください(笑)
 
 
真珠腫中耳炎といえば、ダイアンの津田さんが
昨年2024年3月に手術を受けられたことで注目されました。
今では聴力も戻って快適に過ごされているそうで、本当によかった!
 
津田さんの奥様のブログによると
津田さんは長いこと真珠腫性中耳炎の診断をいただいていて
ようやく手術に踏み切った、と書かれておりました。
津田さんは音を伝えるための耳の骨(耳小骨)を温存して手術されているので、
この手術を受けられる方の中では早期に発見ができていらっしゃる。
ちゃんとした診断の出せる医師に早い段階で出会えていたからこそ、
手術のタイミングをコントロールできていたのでしょう。
言い換えれば、多少放置できるくらいに進行が遅い病なのかも。
(急に進行することもある、という話もあります。
まあ、素人は見つけたらあまり放置せずに
できるタイミングで手術するのがよさそうです)
 
己も割と早めに発見できたので耳小骨を温存する手術をしてもらえました。
気づかないうちに進行、気づいたときには、耳の骨や組織、神経などが壊れていく
案外恐ろしい病なので早期発見が肝要です。
 
今回、耳鼻科は、病名を発見してもらうために、
いままで通ったことのある院はやめて、
(家から近いので何かあると行っていたけど、
何度通っても診断がボヤッとしていた)
明確な診断をつけてもらえそうな院を探し、
そこで診てもらって、病名が判明しました。
 
 
院探しには当然、ネットを使います。
そしてgoogleの口コミを参考にすることになるのですが、
みなさま。どうかgoogleの口コミを全面的に信頼するのはお考え直しください。
半分は参考になりますが、半分は不要の情報だったりします。
(中には同業者の妬み誹りもあるんじゃないかと思うような内容も。
いい院ほど、この手の中傷が多い気がしてますが、どうなのだろう)
 
ちゃんとした診断をつけてもらえそうな院を探すために
この度3つの点に留意しました。
 
これは医療業界になんのコネクションもない人間が
保険医療の範囲で治療をしてもらうのを前提とした病院探しです。
ご親戚、お知り合いにお医者さんが多くいらっしゃる方々は
身近な人のアドバイスでふさわしい現場にダイレクトに繋がれて、
そこで手に負えずともそれ以上の環境に出会って
最良の方法で病と向き合えることになると思いますので、
どうかこのブログはスルーしてくださいまし。
 
私の方法は以下になります。
 
 
1 診断を出せる設備があること。
 
ブラックジャックならば顔を見るだけ、脈をみるだけで病名がわかるかもしれませんが、
やはり判断材料が多いに越したことはない。
今の時代、例えばはっきりと内部を映し出す内視鏡などで見れば
ある程度のことが一発でわかったりもします。
レントゲンだって無駄ではない。
定期的に撮らないとわからないこともある。
ここは検査が多い、無駄に保険の点数を稼ごうとする、などと
設備のいい院、検査を重視する病院を中傷する口コミが散見されますが、
そうしたコメントが出せるのはあなたが若くて健康なだけ。
人当たりのいい病院ならば満足度も高まることでしょう。
検査だって、より精密に検査のできる機器があれば
その場で問題をかかえた人たちの本当の病名を明らかにしてもらえます。
そして患者の側もカラーの映像などで、しっかりと症状を確認できて診断に納得ができます。
己の症状がかかりつけ医の先生で解消されなかったり明らかにならなかったら、
昔ながらの昔ながらの設備で事足りる症状でないのかもしれないので
かかりつけ医を変えてみてもいいかもしれません。
 
 
2 先生が現代の医療をキャッチアップされていること。
 
新しい設備を導入している先生は往々にして大学病院などへ定期的に研修に出向かれて
現代の利器の有用性や知識の更新に努められていらっしゃいます。
院で手術をしないまでも、先生のくださる紹介先の選定にも先生のご経験が反映されます。
 
 
3 先生の得意分野が何かを見極める。
 
耳鼻科ならその院は耳か鼻のどちらが得意なのか。
耳ならどういう症状まで診てもらえそうか。
HPをよく読むと先生の方針やお考え、お得意分野が見えてきます。
都内はいろんな院がありますが、地方だと選択が限られてくるでしょう。
その場合、その地域で一番大きな大学病院(地方へ行くほど国立系が強い)を
卒業された先生が開業されている院ならば
大きい病院や、その分野にお得意の医師がいる病院への
ご紹介の可能性が高まるように思います。
実際、地方の大学病院では都内の真珠種性中耳炎の手術で実績があるとされる
有名大学病院をしのぐ術数をこなしています。
それだけ地方の場合は数少ない病院にこの手術が集中しているのだと思います。
 
