2014年という年 | シンガーソングライターmica オフィシャルブログ「LIBERA!」

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シンガーソングライターのmicaです。
『人々の無意識に訴えかける音楽』と『総合芸術』をコンセプトに、elfinというエレクトロニカユニットで声を奏でています。


2014年は、とにかく「手放していく」ということが自分のテーマだった。
すっかり忘れていたが、そういえば今年の始めに「本当にやりたいこと、本当に必要としているもの以外は手放す」と決めたのだった。



まず2月に、ここ7年半、自分の主な収入源だった仕事を二つ手放した。
それは、音楽活動をしながら生きていく上で、20代の自分をずっと支えてきてくれた大切な仕事だった。

3月には、日々の大半を費やしていたもうひとつの大きな仕事を手放すことにした。
理由は色々あるが、その主としては、本当にやりたいことではないと確信する出来事と遭遇してしまったからだった。

この三つの仕事を手放すことは、わたしにとって強烈な恐怖を伴うことであり、「そんなこと絶対出来ない」と頑に信じてきたことだった。



しかし、どんなに怯えてみたところで「恐怖は未知故に恐怖であり、未知でなくなれば消滅する」もので、すっかり身軽になったわたしは、4月から生まれて初めてヨーロッパをひとりで旅することにした。

理由は、今年の2月頃に、肉体を失った亡霊のような自分が、友人のk.a.n.aちゃんに「今本当にしたいことは何?」と訊かれ、「ひとり旅がしたい」という言葉を発したことを記憶の片隅で覚えていたからだった。

ひとり旅について、最初は反対していた夫も、わたしの強い意志に根負けし、最後は優しく送り出してくれたが、「本当はこんなことしたくない」と嘆く自分の叫びも耳に響いており、正直複雑な心境だった。

空港でお別れをする時涙が止まらなかった。



ドイツに着いてからの最初の1ヶ月は、今までずっと隠して来た自分の弱さが、言葉も通じぬ見知らぬ土地でひとりになることによってことごとく露になり、再び苦痛と恐怖に苛まれた。
謂わば、殆どひきこもり状態で、カフェにパンを買いにいく事すら恐ろしくなった。

「こんな所まで来て、こんなに危うい精神状態を、わたしはいつまで続けるつもりなんだ」と、悔しさと情けなさが入り交じった気持ちで自分を俯瞰出来るようになった頃、急にフッと空気が緩んだような瞬間が訪れ、「興味のある場所にとことん行ってみよう」と思った。
やっと「ピコーン」が降りて来たのだ。



そこから流れが一気に変わった。
英語なんか全く喋れない自分が、なんとか英語のサイトで航空券を取り、非言語の持つ力のみを信じて色々な国を回ることとなった。

そもそも拠点としているドイツがドイツ語で、はなから全くわからないので、英語圏の国に行く時は寧ろ気楽なくらいだった。

4月末から、イタリア・ローマ、チェコ・プラハ、ドイツ・ミュンヘン。
5月末から、フランス・パリ、イギリス・ロンドン、アイルランド・ダブリンを訪れた。



わたしはこの旅が終わるまでにある決断をすることを自分に課していた。
最後までずっと迷っていたが、帰国する1週間前に閃きが落ち、予定通り、またひとつ「手放すこと」を選んだ。



6月末に帰国してからのわたしは完全にフリーだった。
ここにきてやっと「好きな事、やりたい事だけをやって生きてみる」を実行することにした。
それは自分の人生に於いて、とても斬新なことだった。

そして、今に至る。

・・・言わずもがな、今わたしは人生史上最高に幸せだ。




2014年は、「手放し」の年であり、そして「わたしの幸せとは何だろう、わたしはどう生きたいのだろう」ということを、ひたすら考えた一年でもあった。

「自分がずっと内に秘めてきた人生ストーリーは破滅的で、突き詰めて行くと死に向かってしまうから、それは芸術でのみ表現して、現実ではまた違うストーリーを新しく描いて行こう」ということも決めた。



最後に、もしよかったらあなたにも一緒に考えてみて欲しい。

あなたの幸せとは何だろう。
あなたはどう生きたいのだろう。



・・・皆が、唯一無二である自分自身の幸せに、充分満たされますように。




*メッセージ*
この一年間、ブログを読んで下さった皆さん、本当にありがとうございました。
見えない皆さんを感じることで、わたしは何度も救われていました。

さて、ここでひとつ宣言。
来年は、音楽の年にします。

これからも、どうぞよろしくお願いします!(●´∀`●)


2014年12月末日
mica



Photo by  interashiro
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