『軍師官兵衛』第44回「落ちゆく巨星」感想 | のぼこの庵

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大河ドラマの史上最高傑作『独眼竜政宗』(1987⇒2014再放送)と近年の最高峰『平清盛』(2012)の感想です。
ついでに『江~姫たちの戦国~』(2011)、『八重の桜』(2013)、『軍師官兵衛』(2014)、『花燃ゆ』(2015)の感想も。
あとは爺放談?

(福島正則役の)石黒は「役が決まった時から、このシーンのことを聞いていたので本当にうれしかったんです。監督さんも台本からさらに脚色してくださって」と熱が入った。そんな彼に「石黒さんがアイディアを出してくれたりして、すごくいいシーンになりました」と語る(母里太兵衛役の)速水。熱演した二人は、監督に「カットしないでくださいね」とお願いしたそうだ。(ジモト新聞「週間テレビガイド」より)

カットされたんでしょうね。
通説どおりに「黒田武士」をじっくり再現すればよかったものを、ただの無頼者同士のイッキ飲み大会(それも「清酒」で)になってしまったのは残念でした。
(大盃を飲み干す前に泡を向こうへ吹きやる仕草は発酵し続ける「どぶろく」なればこそ)

さて、

今回は次第に老いさらばえていく天下人が描かれました。
官兵衛や家康でなくても誰が見ても「もう長くない」ことがわかる竹下秀吉の怪演でした。
それにしても三成は秀吉のためによく働くこと。
茶々もそこここでいい味を出していました。
『黒秀吉』のあとは『黒茶々』で楽しめるかな?

ところで、

ここ数回とくに見せ場もなかった秀次があっけなく無念の切腹。
「将棋の盤はそのままにしておけ」の名台詞がないばかりか自分で崩しちゃいましたね。
これも通説のひとつでしたっけか?

また、

秀次と同じく死ぬためだけに出てきた熊之助と吉太夫。
黒田家の次男と母里家の嫡男がなんと脱走、雑兵に混じって密航です。
それも猫の子がいなくなった程度の内部統制の適当さ。
黒田ファミリーは能天気にもほどがある。
留守居役は打ち首もんです。

まあ、それもそのはず。
光さんも糸さんも、長政や官兵衛に対し、これが今生の別れになるかもしれないとはさらさら思っていない感丸出しの、心のこもらないお芝居でした。
亭主や息子を罵倒する演技?はお上手なんですけどね。

※ 日本号(にほんごう、ひのもとごう)は、天下三名槍と呼ばれた槍の1つ。「黒田節」の母里太兵衛友信の逸話の元となった大身槍である。穂(刃長)二尺六寸一分五厘(79.2センチ)、茎一尺六分五厘(62.5センチ)、樋(刃中央の溝)に優美な倶梨伽羅龍の浮彫がある。拵えを含めた全長十尺六分余(321.5)センチ、総重量2.8キロ。無銘であるが、金房派の作と推定されている。元来は皇室所有物(御物)で正親町天皇より足利義昭に下賜され、その後織田信長を経て豊臣秀吉に渡り、秀吉より福島正則に与えられた。前述の逸話を経て黒田官兵衛孝高の家臣である友信が正則より貰い受け。昭和になってから黒田家より福岡市に寄贈されている。日本号はその伝来と完成度の高さから現存する「大身槍」の中で究極の存在とされており、多くの写しが制作されている。(Wikipediaより)

  日本号