 
それなら直に大学病院に行けばいいじゃないの。
紹介状がなければ1万円某を余計に払えばいいだけなんだし。
 
と思われる方へ。
かかりつけ医にご判断いただくメリットは、
素人には判断のつかない病名を明らかにしてもらえるところ。
そして、その後に病院はどこがいいかを考える余裕をもらえるというところ。
素人判断でどんな手術もできる病院に行ってしまったら、
そこで手術をする流れが生まれてしまうし、
目の前にいる先生の申し出をお断りするのはかなりエネルギーがいる作業になります。
セカンドオピニオンというのも(自由診療の扱いになるので)まあお金がかかりますよね。
一旦、人を挟むだけでも、キャンセルはやりやすい。
かかりつけ医の先生のご紹介先が気に入らなければ
後からでもキャンセルを入れるかして、自分でその道に強いと判断した病院を訪ねていけばいい。
そのためにもまずは病名を明らかにしてもらうのは重要なポイントなのです。

 

 

 

この度、かかりつけ耳鼻科先生はご紹介先に
ABC、3つの選択をくださいました。
 
先生が一番最初に挙げてくださった(つまり推しの)A病院
実は己、A病院に一度通ったことがありました。
A病院の先生は組織の成り立ちもあってか
偉ぶったところがなく親しみやすそうな雰囲気があるものの、
とにかく先生方は忙しいのか説明らしい説明がほとんどなくて
置き去りにされてる感が強かった。
どうなんだろ、A病院
 
この時の己は真珠種性中耳炎というのが
割に術数の多くない、経験の求められる手術になる
ということが分かっていなかったので
無責任な気持ちで、A病院にちょい難色を示す。
 
 
すると、かかりつけ耳鼻科先生は日本有数の大学病院Bもご紹介できる、という。
 
「だけどそこは初診にかかるだけでも2ヶ月待ちです」
 
初診だけで2ヶ月。
手術まではどれくらい待つんだろう!?
そもそもそんな大病院でなくてもいいんだけど。
 
「そこも嫌ならC病院にも紹介状を書けますけど」
C病院はそれこそ研究者が行くようなところ。
耳の手術にそこまで必要ないでしょ、
と思った己。
 

 
A病院は部長先生宛で紹介状出しときますね」
 
むむむ、紹介状、強し!
自分でA病院に出向いても部長先生にまでは届かないですもん。
 
 
紹介先の病院に行くまでには2週間ありました。
この間、真珠種性中耳炎の手術について調べてみると、
存外、難易度の高い手術だということを知ってびっくり。
 
今度は果たしてA病院でいいのだろうか、と心配になる。
 
かかりつけ耳鼻科先生がご紹介先として挙げた中なら
B病院が一番手術実績がある。
そもそも、病院を変えるならば
真珠種性中耳炎の手術に長けた院が東京にはいくつもある。
そちらへ行った方がいいのかも。
 
……という考えが頭を掠めたものの、
当方はかかりつけ耳鼻科先生がA病院を、
人物を指名して紹介状を書いてくださったことには
それなりに意味があるのではないか、と思ってもみる。
紹介先の内部の人間までもが見えている人の判断は大きいから。
 
もうひとつ。
私個人の人間洞察力というか、直感を信じたい。
 
当方は会社員時代、国内外の印刷や紙製品などの加工現場で
職人さんの仕事に立ち会ってきてました。
凄腕の職人さんは言葉がなくとも、
驚くほどにこちらの意図を汲み取る力を持っているもの。
稀に、この人ほんとに仕事すんの!?と思うような人が
いい仕事をしたりすることもあります。
というわけでして、私にはいい仕事をする職人さん方と付き合ってきた経験から
いろんなタイプの職人さんの匂いが多少はわかる。
医師も手術の際には職人の仕事同様に、手先の器用さや、
正解の分かりにくいものの中に正解を見出す力が求められる。
医師の中に職人を見出せるか。
かかりつけ耳鼻科先生には、職人的な誠実な匂いが感じ取れる。
その先生がご紹介下さる先生。
先生に直にお会いして結論を出しても遅くはないだろう。
この先生は違う、とおもったら、勇気を出して引き返そう。
自分の耳を守れるのは最後は自分の判断なのだから。
 
 
こうして、A病院の部長先生にお目にかかりました。
保険診療での診察は15分以内とされています。
先生もそれぞれの患者の事前情報を精査して
ある程度は検討をつけてから診察に臨まないとならないので、
実際に与えられる診察時間は5分くらいでしょう。
 
