創作「制服探偵秘密の部屋」6 | 如月エルフのブログ

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セーラー服とマンガと○○と呪われし女装子

2つとも見つかった。
これはどういうことだろうか。
いずれにせよ、ゼミが男か女かの判別は、これでは不可能ということになった。
「他に報告することはない?じゃあまたいつか私の部屋を調べにきてもいいわよ。ああこれ、私が自分で戻しておくから」
そう言ってくれたが、ぼくにはまだ気になることがあった。
実はこの2つの物、鏡台の同じ引き出しに揃って入っていたのである。
もし1つだけだったら、そこで探索をやめて、男だあるいは女だと判断してしまうかもしれない、素人ならば。
達人だったら、まだ何かあると考え、探索を続けるだろう。
もっとも、ぼくは、そんなことは無関係に、すみからすみまで探し続けたわけだが。
更に、まだ不審な点がある。
ひげそり機は、そるところに、ひげのつぶのようなのが残っていない。
生理用品は、未開封である。
つまり、2つとも新品なのである。
これらのことから考えると、ゼミはいずれぼくが部屋を探しにくるだろうと思い、前もってわざと同じ場所に置いて準備していたのかもしれない。
だけど、それらが新品なのが気になって、そのために、見つけたときに元に戻さず、持ち出してゼミに見せてこのことを問いただそうと思ったわけである。
だけど、ゼミが部屋を準備して、ぼくの能力をを試したりして優しく迎え入れてくれた。
そんな気がしたので、ぼくはこれ以上突き詰めるをやめることにした。
ぼくはこういうお人好しの人間ではないかとも思う。