私に与えられたわずかな時間の中、先生の言葉を聞き漏らさまいと、
ノートに事前に耳や鼻の構造を描いてみたりして臨みました。
これで専門用語もバッチリです(笑)
(ネットの時代、アホ質問をする時間があったら
少しでも先生が発する言葉を遮らないよう耳を澄ませ、
あとからその真意を図鑑を見たりネットを検索しながら探る方が
理解を深め、多くのことを得られるのではないか、と
医療の知識が皆無な己は思う
 
先生は患者に聞き返されるような専門用語は使わず、
努めて簡易な言葉で説明をされます。
(聞き返されて時間を取られたら診察時間、おわんないですもんね)
診察で一番注意を払ったことは、もちろん、
先生から漂う、職人としての空気感の質の見極め。
 
結果、この先生ならお任せできる!と
A病院のまな板の上に乗る覚悟を決めました。
 
 
覚悟を決めて臨んだので、手術前に緊張するようなこともありませんでした。
結果にも満足しています。
 
今思うこと。
かかりつけ医をどこにするのか、
そこでの先生のご判断は大きいな、大切だな、と。
 
 
手術にも多くの気づきがありましたが
病院選びのお話だけでブログの文字数制限に達してます(汗)
手術のお話は、また後日にいたします(笑)
 
 
それまではこちらをご覧ください!
 
 
 
 
 
 
 
 

こんにちは、イトウエルマです。

 

 

1年前に「下鼻甲介切除術」を受けました。

保険適応で受けられる鼻の手術です。

3割負担で片鼻24000円くらい。

一度受けると少なくとも20年は鼻詰まりから解放されるといいます。

 

一年経っての感想。受けて本当によかった!
鼻が通るってすばらしい。
快適さだけでない、アトピー,鼻炎、中耳炎、
いろんな鼻トラブルから解放されました。
それに加えてよかったこと。
鼻炎の人に起こりうる、もっと重大な症状に気づけたのも
「下鼻甲介切除術」のおかげであります。
もしも鼻詰まりに苦しんでいて、中耳炎をよくやってきた方、
私と同じお悩みをお持ちの方に私の経験が参考になれば幸いです。
(鼻炎とは無縁、耳のトラブルとも縁がない人にはどーでもいい内容です。
己が後から振り返って読むための記録的な要素もあってお話しが長めなので
ご留意くださいませ)
 

 

手術を受ける前の私はいつでも鼻が詰まってました。

花粉、ほこり、気温差、緊張……。

何にでも鼻が反応するので年中鼻水が出てきて

その度に鼻をすすってました。

ドクロ鼻をすするのは耳によくないのですが、

そんなことを言っていたら呼吸もままならないのが

鼻炎の人間です。

 

すすると一時的に鼻の通りがよくなります。

その隙に匂いを嗅いだり、味わったり。

しかし、すすってもすすっても対処できないほど鼻水の量が増えて鼻が詰まりだすと

鼻水に血がまじるようになり、次に鼻と口の辺りにアトピーの症状が出てくる。

ときに、鼻水が耳までいっているのが鼓膜に伝わって、

ゴボゴボ、バリバリっという音がする。

そんなのが日常茶飯事で、運が悪いと中耳炎になり、

そうなると初めて耳鼻科へ行きます。

幼少の頃より頻繁に中耳炎をやっていたために

私の鼓膜はたわんでしまって耳の聞こえもイマイチ。

 
耳鼻科へいくとまず言われること。
 
「鼻啜りをやめましょう」
 
しかし、鼻水がとまらない人に
これを止めるなんて、不可能ですよね。
 

鼻水を止めるために処方されるのはお薬。

一方で、お薬を使い続けるのは

自然食&マクロビ家庭に育った私には抵抗感がありました。

中耳炎が治るまではお薬も飲みますが、

その後は食事に気をつけることでどうにかしていました。

 

そんな私に現れた救世主。

それが塩水での「鼻うがい」。

「鼻うがい」をするようになってからは

鼻詰まりも多少ならコントロールできるようになりました。

鼻うがいをすると鼻水が排出されて鼻の換気がよくなります。

鼻の換気がよくなると、アトピー症状もかなり軽減される!

ドクロというか、鼻の換気さえ確保できればアトピー症状は進まない

 

しかし、少しでも鼻うがいを休むと、鼻水が溜まる。

詰まり出した頃にはすでに鼻の内部が腫れていて、

鼻の穴内部の空気の通り道が狭くなってしまい、

そうなってから鼻うがいをしても、水分を外に排出するのも一苦労、

鼻うがい後しばらくすると少しずつ塩水と鼻水がポタポタたれてくる有様(笑)

それでも鼻を詰まらせる余分な水分が出てきてくれるだけもありがたい。

もっと腫れると水分が鼻から出てこなくなる。

そしてくしゃみしてようやく出てくる鼻水はいつでも血混じり。

その後鼻の下がただれてアトピーがやってくるのでした。

 

 

鼻の健康を保つ上で鼻の換気の大切さを知った己。

多少腫れても、鼻水が出るくらいの隙間があれば悪化は防げるのに!

 

それにしても己の鼻腔内の空気の通り道の狭さは、尋常ではない。

これは己の低くて小さい鼻の構造上の問題も大きいのではないか。

 

そんなとき「下鼻甲介(びこうかい)切除術」というものを知ったのでした。

 

 

 

鼻甲介(びこうかい)というのは

鼻の穴の奥に広がる鼻腔内にできている粘膜に包まれたひだ。

上中下、と3つあり、ここでウイルスの侵入を防ぎます。

そして一番下の下鼻甲介(かびこうかい)が鼻水を出して

捉えたウイルスなどを鼻から外に排出するのです。

 

下鼻甲介(かびこうかい)という他よりも大きい一番下のひだが

腫れたりなどすると鼻の通りを防いでしまうので、

ここの粘膜の内側の軟骨だけを削ることで

腫れても鼻を塞がないようにするのが「下鼻甲介切除術」。

何度も言いますが保険適応でできて、

費用はざっくり三割負担の場合、片方の鼻で24000円くらい。

ドクロいかにも私の症状に効きそう!

 

 

私はこの手術を局所麻酔で日帰りでやってもらえるクリニックでお願いしました。

この手術をたくさんこなしている先生ということもあって日帰りが可能だったのですが、

本来は入院をして全身麻酔をやってもらう、割に大掛かりな手術だったりします。

鼻はいろんな神経が通っていて繊細な場所なので

実績のある院を探してお願いするのがいいと思います。

 
「下鼻甲介切除術」のおかげで鼻の通りを確保できるようになりました。
鼻の通りがよくなっただけで、鼻の中が腫れなくなったわけではありません。
腫れると次は鼻水が出てきます。
それを放っておくと、血の混じった鼻水が出るようになり、
鼻詰まりをおこすようになります。
だから当方は今も鼻うがいを続けています。
鼻うがいさえやっていれば、鼻から水がスムーズに出てくれます。
おかげで鼻の換気も十分!鼻のトラブルから解放されました。
ドクロ粘膜でのウイルスの増殖も防げるので
インフルエンザもコロナも怖くない!キラキラ
 
この、鼻の通りを確保したことで鼻詰まりよりもずっと重大な
耳にまつわる症状を初期段階で発見できました。
 
まず、異変。
この夏、いきなり耳の詰まりがありまして、
耳の聞こえがぐっと悪くなりました。
耳管通気を自分でやってみたりなどして、
やり過ごしていたのですがどうも芳しくない。
夏の終わりごろでしょうか。
久しぶりに耳鼻科に行きましたら大きい病院を紹介されて、
「真珠腫中耳炎」との診断をいただき、手術することになりました。
入院して全身麻酔をする、案外大ごとな手術です。
 
「真珠腫中耳炎」は耳垢が鼓膜にくっついて
耳垢が細菌感染することで鼓膜に穴を開ける病気です。
鼓膜に穴を開けた後は鼓室内に入り込んで
耳の内部の骨を溶かしてしまうのです。
進行すると音を伝えるために必要な小骨や耳の壁の骨を溶かします。
そうなるころには難聴になっているはずで、
これがさらに進行すると難聴だけでなく、顔面神経痛や脳にまで被害が及ぶそうです。
だから「真珠腫中耳炎」は見つけた時点で取り除かなくてはなりません。
手術しても再発の可能性もある病です。
 
 
この度の己は鼻のトラブルを解消できていたために
耳の不調に早期に気づくことができました。
以前のように常時鼻が詰まった状態なら見過ごしていたと思います。
 
 
耳も鼻同様に小さなエリアにいろんな神経が通っていて、
デリケートな作業を要する手術になります。
今私にできるのは先生を信頼してお任せするのみです。
先生、どうかよろしくお願いいたします!
 
 
全身麻酔をすることになるのですが、
麻酔の間は夢って見られるのでしょうか。
おそばの夢を見ていたい!